ヘッケルの反復説の根拠とされた観察事例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/06 02:08 UTC 版)
「反復説」の記事における「ヘッケルの反復説の根拠とされた観察事例」の解説
よく実例に挙げられるのが、哺乳類の発生である。特に、その初期に形成される鰓裂は哺乳類では使用されることなくすぐにふさがってしまうから、哺乳類が魚類を経て進化した証拠であり、その時期の胚は魚類の段階の姿である、と主張される。また、鰓裂の形成→四肢の形成→鰓列がふさがる、という順番は、無顎類の鰓形成→魚類の対鰭獲得→両生類の鰓消失の順番と対応しているとされる。 また、さまざまな無脊椎動物の発生の研究から、幼生の形態が大きな分類群ごとに共通である例も知られてきた。例えば甲殻類は、成体の姿はさまざまだが、初期の幼生はノープリウスのように共通の姿をしている。さらに、フジツボなど蔓脚類では、成体の構造からはその類縁関係が長らく不明であったものの、幼生がノープリウスに近いものであることから甲殻類であることが明らかになったという例もある。つまり、フジツボの姿があまりに甲殻類的ではないのは、明らかに固着生活への適応であるが、それが比較的新しい適応であって、それ以前の歴史を他の甲殻類と共有してきたと主張できる。 脊椎動物の胚では親の間よりも類似性が見られ、発生をさかのぼるほど、縁の遠いものでも類似性が見られるようになるという。
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