ワルドは

世界宗教用語大事典

ワルドは 【ワルド派】

フランスのリヨンの富商ワルド（Peter Waldo一一四〇頃～一二一七）が起こした異端的宗教運動。彼は「完全になりたいと志すなら、帰って汝の所有を売り払い、貧しい人々に施せ」との『マタイ福音書』の教えに感銘し、それを実行した。だが教職者の生活を非難したため大司教から説教を禁止され、教皇からは制限つきで許されたが、それにも従わなかったため破門された。彼に共鳴して集まった人たちを「リヨンの貧者」と呼んだが、イタリア・ドイツ・スペインにまで広まってワルド派と呼ばれた。宗教改革時代にはプロテスタントとも連絡したので大いに迫害され、現在はアルプス山の谷間に残存している。→ ロンバルディアの貧者