ルッドとは? わかりやすく解説

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ルッド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/15 06:07 UTC 版)

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ルッドLudラテン語よみ、英語よみはラッド)は、ジェフリー・オブ・モンマスの『ブリタニア列王史』やそれに関連した中世の本によれば、ローマ帝国属州ブリタンニア)になる前の時代のブリタニアの王とされる人物。ヘリ王(Heli)の長男で、父親から王位を継承した。

ルッドの統治期は、ルッドがとくに愛したトリノヴァントゥム(現ロンドン)の都市建設と再要塞化で知られる。「ロンドン(London)」という名前は、「ルッドの要塞」を意味する「カールルッド(Caer Lud)」から派生したものだとジェフリーは説明した。ルッドが死ぬと、遺体は「ルッドの門」(ラドゲイト Ludgate のこと)に埋葬された。ルッドにはアンドロゲウス(マンドゥブラキウス、Mandubracius)とテヌアンティウス(タスキオウァヌス、Tasciovanus)という2人の息子がいたが、年が若かったので、代わってルッドの兄弟のカッシベラウヌスが王位を継承した[1]

『Brut y Brenhinedd』と呼ばれるジェフリーの『ブリタニア列王史』のウェールズ語版では、ルッドは「ベリの息子スィッズ(Lludd fab Beli)」と呼ばれている。現在『マビノギオン』として知られる物語の一つ『スィッズとスェヴェリス(Cyfranc Lludd a Llefelys)』という独立したウェールズ伝説は、『ブリタニア列王史』のウェールズ版の1つが含まれている。スイッズがプリデイン(Prydain。グレートブリテン島のこと)の王だった時、その兄弟のスェヴェリス(ジェフリーの本には出てこない)はフランスの王で、スィッズがブリテンから3つの超自然的脅威を取り除くのを手伝った[2]。ウェールズ神話に出てくる「銀の腕のスィッズ(Lludd Llaw Eraint)」や、より初期のアイルランド神話トゥアハ・デ・ダナーンの王「銀の腕のヌアザ」と同根語の「銀の腕のニュッズ(Nudd Llaw Eraint)」と関係しているのかも知れない。しかし、ウェールズの伝説では別の人物で、普通そのようには扱われていない[3]

イングランドの多数の地名、それにアイルランドの1つの地名(Ludden、Limerick)が、Lud-Ludden-Luddes-Ludger-に基づいている。北のダラム、西のLudgvanサマセットあたりまで離れると、ウェールズのLuford、ヘレフォードシャーのLudchurchしかない。

ルッド王とシティ・オブ・ロンドン

ルッドの名前はシティ・オブ・ロンドンの主要な門であるラドゲイトの語源と思われるものの1つである。以前、この門に立っていたルッド王と2人の息子たちの彫像は壊れて、現在はロンドンのフリート・ストリートのセント・ダンスタン・イン・ザ・ウェスト教会(St Dunstan-in-the-West)に立っている。ラドゲイト・サーカス(Ludgate Circus)に「King Lud」という名のパブがあったが、現在は「Leon」に改名された。ルッド王のメダイヨンがその屋根の上、ドアの上にある。

脚注

  1. ^ ジェフリー・オブ・モンマス『ブリタリア列王史』3.20
  2. ^ Wm. R. Cooper, The Chronicle of the Early Britons (pdf), 2002, pp. 24-26
  3. ^ Rachel Bromwich (ed.), Trioedd Ynys Prydein (Cardiff, 1991; 1991), s.v. 'Lludd fab Beli'.





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