ミネルヴァのフクロウ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/29 16:51 UTC 版)

ミネルヴァのフクロウは、ローマ神話の女神ミネルウァ(ミネルヴァ、ミネルバ)が従えているフクロウであり、知恵の象徴とされる[1]。
ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲルが『法の哲学』(1821年)の序文で「ミネルヴァの梟は迫り来る黄昏と共に漸く飛び始める」[2](ドイツ語: die Eule der Minerva beginnt erst mit der einbrechenden Dämmerung ihren Flug)と述べたことはよく知られている[1][3]。以後、特に哲学の比喩とされるようになった。「即ちヘーゲルに依れば、哲学はいつでも遅れて来るもので、現実がその形成過程を完成した後に現われ、これを追思惟 nachdenkenするものである。かように現実が終った後に哲学が始まるとするのは、哲学を観想的な性質のものとすることであり、哲学に予言者的な性質を要求する立場とは固より、哲学の実践的な性格を力説する立場と対立している。」(三木清「ミネルヴァの梟」[4])
関連項目
ミネルヴァの梟 (映画):2020年公開の日本映画
脚注

- ^ a b “ミネルバのふくろう【ミネルバの梟】”. 大辞林第三版. 三省堂. 2018年3月9日閲覧。[リンク切れ]
- ^ 速水敬二・岡田隆平訳『ヘーゲル全集9』岩波書店、1950年
- ^ 草野耕一. “草野耕一のあまり法律家的でない法律論 第1話 どうしたら正義を語ることができるのか”. 日経ビジネスオンライン. 日本経済新聞社. 2018年3月9日閲覧。[リンク切れ]
- ^ 吉江喬松編『世界文芸大辞典 第六巻』中央公論社、1937年、p.284
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