不破数右衛門の芝居見物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 04:50 UTC 版)
不破数右衛門は井上真改という名刀を買ったので、使ってみたくてたまらない。そこで夜な夜な辻斬りをしたり、墓を暴いて死体を胴切りしたりしていた。これが見つかって暇を出され浪人する事になる。 そのうち浅野内匠頭の刃傷事件が起こる。数右衛門は吉良を討ちに行かねばと思うが、聞けば赤穂城は無血開城してしまったというし、内匠頭の後室・瑤泉院は境町の中村座で芝居見物に明け暮れているという噂だ。まずは瑤泉院に諫言せねばと思い、数右衛門は中村座に瑤泉院を探しに行く。 そのとき中村座でやっていたのは、『東山栄華舞台』という演目。これは小栗判官が横山大善を斬る所を描いた芝居だったが、内容はどう見ても先日起こったばかりの浅野内匠頭の刃傷事件を扱っていた。実在の事件を扱うと公儀がうるさいので、浅野内匠頭を小栗判官に見立てて刃傷事件を描いているのだ。 舞台では役者の中村伝九郎扮する荒獅子男之助が、小栗の一門の者は無気力な不忠ものばかりだと面々を罵っている。 これを聞いた数右衛門はカッとなって舞台に上がり、中村伝九郎を殴りつける。舞台はめちゃくちゃになったが、これがかえって評判になり、連日大入りとなる。 この件を聞いた大石内蔵助は、数右衛門の忠義は本物だと思い、浪人中の数右衛門を許して同志の一人に加えたのだった。
※この「不破数右衛門の芝居見物」の解説は、「忠臣蔵」の解説の一部です。
「不破数右衛門の芝居見物」を含む「忠臣蔵」の記事については、「忠臣蔵」の概要を参照ください。
- 不破数右衛門の芝居見物のページへのリンク