ブレイディング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/06 06:15 UTC 版)
単純なベクトル空間上のテンソル積へは、モノイダル写像(英語版)(braiding maps)が存在する。ブレイド写像の例として、 τ ( 12 ) : V ⊗ V → V ⊗ V {\displaystyle \tau _{(12)}:V\otimes V\rightarrow V\otimes V} は、2つのテンソル要素を交換する(従って、それらの単独のテンソル上の作用は、 τ ( 12 ) ( v ⊗ w ) = w ⊗ v {\displaystyle \tau _{(12)}(v\otimes w)=w\otimes v} ) により与えられる。一般には、ブレイド写像は、対称群の元と 1:1 に対応し、テンソル要素の置換として作用する。ここに、 τ σ {\displaystyle \tau _{\sigma }} により置換 σ {\displaystyle \sigma } に付随したブレイド写像を表す(共通部分を持たない巡回置換(cyclic permutation)の積としての表現)。 ブレイド写像は、微分幾何学で、たとえば、ビアンキ恒等式を表すために重要である。ここで、 R {\displaystyle R} でリーマンテンソルを表し、 V ∗ ⊗ V ∗ ⊗ V ∗ ⊗ V {\displaystyle V^{*}\otimes V^{*}\otimes V^{*}\otimes V} の中のテンソルと考えると、ビアンキの第一恒等式は、 R + τ ( 123 ) R + τ ( 132 ) R = 0 {\displaystyle R+\tau _{(123)}R+\tau _{(132)}R=0} となる。 抽象的添字は次のようにブレイド写像を扱う。特殊なテンソル積では、抽象的な添次の順序付けが、固定されている(通常は、これは辞書式付けである)。従って、ブレイドは添字のラベルの置換により、この記法で表される。このようにすると、たとえば、リーマンテンソルは、 R = R a b c d ∈ V a b c d = V ∗ ⊗ V ∗ ⊗ V ∗ ⊗ V , {\displaystyle R={R_{abc}}^{d}\in {V_{abc}}^{d}=V^{*}\otimes V^{*}\otimes V^{*}\otimes V,} となり、ビアンキ恒等式は、 R a b c d + R c a b d + R b c a d = 0 {\displaystyle {R_{abc}}^{d}+{R_{cab}}^{d}+{R_{bca}}^{d}=0} となる。
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