互尊文庫とは? わかりやすく解説

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長岡市立互尊文庫

(互尊文庫 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/15 04:54 UTC 版)

長岡市立互尊文庫(ながおかしりつごそんぶんこ)は長岡市立図書館の分館。長岡市初の公共図書館であり[1][2]1987年(昭和62年)の中央図書館完成後は地域館(分館)となった[3]

坂之上町の建物内にあったが2023年(令和5年)2月28日でいったん閉館し、同年7月に複合施設「米百俵プレイス ミライエ長岡」内に移転した[1]

歴史

1915年(大正4年)10月に長岡市の野本恭八郎(野本互尊)が大正天皇即位を記念して「大正記念互尊文庫」を創設して、その図書館の建設費と維持費を寄付することを長岡市に願い出た[3][4]

長岡では市制施行前の1904年(明治37年)に日露戦争戦勝記念として「戦勝記念長岡図書館」が設立されていた[4]。その後、友共社が運営していた図書館(1894年発足)を合わせ、1909年(明治42年)に長岡市教育会が「戦勝記念長岡図書館」の運営を引き継いで「長岡図書館」(私立)に改称していた[4]

野本恭八郎の図書館創設を長岡市会が承認すると、長岡市教育会は「長岡図書館」のすべての図書を寄贈し、このほか多くの寄贈図書を受け入れて1918年(大正7年)4月に「大正記念長岡市立互尊文庫」が開設された[4]。開館時の蔵書数は30,708冊であった[4]

1936年(昭和11年)の全国主要市立図書館の統計では、閲覧者率が全国1位、蔵書冊数が全国2位だった[4]。しかし、1945年(昭和20年)8月に一部書庫を残して全館を焼失したが(長岡空襲[4]、内藤伝吉の寄付などにより再建された[3]

旧互尊文庫

移転前の互尊文庫(2021年5月)

坂之上町の建物は1967年(昭和42年)に建てられ、1987年(昭和62年)の中央図書館完成後は地域館(分館)となった[3][4]。この1967年竣工の長岡市坂之上町の建物は、2020年(令和2年)にDOCOMOMO JAPAN選定 日本におけるモダン・ムーブメントの建築に認定された[5]

2023年(令和5年)2月28日でいったん閉館し、同年7月に複合施設「米百俵プレイス ミライエ長岡」内に移転することが決まった[1]。蔵書の一部は長岡市内の小中学校に引き継がれ、坂之上町の建物は長岡戦災資料館として使われることになった[1]

移転

互尊文庫は2023年7月22日にオープンした「米百俵プレイス ミライエ長岡」西館3階及び5階に移転し、2024年(令和6年)2月1日に図書の貸し出しを再開した[6]

また、移転前の互尊文庫内に設置されていた文書資料室については、2023年7月に長岡市長倉西町の旧サンライフ長岡内に「歴史文書館」として移転オープンした[7][8]

出典

  1. ^ a b c d 長岡市の図書館「互尊文庫」 移転を前にいったん閉館”. NHK (2023年3月1日). 2023年3月6日閲覧。
  2. ^ 学習室で勉強したなぁ…伝統の互尊文庫(新潟長岡市)が閉館、市民「さみしい」”. 新潟日報 (2023年3月5日). 2023年3月6日閲覧。
  3. ^ a b c d 互尊文庫”. 長岡市 (2023年3月3日). 2023年3月6日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h 溝上 智恵子 (1999年). “文化政策からみた公共図書館の社会的機能”. 長岡技術科学大学研究報告 (21). 2023年3月6日閲覧。
  5. ^ DoCoMo Japan「日本におけるモダン・ムーブメントの建築238選」互尊文庫に選定プレートが授与されます”. 長岡市 (2020年12月14日). 2023年3月6日閲覧。
  6. ^ 「米百俵プレイス ミライエ長岡」オープンから半年 互尊文庫の図書24,000冊の貸し出しを始めます”. 長岡市 (2024年1月23日). 2024年5月15日閲覧。
  7. ^ 貴重な古文書を公開、新潟長岡市「歴史文書館」移転オープン”. 新潟日報 (2023年7月11日). 2023年7月12日閲覧。
  8. ^ 郷土の歴史を伝える 歴史文書館が開館」『ながおか市政だより』第825巻、2023年6月、6頁。 



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