九十九
★1.九十九対一。
『ルカによる福音書』第15章 イエスは次のたとえを語った。「百匹の羊を持つ人が、その1匹を見失ったら、99匹を野原に残して、1匹を捜し回るだろう。見つけたら友人・隣人を集めて、『いなくなった羊を見つけたので、一緒に喜んで下さい』と言うだろう。同様に、悔い改める1人の罪人については、悔い改める必要のない正しい人99人についてよりも、大きな喜びが天にある」〔*『マタイ』第18章に類話〕。
★2.銭九十九文。
『平家物語』巻3「御産」 中宮徳子に皇子(安徳帝)が誕生した時、平重盛が金銭99文を皇子の枕元に置き、祝福の言葉を述べた。
★3.九十九の首。
『千一夜物語』「九十九の晒首の下での問答」マルドリュス版第845~847夜 美しい姫君が塔の露台に立ち、求婚する若者にいくつもの謎を出し、答えられなければ首を刎ねる。多くの若者が死に、露台の周囲に吊るされた首が99になった時、旅の王子が姫君の問いにすべて正しく答え、姫君の夫になる〔*→〔難題〕1bの『トゥーランドット』(プッチーニ)に類似する〕。
★4.九十九の谷。
九十九谷の伝説 龍は谷が百ないと住めない。弥勒池には谷が百あって龍が住んでいたが、腹が減ると村人を襲った。困った村人は、相談して谷を1つつぶした。九十九谷しかなくなったので、龍は住めなくなり、他所へ逃げて行った(香川県大川郡大川町富田中)。
九十九谷の伝説 田原山の九十九谷は、実は百谷ある。これは、百谷あると大蛇が住むから、九十九谷というのである。一説には、田原山には百谷あるが、その百谷めに大蛇が住んでいるので、九十九谷しか見えないのだ、という(大分県西国東郡大田村)。
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