パラグルジャとは? わかりやすく解説

パラグルジャ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/01 00:25 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
パラグルジャ

所在地 クロアチア
所在海域 アドリア海
座標 北緯42度22分 東経16度20分 / 北緯42.367度 東経16.333度 / 42.367; 16.333
面積 0.23 km²
最高標高 116 m
プロジェクト 地形
テンプレートを表示

パラグルジャクロアチア語:Palagružaイタリア語:Pelagosa)は、クロアチア領の島。アドリア海中部にあり、他地域から隔絶した場所にある小さなドロマイトの列島である。最も大きな島は灯台のあるヴェラ・パラグルジャ島(Vela Palagruža)、小さな島はマラ・パラグルジャ島(Mala Palagruža)、そして周りを20もの岩や岩礁が取り巻いている。これらの島々はすべて切り立った崖からなる。クロアチア最南端地点である[1]

今や無人島であるが、かつては両シチリア王国の最も離れた前哨基地であり、1875年からオーストリア=ハンガリー帝国領であった。1920年にイタリア王国領となったが、1947年にユーゴスラビアに併合された。

現在は、コルチュラ島からチャーターした船で2、3時間かけ上陸するのが唯一の方法である。

由来

イタリア語名のペラゴーザとは、ギリシャ語で海を意味するπέλαγοςに由来する。

地理・自然

イタリア領トレーミティ諸島とクロアチア領ラストヴォ島の間にある。イタリア本土の方に距離的に近く、ガルガーノ半島まで約60kmの距離である。地質学上はトレーミティ諸島から続いており、類似点が多い。地理学的にはイタリアに属する。

大陸から隔絶しているために、16種のランなど、地中海性の豊かな植物相が維持されている。植物相はダルマチア諸島とも異なる。

クロアチア本土の地中海性気候とは違い、亜熱帯性気候の特徴が強い。

人が定住していた数少ない痕跡は、今や1つの気象観測所、1つの教会、2軒の住宅のみである。小さな古代遺跡の隣には、良質な砂のある砂浜があり、一般観光客に人気がある。

歴史

島の灯台

先史時代より人が定住していたことが、1875年に発掘された墓によってわかっている。

ローマ時代にはPelagusの名で知られていた。一部の歴史家は、島の名から古代ギリシャのペラスゴイ人(Pelasgoí)に由来するのではとみなしている。島から優れた古代ギリシャの陶器が見つかっており、ディオメーデースが埋葬された島であるとの伝承が残る。

ローマ衰退後に再び無人島となり、中世まで人が来ることはなかった。教会の一部の記録によれば、1177年3月9日の灰の水曜日に、アドリア海を航行していたガレー船に乗るローマ教皇アレクサンデル3世が、島の自然美に魅了され上陸したという。

アドリア海が通商路であったヴェネツィア共和国が支配した後、シチリア・ブルボン家が退けられるまで両シチリア王国に支配された。1843年、フェルディナンド2世によってペラゴーサへの植民が進められ、イスキア島の漁師たちが移住した。そのため、ペラゴーザではナポリ語のイスキア方言が話されていた。

イタリア王国領となってから、その戦略的要素を忘れ去られ、1873年にオーストリア=ハンガリー帝国がペラゴーザを併合した。1875年9月には灯台が建設された[2]

第一次世界大戦中の1915年、ペラゴーザはイタリアに占領された。1920年に正式にイタリア領となり、第二次世界大戦中はザーラ県(大戦中のイタリア領ダルマチアの県。ザダルとラストヴォから構成された)の一部であった。この時代にイタリア政府はトレーミティ諸島からの移民をペラゴーザへ定住させ、気象観測所や教会、住宅を建てた。

1947年、パリ条約によってペラゴーザはユーゴスラビアに併合された。この条約締結の際にはペラゴーザ海域でのイタリア人漁師の権利が認められた。このため、クロアチア領海内でありながら、多くのイタリア漁船が今も見られるのである。ユーゴスラビア領となってから、島は無人島となった。

1991年のクロアチア独立により、島はクロアチア領となった。

脚注

  1. ^ Central Bureau of Statistics (2005年). “Geographical and meteorological data (PDF)”. Statistical yearbook for 2005. Central Bureau of Statistics. pp. 43. 2006年10月2日閲覧。
  2. ^ Foto del Faro di Pelagosa e la sua storia (英語)




固有名詞の分類

このページでは「ウィキペディア」からパラグルジャを検索した結果を表示しています。
Weblioに収録されているすべての辞書からパラグルジャを検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
 全ての辞書からパラグルジャ を検索

英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「パラグルジャ」の関連用語

パラグルジャのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



パラグルジャのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのパラグルジャ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS