ハンドカーディング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/27 02:58 UTC 版)
ハンドカード器はドッグブラシに似ている。ウールを1, 2回ハンドカード器で擦れば繊維方向が揃う。ウールを汚さないため、梳綿をする際には作業台にきれいな布をかけて座って作業することが多い。梳綿職人はひざの上に作業台を載せ、利き手にハンドカード器を持ち、逆の手で作業台を押さえる。作業台の上に繊維を少しずつ乗せ、繊維方向が揃っていく様子を観察しながらブラシ掛けしていく。作業台に繊維を乗せすぎると、ブラシで擦るのに苦労することになる。できたものをローラグ (rolag) と呼ぶ。この方法では少量の製品しか作れない。 ハンドカード器のサイズは2×2インチ(5×5センチメートル)から4×8インチ(10×20センチメートル)ぐらいのものが多い。小さいものは軽打梳綿機 (flick carder) と呼ばれており、毛の塊を端から均すか、紡績機に少しずつ送り出すのに使われる。ハンドカード器の櫛歯の密度や形にも種類がある。きれいに梳綿されたローラグを作るためには、多くの歯が付いたカード器が使われる。繊維の種類(長さ、重さ、特性など)によって、カード器に付けられる歯の数と密度が決まる。ハンドカード器の表面は、目的によって平面の場合と曲面の場合と両方ある。
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