ブラスト法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/30 09:02 UTC 版)
この方法はブラスト(Brust)とシフリン(Schiffrin)によって1990年代に発見された物で、水と混合しない有機液体中(例えばトルエン)に金コロイドを合成することができる。この方法で作られる金コロイドの大きさは、5~6ナノメートル程度である。 この方法では、テトラクロロ金(III)酸のトルエン溶液と、テトラオクチルアンモニウムブロミド(TOAB)のトルエン溶液と、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)を用いる。この方法では、NaBH4が還元剤、TOABが相間移動触媒兼安定剤として働く。NaBH4はかなり強力な還元剤である。 この反応で重要なのは、TOABが過剰に働いて金微粒子同士が結合することがないようにすることである。そのため、溶液の混合は非常にゆっくりと、例えば2週間かけて行う。この問題を解決するために、チオール(特にアルカンチオール)を添加して金微粒子の表面に結合させ、粒子表面を安定化させることもある。アルカンチオールで保護した金微粒子は、沈殿させ、さらにそれを再分散させることもできる。 この方法では多くの添加剤を使うため、合成後の除去が不十分だと、金コロイドの物性(例えば溶解度)に影響を与える場合がある。添加剤の除去のため、金コロイドをソックスレー抽出器などで洗浄する場合もある。
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