フォノン・ドラッグ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/19 01:04 UTC 版)
「ゼーベック効果」の記事における「フォノン・ドラッグ」の解説
フォノンはいつも局所的な熱平衡にあるわけではない。温度勾配があるとそれに従って運動する。その間に電子や他のキャリアとの相互作用、および格子欠陥の影響で運動量を失う。もしフォノン-電子相互作用が優勢ならば、フォノンは電子を物体の端から端まで押し動かしながら、その過程で運動量を失っていく。この過程はすでにある熱電場をさらに強めるように働く。フォノン・ドラッグの寄与はフォノン-電子散乱が顕著となる温度領域で重要になる。それはおよそ次のようなオーダーである。 T ≈ 1 5 θ D {\displaystyle T\approx {1 \over 5}\theta _{D}} θ D {\displaystyle \theta _{D}} はデバイ温度である。より低温ではフォノン・ドラッグを担うフォノン自体が少なく、より高温では電子との相互作用よりも先にフォノン同士の相互作用で運動量を失ってしまう。
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