バスカード_(岩手県交通・岩手県北自動車)とは? わかりやすく解説

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バスカード (岩手県交通・岩手県北自動車)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/26 15:28 UTC 版)

岩手県北自動車のバスに搭載されていた乗降兼用カードリーダー。このタイプでは、乗車時と降車時でカード挿入口と排出口が逆になっていた。

本項目では、岩手県交通(県交通)・岩手県北自動車(県北バス)が発行するバスカードについて解説する。

概説

磁気式乗車カードバスカード[1][2]で、制度上は回数乗車券の位置付けである。種類は普通カード、通学カード、買物カードの3種類あった[3]

かつては岩手県交通・県北バス共通バスカードとして発売され、県交通・県北バスの間で共通利用が可能であった。2008年10月31日収支改善および原油高騰等を理由に通学カード、買物カードが販売を終了した[4]。両社の経営環境の変化のため、2010年3月31日をもって共通利用を終了した。カードの共通乗車にあたっては1年ごとの契約としており、2009年9月までの期限後、契約更新について協議が行われたものの、継続は困難と判断されたことによる。2010年4月以降、県交通のカードでは県交通と奥州市営バスのみ、県北バスのカードでは県北バスと岩泉運輸のみでしか利用できなくなった。これに伴い、共通乗車取り扱い終了翌日の2010年4月1日から5月31日までの2か月間[5]、無手数料での払い戻しを実施した[6][7][8]

その後、車両のカード読み取り機器が耐用年数に達してきたことと、製造業者の減少によって修理や代替が困難になってきたことから、ICカード乗車券に切り替えることとなった[9]2022年、県北バスでは同年2月19日からのICカード乗車券「iGUCA」導入に伴い、同年1月31日をもってバスカードの発売を終了[10]、車内での利用も同年7月31日で終了した。残額については、2023年1月31日まで払い戻しまたは「iGUCA」への移行を取り扱っていた[11]。なお県北バスでは、106急行バスにおいて2020年9月28日よりキャッシュレス決済Visaのタッチ決済PayPayAlipayLINE Pay楽天ペイ)も導入されている[12]

また県交通でも、2021年3月27日よりICカード乗車券「Iwate Green Pass」を導入した[13]。県交通では経営上の理由から全車両の機器を一斉にICカードへ切り替えることはせず、段階的に導入していくこととしている。またICカード対応車両ではバスカードが利用不可であるため、バスカードのみ利用可の車両とICカードのみ利用可の車両が混在する状況になっていた[9][14]が、2025年2月までに遠野営業所管内[15]を除く全車両がICカード対応となった[16][17]。また、2024年9月をもって盛岡都市圏管内[18]ならびに2024年12月をもって北上都市圏管内[19]では払い戻しを終了した。奥州・一関地区でも2025年6月をもって払い戻しを終了する予定[20]

なお、「Iwate Green Pass」と「iGUCA」は、「Suica」機能付きかつ交通系ICカード全国相互利用サービスにも対応しているため、県交通・県北バスの間で相互利用可能である。ただし、サービスや交通ポイントは独自のものとなる。

利用可能だった事業者・路線

2008年10月1日 - 同年12月20日の間に限り、IGR線の上記各駅相互間において試験的に利用が可能だった。ただし、利用できる時間帯は10:00 - 17:00の間のみ[21]
バスカード読み取り装置の維持が困難になったため、2018年9月30日で取り扱いを終了した[22]
バスカード読み取り装置の維持が困難になったため、2019年5月15日で取り扱いを終了した[23]
  • 県北バス
ICカード乗車券「iGUCA」の導入に伴い、2022年7月31日で取り扱いを終了した(前述)。
  • 県交通
ICカード乗車券「Iwate Green Pass」の導入に伴い、2025年2月14日まで順次取り扱いを終了した(前述)。

払い戻し箇所

  • 県交通発行のバスカード
    • 盛岡[18]・花北地区[19]・遠野営業所を除く同社各営業所・案内所・定期券販売所

過去の販売箇所

種類

出典:[3]

種別 発売額 利用額 備考
普通バスカード 300円 300円
1,000円 1,100円
3,000円 3,300円
5,000円 5,700円
通学バスカード 1,000円 1,300円 学割が発行できる学校に通学する学生
5,000円 6,500円
買物バスカード 1,000円 1,200円 10:00~16:00の乗車時のみ利用可能
  • 利用可能期間内の再発行・払い戻しの場合は200円の手数料がかかっていた[10][24]

