ノイズの多い時系列
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/26 14:58 UTC 版)
ノイズの多い時系列から傾向を抽出することは難しい。例えば、本来の時系列が 0, 1, 2, 3 という値で、それとは独立した正規分布ノイズ e {\displaystyle e} の標準偏差を E {\displaystyle E} とする。長さ50の時系列データがあるとき、 E = 0.1 {\displaystyle E=0.1} なら傾向は明らかだろう。 E = 100 {\displaystyle E=100} では傾向はおそらく分かるだろう。しかし、 E = 10000 {\displaystyle E=10000} では傾向はノイズに埋もれてしまうだろう。 具体例として、IPCCが示した過去140年間の気温の記録を見てみよう。年間気温の分散は約 0.2°C で、傾向は約 0.6°C、95% 信頼度は 0.2°C である(年間の分散と同じ値となっているのは偶然である)。従ってこの傾向は統計的に 0 とは有意な差がある。もっとも、気温の変動の具体的原因はこのデータからは分からない。
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