リカ (駆逐艦・初代)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > リカ (駆逐艦・初代)の意味・解説 

リカ (駆逐艦・初代)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/09 13:40 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

リカ (SMS Lika) はオーストリア=ハンガリー帝国海軍の駆逐艦。タトラ級

艦歴

1912年4月30日、ガンツ・ダヌビウス社のPorto Réの造船所で起工。1913年3月15日、進水[1]1914年8月8日竣工[2]

第一次世界大戦

タトラ級6隻は第1水雷隊を編成し、巡洋艦「サイダ」などとともに第1水雷戦隊に属していた[3]。なお、1914年10月20日に「サイダ」は「ヘルゴラント」と交代している[4]

1914年11月と12月や1915年4月に「ヘルゴラント」が駆逐艦を伴って出撃しているが[5]、「リカ」が参加しているかはわからない[6]

1915年2月18-19日、「ヘルゴラント」とタトラ級6隻はオトラント海峡へ出撃したが、敵を見なかった[4]

1915年5月23日、イタリアはオーストリア=ハンガリー帝国に宣戦布告。同日、オーストリア=ハンガリー帝国海軍の戦艦などは出撃し、アンコーナなどの攻撃へと向かった。それに先立つ5月19日、南からのイタリア艦隊来襲に備え偵察部隊が出撃した[7]。そのうちの一つは巡洋艦「ヘルゴラント」とタトラ級4隻(「チェペル」、「リカ」、「Orjen」、「タトラ」)からなり、ペラゴーザ島とイタリア本土のガルガーノ岬との間へと向かった[7]。5月23から24日の夜、偵察部隊はイタリア沿岸の目標攻撃を命じられ、「リカ」はヴィエステを攻撃した[8]

一方、5月24日4時過ぎ、バルレッタ攻撃中の「ヘルゴラント」と「Orjen」はイタリア駆逐艦「アキローネ」、「トゥルビーネ」と遭遇[8]。「ヘルゴラント」は北へ向かった「トゥルビーネ」を追跡[8]。その後、「チェペル」、「タトラ」および「リカ」も攻撃に加わった[8]。「リカ」は6時25分に到着し、66㎜砲弾を「トゥルビーネ」の蒸気管に命中させて速度を低下させた[9]。「トゥルビーネ」はさらに他の艦からの攻撃でも被弾[10]。白旗を揚げた後、沈没した[8]

次いでイタリア巡洋艦「リビア」と仮装巡洋艦「Cittá di Siracusa」が救援に現れ攻撃を受けたが、「リビア」を戦艦と誤認した「ヘルゴラント」艦長は交戦を避け、速度に勝るオーストリア=ハンガリー帝国側は相手の追跡を振り切った[11]

7月23日、「ヘルゴラント」やタトラ級駆逐艦などによるイタリア沿岸襲撃が実施された[12]。「リカ」と「トリグラフ」はトレーミティ諸島に兵を上陸させて電信ケーブルを切断した[13]

7月28日、オーストリア=ハンガリー帝国海軍は巡洋艦「サイダ」、タトラ級駆逐艦6隻などでイタリアが7月11日に占領したペラゴーザ島に対する攻撃を実施[14]。砲撃後に108名を上陸させたが、オーストリア=ハンガリー帝国側は敵兵力を過小評価しており、撃退された[15]

8月17日、オーストリア=ハンガリー帝国海軍は巡洋艦「ヘルゴラント」と「サイダ」や「リカ」などで再びペラゴーザ島を攻撃[16]。真水のタンクないし貯水池[17]などを破壊し、この攻撃後イタリア軍は島から撤退した[18]

10月、オーストリア=ハンガリー帝国軍やドイツ軍はセルビアに対する攻勢を開始[19]。続いてブルガリア軍もセルビアに侵攻し、セルビアへのサロニカからの補給ルートを切断[20]。アドリア海側からのルートがその代わりとなり、その切断がオーストリア=ハンガリー帝国海軍に求められた[21]。11月22日に「ヘルゴラント」と「サイダ」やタトラ級駆逐艦などは出撃してオトラント海峡へ向かい、2隻の船(「Palatino」、「Gallinara」)を沈めた[22]。この後、タトラ級駆逐艦は巡洋艦「ヘルゴラント」や「ノファラ」などとともにカッタロへ移された[23]。12月6日、「ヘルゴラント」、「サイダ」[24]とタトラ級駆逐艦はドゥラッツォ港を攻撃した[25]

12月28日にドゥラッツォで[26]発見された2隻のイタリア駆逐艦など[27]を攻撃するため、同日夜[28]カッタロより「ヘルゴラント」、「バラトン」、「チェペル」、「リカ」、「タトラ」、「トリグラフ」が出撃した[25]。イタリア駆逐艦は発見されず、12月29日夜明けにドゥラッツォ港内に侵入した「チェペル」、「リカ」、「タトラ」、「トリグラフ」は汽船1隻とスクーナー2隻を沈めた[29]。港外で出る際、おそらく「ヘルゴラント」の射線をふさがないようにしようとしたため(または沿岸砲の砲撃を避けようとして[30])機雷原に入ってしまい、二つの機雷に触れた「リカ」は沈没[29]。「タトラ」により34名が救助された[31]。また、「トリグラフ」も触雷した。この機雷はイタリア巡洋艦「Puglia」と嚮導駆逐艦「Guiglielmo Pepe」により敷設されたものであった[32]

