ルーク・ジェラムとは? わかりやすく解説

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ルーク・ジェラム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/26 00:56 UTC 版)

Luke Jerram (2017)

ルーク・ジェラム(Luke Jerram、1974年[1] - )は、ブリストルを拠点とするイギリスインスタレーション・アーティスト[2]。彫刻作品のほか、大規模なインスタレーションや[3]、ライブ・アートなどのプロジェクトを手がけている。

ジェラムは、自らのアートのアイデアを展開するために、極端な条件の場所へと旅することを繰り返しており、ラップランドの森から、サハラ砂漠の砂丘まで足を運び[4]、「Sky Orchestra」のような作品や、ガラス製のウィルスの彫刻を作品を制作してきた。2008年に発表された書籍『Art in Mind』は、ジェラムの旅の一部を記録したものであり、ウォーターシェッド英語版から出版された。

生い立ちと教育

ジェラムは、ストラウド英語版で育ち[5]1997年カーディフ・スクール・オブ・アート・アンド・デザイン英語版カーディフ・メトロポリタン大学英語版アート・アンド・デザイン学部)を1997年に卒業した。

経歴

ジェラムは、1997年から、プロフェッショナルに、アート・インスタレーションを創作し始めた。

ジェラムは2001年に、NESTAから3年間のフェローシップを授与された。この研究期間中に、「スカイ・オーケストラ (Sky Orchestra)」が設計されたが、これは、7機の熱気球を夜明けに、都市の上空へ飛ばし、空から音楽を人々に聞かせるというものであった。2006年、この作品はロイヤル・シェイクスピア・カンパニーフィアース演劇祭英語版から委嘱され、コンプリート・ワークス英語版演劇祭の期間中にストラトフォード=アポン=エイヴォン上空を飛んだ。2007年には、シドニー・フェスティバル英語版の際に、スカイ・オーケストラが飛ばされた。

ウィルス学研究者である、ブリストル大学のアンドリュー・デイヴィッドソン (Andrew Davidson) や[6]、専門的な吹きガラス職人たちのチームと組んだ[7]ジェラムは、一連の微生物のガラス彫刻を創作し[8][9]、それらの作品は世界中の多数の収集家の個人蔵となるとともに、ロンドンウェルカム・コレクション英語版ブリストル市立博物館・美術館の所蔵品となっている[10]2007年、ジェラムは、微生物のガラス彫刻によって、画像医学院賞 (Institute for Medical Imaging Award) を受賞した。

2008年、ジェラムの「プレイ・ミー、アイム・ユアーズ (Play Me, I'm Yours)」の展示が各地の都市を巡回し始めた。ニューヨークブラジルの都市、バルセロナなど世界中の46都市の公共空間に、1300台以上のピアノが設置された。公園、鉄道駅、市場をはじめ、橋やフェリーなど様々な場所に置かれたピアノは、誰もが弾いて楽しめるようにされた[11]

ジェラムは、多数の国際的な芸術祭をはじめ、画廊やイベントに参加しており、これまでにもシドニー・フェスティバル、ロンドンのウェルカム・コレクション(2010年)、ニューヨークのヘラー・ギャラリー (Heller Gallery)(2010年)、サンノゼ・ビエンナーレ (San Jose Biennale)(2010年)、リヴァプールFACT2009年)、ロンドンのICA(2009年)、シドニー・フェスティバル(2009年)、ロンドンのスミスフィールド・ギャラリー (Smithfield Gallery)(2009年)、東京森美術館(2009年)、バーミンガムのフィアース演劇祭(2008年)、ブリストルのアーノルフィニ英語版2007年)などに出品している。サウサンプトン大学の音響研究所 (Institute of Sound and Vibration Research, ISVR) との共同作業により、ジェラムは工学・物理科学研究会議英語版 (EPSRC) から22万5千ポンドの資金を提供され、風によって音を生じ、歌うような構造物である「イオラス (Aeolus)」という作品を設計、制作し、各地を巡回させることになった。ジェラムは、研究所の研究員となり、アーツカウンシル・イングランド英語版 (ACE) と EPSRCからの多額の支援を受けてイオラスは2011年に制作され、2012年にイギリスの各地を巡回した[4]

ジェラムは、クリエンティブ・コンサルタントとしても活動している。彼の顧客にはロッテルダムの「With de Witte Festival」や、ロンドンのアダム・ミツキェヴィチ・インスティテュート英語版(ポーランド文化院)、ストラトフォード=アポン=エイヴォンロイヤル・シェイクスピア・カンパニーなどがある。

個人

ジェラムは、色覚異常を持っている[5]

おもな作品

Withdrawn』の一部、エイボン渓谷英語版から引き上げられ、リー・ウッズ英語版のあらぬところに置かれた船。
  • Aeolus
  • Play Me, I'm Yours
  • Glass Microbiology
  • My RSC
  • Dream Director
  • Sky Orchestra
  • Plant Orchestra
  • Retinal Memory Volume
  • Tide
  • Maya[12]
  • Withdrawn (2015)[13]

おもな受賞歴

  • ガラス美物館英語版アメリカ合衆国ワシントン州タコマ) - フェローシップ、2011年
  • 芸術プログラムのためのACE資金 - 「イオラス」の巡回、2010年
  • コーニング・ガラス博物館英語版、第25回ラコウ賞 (Rakow Award)、2010年
  • 工学・物理科学研究会議 (EPSRC) PPE資金 - サウサンプトン大学音響研究所 (ISVR) とともに、2009年
  • アーツカウンシル・イングランド (ACE) 芸術プログラム資金 - 「Dream Director」巡回、2008年
  • クラーク・バーサリー (Clark Bursary: UK Digital Art Award) - ウォーターシェッド、2006年
  • 芸術・人文科学研究会議英語版 (AHRC) 芸術・科学フェローシップ - 西イングランド大学ブリストル校英語版、2005年 - 2006年
  • NESTA フェローシップ、2002年 - 2005年
  • アーツカウンシル・イングランド (ACE) 資金 - 「Tide」巡回、2001年
  • Da2 Digital Arts Development Agency[14]、1999年

レジデンシー

脚注




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