利用方法

基本的には、乗車時と降車時にカードをカードリーダーに通す。車両の仕様により「2リーダー車」(中乗り前降り)と「2ウェイ車」(前乗り前降り)が混在している。読み取り機は裏面に残額が印字されるタイプではない[3]

  • 中扉から乗車、前扉から降車の車両(2リーダー車):中扉に乗車用カードリーダー、前扉に降車用カードリーダーを設置。
  • 前扉から乗降の車両(2ウェイ車):前扉に乗降兼用カードリーダーを設置。この場合、乗車時と降車時でカード挿入口と排出口が逆になる。

残高不足の場合は「ピピピ」と音が鳴ると同時にカードが機器内に止まるが、その際は別のカードか現金と合わせて支払うことになる。また通学カードを利用の場合には、識別のために残高不足などに係わらず「ピピ」と音が鳴る。

脚注

  1. ^ バスカードのご案内”. 岩手県交通. 2019年9月16日閲覧。
  2. ^ よくあるご質問 Q.バスカードを購入したい”. 岩手県北バス. 2019年9月16日閲覧。
  3. ^ a b c バスカード案内”. 岩手県交通 (2003年4月16日). 2025年3月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年3月14日閲覧。
  4. ^ 通学バスカード・買物バスカードの販売終了について”. 岩手県交通 (2008年10月28日). 2025年3月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年3月14日閲覧。
  5. ^ 「バスカード共通乗車の取り扱い終了について」ポスター (PDF, 岩手県北自動車プレスリリースより)
  6. ^ バスカード共通は来年3月終了 県交通と県北自動車岩手日報:2009年12月23日)[リンク切れ]
  7. ^ 「バスカード共通乗車の取り扱い終了について」 岩手県交通プレスリリース (PDF, 2009年12月22日) [リンク切れ]
  8. ^ 「バスカード共通乗車の取り扱い終了について」 岩手県北自動車プレスリリース (PDF, 2009年12月22日)
  9. ^ a b 従来型バスカードと IC カードの併用について” (pdf). 岩手県交通株式会社 (2022年1月24日). 2022年9月11日閲覧。
  10. ^ a b 【重要なお知らせ】バスカードの販売終了とご利用可能期間について”. 岩手県北自動車株式会社 (2021年12月7日). 2022年1月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年9月11日閲覧。
  11. ^ 【再・重要なお知らせ】バス車内でのバスカード利用終了について”. 岩手県北自動車株式会社 (2022年7月1日). 2022年9月11日閲覧。
  12. ^ 岩手県北バス:高速バスにおけるキャッシュレス決済の展開” (pdf). 株式会社みちのりホールディングス、岩手県北バス株式会社、株式会社小田原機器 (2020年9月23日). 2022年9月11日閲覧。
  13. ^ ICカード「Iwate Green Pass」でのご利用について”. 岩手県交通株式会社. 2022年9月11日閲覧。
  14. ^ "北上営業所地域連携ICカード「Iwate Green Pass」サービス拡大について" (pdf) (Press release). 岩手県交通. 12 December 2023. 2024年1月20日閲覧
  15. ^ 元々バスカードが利用できなかっただけでなく、ICカードも利用できない。花巻地区 - 遠野方面の見出しにその旨が掲載されている。
  16. ^ "紫波営業所 交通系ICカード機器取付完了のお知らせ" (pdf) (Press release). 岩手県交通. 24 July 2023. 2023年8月20日閲覧
  17. ^ "花巻営業所・北上営業所交通系ICカード機器取付完了のお知らせ" (pdf) (Press release). 岩手県交通. 9 February 2024. 2024年2月14日閲覧
  18. ^ a b 盛岡地区窓口での【バスカード】販売・払戻・再発行の取扱終了について”. 岩手県交通. 2024年7月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月26日閲覧。
  19. ^ a b 花巻・北上地区窓口での【バスカード】の取扱終了について”. 岩手県交通. 2024年11月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月26日閲覧。
  20. ^ 奥州・一関地区窓口での【バスカード】の取扱終了について”. 岩手県交通. 2025年4月26日閲覧。
  21. ^ [1] IGRいわて銀河鉄道(PDFファイル)[リンク切れ]
  22. ^ 市街地循環バス「ふくろう号・星めぐり号」について”. 花巻市 (2019年2月23日). 2019年3月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年9月11日閲覧。
  23. ^ 盛岡中心市街地循環バス「でんでんむし」のバスカード取扱い終了と運行時刻の変更について”. 岩手県交通 (2019年4月). 2019年6月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年3月14日閲覧。
  24. ^ バスカードのご案内”. 岩手県交通. 2014年3月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月26日閲覧。



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