脚注

  1. ^ Greger, p. 44
  2. ^ Austro-Hungarian Cruisers and Destroyers 1914-18, p. 23
  3. ^ The Great War in the Adriatic Sea 1914-1918, pp. 69-70
  4. ^ a b Austro-Hungarian Cruisers in World War One, p. 184
  5. ^ The Great War in the Adriatic Sea 1914-1918, pp. 119-120, 122, 150
  6. ^ The Great War in the Adriatic Sea 1914-1918には艦名や艦名が特定できることが書かれていないため
  7. ^ a b Austro-Hungarian Cruisers and Destroyers 1914-18, p. 29
  8. ^ a b c d e Austro-Hungarian Cruisers and Destroyers 1914-18, p. 30
  9. ^ Austro-Hungarian Cruisers and Destroyers 1914-18, p. 30, Clash of Fleets, Action off Vieste
  10. ^ Clash of Fleets, Action off Vieste
  11. ^ The Great War in the Adriatic Sea 1914-1918, pp. 171-172
  12. ^ Austro-Hungarian Cruisers and Destroyers 1914-18, p. 31, The Great War in the Adriatic Sea 1914-1918, p. 185
  13. ^ The Great War in the Adriatic Sea 1914-1918, p. 185
  14. ^ The Great War in the Adriatic Sea 1914-1918, p. 186, Austro-Hungarian Cruisers and Destroyers 1914-18, p. 32
  15. ^ Austro-Hungarian Cruisers and Destroyers 1914-18, p. 32
  16. ^ The Great War in the Adriatic Sea 1914-1918, pp. 188-189
  17. ^ 英語ではfreshwater cistern
  18. ^ A Naval History of World War I, p. 150
  19. ^ A Naval History of World War I, p. 152
  20. ^ A Naval History of World War I, pp. 152-153
  21. ^ Austro-Hungarian Cruisers and Destroyers 1914-18, p. 32, A Naval History of World War I, p. 153
  22. ^ The Great War in the Adriatic Sea 1914-1918, p. 205
  23. ^ A Naval History of World War I, p. 154
  24. ^ A Naval History of World War I, p. 154などでは「サイダ」の名前はない
  25. ^ a b Austro-Hungarian Cruisers and Destroyers 1914-18, p. 33
  26. ^ The Great War in the Adriatic Sea 1914-1918, p. 210ではドゥラッツォ付近
  27. ^ 他資料では駆逐艦2隻以外の記述はない
  28. ^ The Great War in the Adriatic Sea 1914-1918, p. 210では12月29日夕刻。そのため、「リカ」、「トリグラフ」触雷は12月30日となっている。
  29. ^ a b A Naval History of World War I, p. 156, Austro-Hungarian Cruisers and Destroyers 1914-18, p. 33
  30. ^ Clash of Fleets, Battle of Durazzo
  31. ^ Bilzer, p. 116
  32. ^ The Great War in the Adriatic Sea 1914-1918, p. 210

参考文献

  • Bilzer, Franz F. (1990). Die Torpedoschiffe und Zerstörer der k.u.k. Kriegsmarine 1867–1918. Graz: H. Weishaupt. ISBN 3-9003-1066-1 
  • Greger, René (1976). Austro-Hungarian Warships of World War I. London: Ian Allan. ISBN 0-7110-0623-7 
  • Halpern, Paul G. (1994). A Naval History of World War I. Annapolis, Maryland: Naval Institute Press. ISBN 1-55750-352-4 
  • Noppen, Ryan K. (2016). Austro-Hungarian Cruisers and Destroyers 1914-18. New Vanguard. 241. Oxford, UK: Osprey Publishing. ISBN 978-1-4728-1470-8 
  • O'Hara, Vincent P.; Heinz, Leonard R. (2017). Clash of Fleets: Naval Battles of the Great War, 1914-18. Annapolis, Maryland: Naval Institute Press (電子版)
  • Zvonimir Freivogel, The Great War in the Adriatic Sea 1914-1918, Despot Infinitus, 2019, ISBN 978-953-8218-40-8
  • Zvonimir Freivogel, Austro-Hungarian Cruisers in World War One, Despot Infinitus, 2017, ISBN 978-953-7892-85-2

「リカ (駆逐艦・初代)」の例文・使い方・用例・文例



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「リカ (駆逐艦・初代)」の関連用語

1
50% |||||

リカ (駆逐艦・初代)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



リカ (駆逐艦・初代)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのリカ (駆逐艦・初代) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS