フォー・ザ・ビューティ・オブ・ウィノナとは? わかりやすく解説

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フォー・ザ・ビューティ・オブ・ウィノナ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/12/02 03:24 UTC 版)

フォー・ザ・ビューティ・オブ・ウィノナ
ダニエル・ラノワスタジオ・アルバム
リリース
録音 バース リアル・ワールド・スタジオ
パリ Taklab
ダブリン ドッグ・タウン・スタジオ
カナダ グラント・アヴェニュー・スタジオ
ニューオーリンズ キングスウェイ・スタジオ
ジャンル ロック
時間
レーベル ワーナー・ブラザース・レコード
プロデュース ダニエル・ラノワ
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 26位(カナダ・RPM[1]
  • 36位(スイス[2]
  • 47位(スウェーデン[3]
  • 65位(オランダ[4]
ダニエル・ラノワ 年表
アカディ
(1989年)
フォー・ザ・ビューティ・オブ・ウィノナ
(1993年)
シャイン
(2003年)
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フォー・ザ・ビューティ・オブ・ウィノナ』(For the Beauty of Wynona)は、カナダ出身の音楽プロデューサーダニエル・ラノワ1993年に発表した、ソロ名義では2作目のスタジオ・アルバム[5]

背景

U2のアルバム『アクトン・ベイビー』(1991年)やピーター・ガブリエルのアルバム『Us』(1992年)のプロデュースと並行して制作され[6]、本作に参加したプレイヤーのうちダリル・ジョンソン、マルコム・バーン、ビル・ディロンは『Us』のレコーディングにも参加した[7]。「スリーピング・イン・ザ・デヴィルズ・ベッド」は、本作に先駆けて1991年の映画『夢の涯てまでも』のサウンドトラック・アルバムに収録された[8]。レコーディングでベースやパーカッション等を演奏したダリル・ジョンソンは、ラノワのボーカル・コーチも務めた[9]。本作制作時のドキュメンタリー映像は、1993年にビデオ・ソフト『Rocky World』として発売された[10]

歌詞は主に英語だが、「コレクション・オブ・マリー・クレール」は英語とフランス語の両方で歌われている[11]。「インディアン・レッド」はジョージ・ランドリーの曲のカヴァーで、The Wild Tchoupitoulas(ランドリーの所属グループ)のヴァージョンは1976年のアルバム『The Wild Tchoupitoulas』に収録されている[12]

ラノワ自身は『サウンド・オン・サウンド』誌のインタビューにおいて、本作の作風を「『アカディ』の曲は大体、一つの楽器、特に私のアコースティック・ギターで静かに始まっていたけど、『ウィノナ』ではどの曲も生々しく相互作用的なバンド演奏で始まっている。私はレコードで細部まで洗練させることに少々飽きてきた。むしろ、よりロック的な演奏を押し出すことに時間を割いたんだよ」と説明している[6]

ジャケット

ジャケットには、ヤン・ソーデックの作品集『Life, Love, Death & Other Such Trifles』に掲載されていた写真の一つ「The Knife」が使用された[9]。アメリカ盤のジャケットでは、「AMERICAN EDITION」という文字でモデルの乳首が隠された[13]

2012年、本作のジャケットがステレオガムにおいて「最もクールな職場閲覧注意のアルバム・カヴァー40」の一つに選ばれた[14]

反響・評価

母国カナダの『RPM』では、1993年4月10日付のアルバム・チャートで初登場48位となり[15]、同年5月8日には26位を記録した[16]ジュノー賞では最優秀男性ボーカリスト賞にノミネートされ、更に「メッセンジャー」と本作には未収録のシングル曲「Mon Beau Petit Chou」によって最優秀プロデューサー賞にノミネートされた[17]

スイスのアルバム・チャートでは4週トップ40入りして、最高36位を記録した[2]。スウェーデンでは1993年4月7日付のアルバム・チャートで47位となった[3]。アメリカでは総合アルバム・チャートのBillboard 200入りを果たせなかったが、『ビルボード』のトップ・ヒートシーカーズでは26位に達した[18]

