フランク・ドビアスとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 人名 > 美術家 > 画家 > アメリカ合衆国の画家 > フランク・ドビアスの意味・解説 

フランク・ドビアス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/12 05:33 UTC 版)

フランク・ドビアス
プロフィール
生誕 1900年5月11日
オーストリア=ハンガリー帝国グログニッツ
死去 1976年1月10日
代表作
挿絵 ちびくろサンボ(1927年)
テンプレートを表示

フランク・ドビアスFrank Dobias、本名フランツ・アウグスト・ルドルフ・デ・サンティス・ドビアシュ、Franz August Rudolph de Santis Dobiáš1900年5月11日 - 1976年1月10日)は、オーストリア出身の画家イラストレーター

オーストリア=ハンガリー帝国のグログニッツでボヘミア出身の父フランツ・ドビアシュ・シニアとイタリア貴族の血を引く母アンナ・マリア・カタリーナ・フォンディの息子として生まれる。祖父は建築家、父や叔父も副業で絵を描いていたという。ウィーンのKunstgewerbe SchuleとKunst Akademieでデザイン舞台芸術を学んだ後、1924年頃にアメリカ合衆国に移住し、アメリカ国籍を取得している。

ちびくろ・さんぼ

岩波書店刊の絵本ちびくろ・さんぼ』(1953年初版)の挿絵画家として知られる。ただし、これらの挿絵は、ニューヨークマクミラン社(Macmillan)から1927年にThe Happy Hour Booksシリーズの中の1冊として刊行されたものに使われたものを、翻訳者の光吉夏弥レイアウトなどを改変して用いたものである。

大ヒットとなったこの絵本により、日本では著名であるが、世界的にはあまり知られておらず、そのため没年も不詳である。

作品のほとんどは1940年代までに発表されており、岩波版『ちびくろ・さんぼ』が出版された1953年には故人であった可能性が高い。その傍証として、同絵本には第2話として「さんぼとふたごたち(Sambo and the Twins)」が収録されているが、ドビアスの挿絵ではなく、日本の漫画家である岡部冬彦が描いたものが採用されている。岡部冬彦は、岩波書店からドビアスの画風を真似て描くことを依頼されたため、一見同じ人物による挿絵と見紛うほどである。1953年当時は国際的な著作権に対する意識が薄かった時代とはいえ、こうした盗作まがいの作品をドビアスが見逃していたのも、すでに故人となっていたからであろうと守一雄は推測している[1]

作品リスト

  • 『ちびくろサンボ』(径書房, 2008年)(下記、マクミラン社刊の復刻翻訳出版)
  • 『ちびくろ・さんぼ』(岩波書店, 1953年)(下記、マクミラン社刊の改変翻訳出版)
  • 『ちびくろ・さんぼ』(瑞雲舎, 2005年)(上記、岩波書店版の復刻出版)
  • Bannerman, Helen. Little Black Sambo. The Happy Hour Books. Macmillan, 1927.

(アメリカン・アーティスト・ブルーブック社の AskART のページに表紙の画像が掲載されている。)

  • Siebe, Josephine. Kasperle’s Adventures. Translated by Florence Geiser. Macmillan, 1929.
  • Morris, William. Sons of the Volsungs. Adapted by Dorothy Hosford from Sigurd the Volsung by William Morris. Macmillan, 1932.
  • Junior Bible. Macmillan 1936.
  • Kelsey, Alice (Geer). Once the Hodja. Longman’s 1943.

Jeremy Schiff's Hodja homepage にOnce the Hodjaの話がフランク・ドビアスのイラスト付きで掲載されている。)

脚注

  1. ^ 【これは絶対買ってはいけない】H.バンナーマン『ちびくろ・さんぼ』瑞雲舎(\1,050)、DOHC(年間百冊読書する会)MONTHLY 第18巻第10号、2005年7月1日。守 一雄のホームページ

関連項目





固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「フランク・ドビアス」の関連用語

フランク・ドビアスのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



フランク・ドビアスのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのフランク・ドビアス (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS