ユースフ2世 (ムワッヒド朝)とは? わかりやすく解説

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ユースフ2世 (ムワッヒド朝)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/24 03:52 UTC 版)

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ユースフ2世
ムワッヒド朝第5代アミールカリフ
在位 1213年 - 1224年

出生 1198年ごろ
死去 1224年1月6日
王朝 ムワッヒド朝
父親 ムハンマド・ナースィル
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ユースフ2世アラビア語:يوسف بن الناصر, Yusuf II, 1198年ごろ - 1224年1月6日)は、ムワッヒド朝の第5代アミールカリフ、在位:1213年 - 1224年)。ムハンマド・ナースィルの子でヤフヤー・ムウタスィムの兄。本名はアブー・ヤアクーブ・ユースフ(Abū Yaʿqūb Yūsuf)。アル・ムスタンスィル(al-Mustanṣir)とも。

1213年に死去した父の後を継いだが、15歳と幼少のため実権は有力族長(シャイフ)や大臣たちに握られた。ユースフ2世も怠惰で彼等に政治を丸投げ、親族を地方総督に任命し反乱鎮圧は将軍たちに任せ、マラケシュの宮廷に引き籠って暮らした[1][2][3][4]

ムワッヒド朝領内では北アフリカマグリブ)で反乱が発生、本拠地モロッコでは1216年からザナータ系ベルベル人のマリーン族(後にマリーン朝を興す)が反乱を起こし、リーフ地方を征服し平野部フェズにも進出し付近の部族たちを服属させた。チュニジアイフリーキヤ)でも総督アブドゥル・ワーヒド(ハフス朝始祖アブー・ザカリーヤー1世の父)が独立を画策、アフリカは基盤が揺らいだが、イベリア半島アンダルス)ではキリスト教諸国が幼少の王の下で権力闘争を起こしレコンキスタは停滞、ムワッヒド朝は辺境の防衛を再建する余裕があり、ユースフ2世の治世は平穏に過ぎていった[5][6][7][8][9]

しかし1224年1月6日、牛の角に突かれて死亡した。子が無かったため後継者争いが起こり、初めユースフ2世の大叔父のアブドゥル・ワーヒド1世がマラケシュのシャイフたちによりカリフに擁立されたが、ユースフ2世の叔父のムルシア総督アブドゥッラー・アーディルもカリフを名乗り、コルドバでもアーディルにセビリア総督の地位を奪われたアブー・ムハンマド・アル・バイヤーシースペイン語版がカリフを宣言、カリフ候補者が乱立して内乱が始まった。同年にシャイフたちがアブドゥル・ワーヒド1世を暗殺してアーディルをカリフにしたが、バイヤーシーは兄弟のバレンシア総督アブー・ザイド英語版と共にカスティーリャフェルナンド3世に臣従、キリスト教国の介入を招きムワッヒド朝のアンダルス支配を崩壊させた[10][11][12][13]

脚注

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参考文献

  • 那谷敏郎『紀行 モロッコ史』新潮社新潮選書)、1984年。
  • 余部福三『アラブとしてのスペイン』第三書館、1992年。
  • D・T・ニアヌ編、宮本正興責任編集『ユネスコ・アフリカの歴史 第4巻上 12世紀から16世紀までのアフリカ同朋舎出版、1992年。
  • D.W.ローマックス著、林邦夫訳『レコンキスタ 中世スペインの国土回復運動刀水書房、1996年。
  • 芝修身『真説レコンキスタ <イスラームVSキリスト教>史観をこえて書肆心水、2007年。
先代:
ムハンマド・ナースィル
ムワッヒド朝第5代アミール
1213年 - 1224年
次代:
アブドゥル・ワーヒド1世



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