プロトロンビン時間の意義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 14:21 UTC 版)
「プロトロンビン時間」の記事における「プロトロンビン時間の意義」の解説
プロトロンビン時間の短縮は病的意義が少ない。問題になるのはほとんどが延長である。 第VII因子欠乏ないし異常:外因系の因子である。外因系・及び共通系の検査なので、これらの系に異常があればプロトロンビン時間が延長する。 第II因子(プロトロンビン)欠乏ないし異常:共通系の因子である。共通系ではAPTTも延長する。 第V因子欠乏ないし異常:共通系 第X因子欠乏ないし異常:共通系 肝硬変・肝炎・肝臓癌:凝固因子を産生しているのは肝臓である。したがって、肝硬変や肝炎などで肝臓の機能が著しく低下した場合、因子の欠乏によってプロトロンビン時間が延長する。同時にAPTTも延長する。 DIC:凝固因子の消費が過剰。この場合もAPTTが延長する。 ワーファリン投与・ビタミンK欠乏:第VII因子はビタミンK依存性凝固因子であるため、これが不足すると外因系が阻害され、プロトロンビン時間が延長する。ワーファリンによる抗凝固療法のコントロール推奨値は一般にPT-INR=2.0~3.0とされている。ただ70歳以上の高齢者などの、出血の合併症の恐れがあるときにはPT-INR=1.6~2.6とすることとされる。
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