トム・デマロンはオールミュージックにおいて5点満点中4点を付け「何人かのスーパースターが登場した『アカディ』とは違い、より抑制的で繊細な響きを持つ」「即効性のあるアルバムではなく、むしろ聴き手にとってゆっくり成長していく作品」と評している[5]。また、Stephanie Zacharekは『エンターテインメント・ウィークリー』のレビューでBを付け「ラノワは多層的なギターによるフォークやレイド・バックしたブルージーなロックに、インド、中近東、アフリカの風味を混ぜ合わせている」と評している[19]

収録曲

特記なき楽曲はダニエル・ラノワ作。5.はインストゥルメンタル[11]

  1. メッセンジャー "The Messenger" – 5:27
  2. ブラザーL.A. "Brother L.A." – 4:17
  3. スティル・ラーニング・ハウ・トゥ・クロール "Still Learning How to Crawl" (Daniel Lanois, Daryl Johnson) – 5:19
  4. ベアトリス "Beatrice" – 4:21
  5. ウェイティング "Waiting" – 1:59
  6. コレクション・オブ・マリー・クレール "The Collection of Marie Claire" – 4:17
  7. デス・オブ・ア・トレイン "Death of a Train" – 5:47
  8. アンブレイカブル・チェイン "The Unbreakable Chain" – 4:19
  9. ロッタ・ラヴ・トゥ・ギヴ "Lotta Love to Give" – 3:38
  10. インディアン・レッド "Indian Red" (George Landry) – 3:46
  11. スリーピング・イン・ザ・デヴィルズ・ベッド "Sleeping in the Devil's Bed" – 3:03
  12. フォー・ザ・ビューティ・オブ・ウィノナ "For the Beauty of Wynona" – 5:52
  13. ロッキー・ワールド "Rocky World" – 2:55

参加ミュージシャン

脚注・出典

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  1. ^ Results: RPM Weekly – Library and Archives Canada - 1993年4月10日以降のアルバム/CDチャートで検証可能
  2. ^ a b Daniel Lanois - For The Beauty Of Wynona - hitparade.ch
  3. ^ a b swedishcharts.com - Daniel Lanois - For The Beauty Of Wynona
  4. ^ Daniel Lanois - For The Beauty Of Wynona - dutchcharts.nl
  5. ^ a b Demalon, Tom. “For the Beauty of Wynona - Daniel Lanois”. AllMusic. 2016年2月19日閲覧。
  6. ^ a b Daniel Lanois: For The Beauty Of Wynona, Vintage Gear”. Sound On Sound. SOS Publications Group (1994年9月). 2016年2月19日閲覧。
  7. ^ Peter Gabriel - Us (CD, Album) at Discogs
  8. ^ Until the End of the World - Original Soundtrack”. AllMusic. 2016年2月19日閲覧。
  9. ^ a b CD英文ブックレット内クレジット
  10. ^ McDonald, Steven. “Rocky World (Video) - Daniel Lanois”. AllMusic. 2016年2月19日閲覧。
  11. ^ a b 日本盤CD (WPCP-5243)歌詞カード
  12. ^ The Wild Tchoupitoulas - The Wild Tchoupitoulas (Vinyl, LP, Album) at Discogs
  13. ^ Daniel Lanois - For The Beauty Of Wynona (American Edition) (CD, Album) at Discogs
  14. ^ Lariviere, Aaron (2012年7月26日). “The 40 Coolest NSFW Album Covers - Daniel Lanois - 18”. Stereogum. SpinMedia. 2016年2月19日閲覧。
  15. ^ Image: RPM Weekly - Library and Archives Canada”. 2016年2月19日閲覧。 - 1993年4月10日付のアルバム・チャートの画像を掲載。
  16. ^ Image: RPM Weekly - Library and Archives Canada”. 2016年2月19日閲覧。 - 1993年5月8日付のRPMアルバム/CDチャートの画像はアップロードされていなかったため、代替の出典として15日付のアルバム・チャートの画像を掲載。
  17. ^ Daniel Lanois”. The JUNO Awards. The Canadian Academy of Recording Arts and Science. 2016年2月19日閲覧。
  18. ^ For the Beauty of Wynona - Daniel Lanois | Awards | AllMusic
  19. ^ Zacharek, Stephanie (1993年4月2日). “For the Beauty of Wynona”. Entertainment Weekly. 2016年2月19日閲覧。


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