ピアノのための変奏曲_(ヴェーベルン)とは? わかりやすく解説

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ピアノのための変奏曲 (ヴェーベルン)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/02 09:32 UTC 版)

ピアノのための変奏曲 作品27は、アントン・ヴェーベルンが作曲した独奏ピアノのための変奏曲である。ヴェーベルン作品の中で、最も多く演奏されるピアノ曲である。

概要

ヴェーベルンは1903年頃から1904年にかけて約12曲のピアノ曲を作曲しているが、1906年以降はピアノ曲をほとんど作曲しなかった[1]。このピアノのための変奏曲は、唯一作品番号が与えられたピアノ曲で、1936年ウィーン郊外のメートリンクで作曲され、1年の歳月をかけたという。

ヴェーベルンはピアニストのエドゥアルト・シュトイアーマンによる初演を想定していたが、彼が亡命していたために1937年9月27日ペーター・シュタドレンにより初演が行われた。

構成

全3楽章で、全体は唯一のセリー(音列)主題に基づいて十二音技法により厳格に構成されており、緩-急-緩の順で配列されている。演奏時間は約6分から7分。

第1楽章 きわめてほどよく、普通の速さで
54小節の楽章で、変形されたソナタ形式と見ることもできる。全曲の主題の音列(英語表記 E-F-C#-E♭-C-D-G#-A-B♭-F#-G-B)が提示され、右手左手の2声によって主題と逆行形を同時に示し、鏡像構造をとる。鏡像的な処理はこの楽章中様々に応用されている。
第2楽章 きわめて急速に
わずか22小節の楽章で、前半後半より成る2部形式である。それぞれ反復され、スケルツォ的な性格を持つ。手法は2声の反行カノンによっている。
第3楽章 穏やかに流れるように
66小節の楽章で最も長大である。全体は6つの部分から構成される変奏曲である。第5変奏で鋭いクライマックスに達したのち、フェルマータを挟んで静かなコーダとなる。最後は弱奏で途切れるように終わる。

脚注

  1. ^ いずれも作品番号はないが、1924年には『子供のための小品』、1925年には『メヌエットのテンポで』と題する2曲のピアノ曲が作曲されている。またこの他にはピアノソナタの楽章(1905-06)や作曲年不明のピアノ小品(2曲)などが確認されている[1]

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