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ネズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/23 13:49 UTC 版)

ネズ[11](杜松[12]学名: Juniperus rigida)は、裸子植物マツ綱ヒノキ科ビャクシン属(ネズミサシ属)に属する常緑針葉樹の1種である。ネズミサシ(鼠刺[13])ともよばれ、これを標準名としていることも多い。別名として、他にムロ(榁)[14]トショウ(杜松)[12]などがある。低木から高木で小枝は垂下し、触ると痛い尖った針葉が3輪生する。雌雄異株であり、"花期"は春、球果は翌年以降に熟し、多肉質で液果状(漿質球果)。本州、四国、九州、朝鮮半島、中国北部に分布し、尾根筋など痩せた土地に生育する。木材、薬用(球果は杜松子とよばれる)、観賞用(盆栽など)として利用される。ハイネズと同種とされることがあり、その場合、ここで解説しているネズの学名は Juniperus rigida var. rigida となる。


注釈

  1. ^ ヒノキ科イチイ科などとともにヒノキ目に分類されるが[2][3]マツ科(およびグネツム類)を加えた広義のマツ目(Pinales)に分類することもある[4]
  2. ^ "雄花"ともよばれるが、厳密にはではなく小胞子嚢穂(雄性胞子嚢穂)とされる[19]。雄性球花や雄性球果ともよばれる[20][21]
  3. ^ "雌花"ともよばれるが、厳密には花ではなく大胞子嚢穂(雌性胞子嚢穂)である[19][20]。送受粉段階の胞子嚢穂は球花とよばれ、成熟し種子をつけたものは球果とよばれる[20]

出典

  1. ^ a b Farjon, A. (2023年). “Juniperus rigida”. The IUCN Red List of Threatened Species 2009. IUCN. 2024年1月3日閲覧。
  2. ^ Stevens, P. F. (2001 onwards). “Cupressales”. Angiosperm Phylogeny Website. 2023年2月20日閲覧。
  3. ^ 米倉浩司・邑田仁 (2013). 維管束植物分類表. 北隆館. p. 44. ISBN 978-4832609754 
  4. ^ 大場秀章 (2009). 植物分類表. アボック社. p. 18. ISBN 978-4900358614 
  5. ^ Adams, R. P. & Schwarzbach, A. E. (2012). “Taxonomy of Juniperus section Juniperus: Sequence analysis of nrDNA and five cpDNA regions”. Phytologia 94 (2): 280-297. https://www.phytologia.org/uploads/2/3/4/2/23422706/942280-297adamsschwarzbach_junsectjunrev_4-30.pdf. 
  6. ^ a b Juniperus rigida”. Plants of the World Online. Kew Botanical Garden. 2024年1月3日閲覧。
  7. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q Juniperus rigida”. The Gymnosperm Database. 2024年1月5日閲覧。
  8. ^ a b c d e f g 白井光太郎 (1933). “ネズミサシ”. 樹木和名考. 内田老鶴圃. p. 208 
  9. ^ a b c d ネズミサシ”. 木材図鑑. 府中家具工業協同組合. 2024年1月3日閲覧。
  10. ^ GBIF Secretariat (2022年). “Juniperus rigida Siebold & Zucc.”. GBIF Backbone Taxonomy. 2024年1月5日閲覧。
  11. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 中川重年 (2000). “ネズ”. 樹に咲く花 合弁花・単子葉・裸子植物. 山と渓谷社. pp. 644–645. ISBN 978-4635070058 
  12. ^ a b "杜松". 動植物名よみかた辞典 普及版. コトバンクより2024年1月3日閲覧
  13. ^ "鼠刺". 動植物名よみかた辞典 普及版. コトバンクより2024年1月3日閲覧
  14. ^ "榁". 動植物名よみかた辞典 普及版. コトバンクより2024年1月3日閲覧
  15. ^ a b c d e f g 中川重年 (1994). “ネズミサシ”. 検索入門 針葉樹. 保育社. p. 65. ISBN 978-4586310395 
  16. ^ a b c d e f g h i j k l m n 大橋広好 (2015). “ネズミサシ”. In 大橋広好, 門田裕一, 邑田仁, 米倉浩司, 木原浩 (編). 改訂新版 日本の野生植物 1. 平凡社. p. 40. ISBN 978-4582535310 
  17. ^ a b c d e f g h 佐藤重穂 (2020年4月9日). “今月の一枚(No.288):ネズ”. 森林総合研究所 四国支所. 2024年1月3日閲覧。
  18. ^ a b c 大澤毅守 (1997). “ネズミサシ”. 週刊朝日百科 植物の世界 11. pp. 196–200. ISBN 9784023800106 
  19. ^ a b 長谷部光泰 (2020). 陸上植物の形態と進化. 裳華房. p. 205. ISBN 978-4785358716 
  20. ^ a b c 清水建美 (2001). 図説 植物用語事典. 八坂書房. p. 260. ISBN 978-4896944792 
  21. ^ アーネスト M. ギフォード、エイドリアンス S. フォスター『維管束植物の形態と進化 原著第3版』長谷部光泰、鈴木武、植田邦彦監訳、文一総合出版、2002年4月10日、332–484頁。ISBN 4-8299-2160-9 
  22. ^ a b c ネズ. コトバンクより2024年1月3日閲覧
  23. ^ a b 【若者】広島県立世羅高校/ネズでアロマオイル 選手と里山を元気に『日本農業新聞』2020年5月11日
  24. ^ ねずみさし”. 長野県魅力発信ブログ. 長野県 (2014年2月23日). 2024年1月3日閲覧。
  25. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Juniperus rigida Siebold et Zucc.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年1月3日閲覧。
  26. ^ 万葉百科”. 奈良県立万葉文化館. 2024年1月5日閲覧。
  27. ^ 北村四郎・村田源 (1979). “ネズ”. 原色日本植物図鑑 木本編 2. 保育社. pp. 408–409. ISBN 978-4-586-30050-1 


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