ハロイサイト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/25 13:19 UTC 版)
ハロイサイト | |
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ハロイサイトの顕微鏡画像
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分類 | 粘土鉱物 |
化学式 | Al2Si2O5(OH)5·2H2O |
へき開 | 不明瞭 |
断口 | 不明瞭 |
粘靱性 | 脆い |
光沢 | 半光沢 |
色 | 白色、灰色、黄色 |
条痕 | 白色 |
透明度 | 半透明 |
比重 | 2.53 |
複屈折 | 0.004 |
多色性 | 無し |
分散 | 無し |
プロジェクト:鉱物/Portal:地球科学 |
ハロイサイト(Halloysite)は、実験式Al2Si2O5(OH)5のアルミノケイ酸塩粘土鉱物で、主な成分は、酸素(55.78%)、ケイ素(21.76%)、アルミニウム(20.90%)、水素(1.56%)である。
カオリナイトの分類に属す。ハロイサイトは、通常、アルミノケイ酸塩鉱物の水熱変質によって形成される。 ディッカイト、カオリナイト、モンモリロナイト、その他の粘土鉱物と混合して発生することがある。正確な同定には、 X線回折研究が必要である。1826年に初めて記載され、後にベルギーの地質学者ジャン・バティスト・ジュリアン・ドマリウス・ダロワにちなんで命名された[1]。
産地と分布
ハロイサイトは、アメリカ、ニュージーランド、中国、ロシア、南アフリカ、トルコなど、世界各地で産出されます。特にアメリカ産は高純度で多量に産出されることで知られている[1]。
利用用途
ハロイサイトは、そのナノチューブ構造と化学的特性から、以下のような用途で利用されている。
- 難燃剤および難燃助剤 - ハロイサイトのアルミノール表面は酸性であり、難燃性を高めるための添加剤としての応用が進められている[1]。
- 医薬品およびバイオ医薬品の製造 - その生体適合性と無毒性から、ドラッグデリバリーシステムなどの医薬品製造において利用が検討されている。
- 製紙およびセラミック産業 - カオリンと同様に、陶磁器や耐火物の原料としても利用されている[2]。
安全性
ハロイサイトは、イモゴライトやクリソタイルなどの他のナノチューブ構造を持つ天然鉱物と比較して、無毒性で高い安全性を持つとされている[1]。
関連情報
ハロイサイトの英名「Halloysite」は、ベルギーの地質学者オマリウス・ド・ハロイに因んで名付けられた[2]。
脚注
- ^ a b c d “ハロイサイト:鉱物別:サービス紹介 - 株式会社ファイマテック -”. www.fmt.co.jp. 2025年2月18日閲覧。
- ^ a b “鉱物図鑑・ハロイサイト”. mineral.imagestyle.biz. 2025年2月18日閲覧。
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