モラロジー道徳教育財団
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/16 07:10 UTC 版)
モラロジー道徳教育財団
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設立 | 1926年 |
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種類 | 公益財団法人 |
法人番号 | 6040005014390 |
本部 | ![]() |
理事長 | 廣池幹堂 |
重要人物 | 廣池千九郎 |
関連組織 | 学校法人廣池学園 |
かつての呼び名
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道徳科学研究所 モラロジー研究所 |
公益財団法人モラロジー道徳教育財団(モラロジーどうとくきょういくざいだん、英語:The Moralogy Foundation)は、麗澤大学と同じく千葉県柏市に本部を置く公益財団法人[1]。
廣池千九郎が説いた「道徳科学」(moral+-logy)を基にして1926年に設立された修養・道徳団体「道徳科学研究所」を前身とする[2]。教育再生および道徳教育による「日本人の心の再生」を掲げ、その出発点を家庭に置いている[2]。2021年に「モラロジー研究所」から現在の名称に変更された。
推進する徳育は、教育勅語に基づく「忠孝」「仁義」などの徳目を重視し、人格形成や社会的規範意識の涵養を目的としている[3][4]。
同財団は日本会議との関係があり[5][6]、理事長の廣池幹堂が日本会議の代表委員を務めている[7][8]。
概要

創立者の廣池千九郎は、もとは天理教の信徒であったが、離脱後に道徳(モラル)と学問(ロジー)を組み合わせた「モラロジー」を提唱した[1]。
1926年(大正15年)に設立されて以来、倫理道徳の研究および「総合人間学モラロジー(道徳科学)」に基づく社会教育活動を推進。2010年(平成22年)4月に財団法人から公益財団法人に移行。全国各地に3つの生涯学習センター、5つの記念館、11か所の出張所を有し、研究、教育、出版事業を展開している
関連法人として、麗澤大学などを経営する学校法人廣池学園、一般財団法人麗澤海外開発協会、関連団体として日本道経会がある。麗澤中学校・高等学校では、「新しい歴史教科書」(扶桑社)や「新しい日本の歴史」(育鵬社)などの歴史・公民教科書を使用してきた。また、経営する麗澤大学においても、八木秀次、高橋史朗、西岡力、所功、ジェイソン・モーガンなどの右派論客が教鞭をとっているとの指摘がある[2]。また、かつて「ニューモラル・トゥー・ユー」という5分ラジオ番組をスポンサーとして放送していた。
道徳の教科化に影響を与えた宗教右派の代表的存在と評され、道徳教科書への影響が大きい人物が多く所属する「日本道徳教育学会」とも深く関わっている[1]。同学会大会への資金提供や分科会発表に加え、日本教科書にはモラロジー研究所の機関誌に掲載された題材も取り入れられている[1]。
関連団体活動
出身者
- 大多和音吉(開星中学校・高等学校創設者)
関連項目
- 廣池千九郎
- 学校法人廣池学園
- 麗澤大学
- マンリオ・カデロ - 2018年より顧問を務めている駐日サンマリノ大使。
- 舩後靖彦 - 参議院議員(れいわ新選組)。市川モラロジー協議会で講師を務める[10]。
- 櫻井よしこ - 顧問。
- 成田羊羹資料館 - 館内にモラロジーコーナーがある。
- 柏インターネットユニオン (KIU)
- 明徳義塾中学校・高等学校 - 道徳教育(モラロジー)を根幹とした教育を行っている[11][12]。
- 神谷宗幣 - 祖父・父・叔父の代からモラロジーの教えを学んできた家系であり、自身も教育や思想形成に影響を受けていると述べている[13][14]。
脚注
- ^ a b c d “複雑な仕組みで権力統制を隠す教科書づくりの舞台裏(日本出版労働組合連合会教科書対策部事務局長 吉田典裕)”. 季刊『社会運動』2019年4月【434号】【特集:学校がゆがめる子どもの心ー「道徳」教科化の問題点. 2025年7月16日閲覧。
- ^ a b c 塚田穂高、宗教と政治の転轍点、花伝社、2015年。
- ^ 所功『皇室に学ぶ徳育』モラロジー研究所出版部、2012年。ISBN 978-4-89639-214-2。
- ^ “所功【著】皇室に学ぶ徳育”. ニューモラルブックストア. 2025年7月7日閲覧。
- ^ 高島康司 (2016年3月15日). “安倍政権の背後にある「日本会議」の知られざる実態と自民党=高島康司”. MONEY VOICE. 2025年7月16日閲覧。
- ^ 菅野完『日本会議の研究』扶桑社、2022年。 ISBN 978-4594755072。
- ^
『徹底検証 日本の右傾化』塚田穂高(編著)、筑摩書房、2017年。ISBN 978-4480016492。
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: CS1メンテナンス: others (カテゴリ) - ^ “日本教育再生機構 と日本会議の関係” (PDF). えひめ教科書裁判. 2025年7月16日閲覧。
- ^ 「ご協力者御芳名」、『教育再生』、日本教育再生機構、2015年9月号
- ^ ka2*tsu**のブログ はじめまして
- ^ “私立高等学校における多言語多文化共生教育への挑戦―明徳義塾高等学校における事例を通して―”. 東京外国語大学. 和田 利一. 2022年10月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月18日閲覧。
- ^ “学校法人明徳義塾は「 F-REGI 寄付支払い 」を導入し、インターネットでの寄付金募集を開始”. 三菱UFJニコス > ニュースリリース. 三菱UFJニコス. 2022年10月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年2月16日閲覧。
- ^ “神谷宗幣「哲人政治が日本を救う!」(『維新と興亜』令和5年3月号)”. 『維新と興亜』 (2023年5月3日). 2023年8月11日閲覧。
- ^ “モラロジー研修会”. 神谷宗幣 (2012年9月22日). 2025年7月7日閲覧。
外部リンク
- モラロジー道徳教育財団のページへのリンク