ヤングの定理
非対称な関数の例:
この関数はいたるところで連続だが、その代数的導関数は原点において未定義である。x 軸に沿って y 導関数は ∂y f |(x, 0) = x であり、したがって:
同様に y 軸に沿って x 導関数 は ∂x f |(0, y) = −y であり、したがって ∂y∂xf |(0, 0) = −1 である。つまり、(0, 0) においては、∂x∂yf ≠ ∂y∂xf であり、この関数の混偏導関数が存在し他のすべての点において対称性を持つにもかかわらず、原点では非対称である。
一般に、極限操作の交換は可換であるとは限らない。(0, 0) の近くの二変数と、h → 0 を最初にするのに対応するのと k → 0 を最初にするのに対応する
上の 2 つの極限過程が与えられると、一次の項を見て、どちらが最初に適用されるかが問題になり得る。これは二階導関数が対称でない病的な例の構成を導く。この種の例は関数の各点ごとの値が問題になる実解析 (real analysis) の理論に属する。超関数と見たときには二階偏導関数の値は任意の点集合においてこれがルベーグ測度 0 である限り変えることができる。上の例においてヘッセ行列は (0, 0) を除いていたるところ対称であるから、シュワルツの超関数と見てヘッセ行列が対称であるという事実と全く矛盾はない。
リー代数
一階微分作用素 Di をユークリッド空間上の無限小作用素と考える。つまり、Di はある意味 xi 軸に平行な変換の 1-パラメータ群を生成する。これらの群は互いに交換し、したがって無限小生成元もそうである。リーブラケット
はこの性質の反映である。言い換えると、別の座標に関する 1 つの座標のリー微分は 0 である。
出典
参考文献
- 高木貞治「微分の順序」 『解析概論』(増訂)岩波書店、1946年 。
- James, R.C. (1966). Advanced Calculus. Belmont, CA, Wadsworth
- Hazewinkel, Michiel, ed. (2001), "Partial derivative", Encyclopaedia of Mathematics, Springer, ISBN 978-1-55608-010-4。