ヌクレオソームコア粒子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/15 08:06 UTC 版)
「ヌクレオソーム」の記事における「ヌクレオソームコア粒子」の解説
ヌクレオソームコア粒子には約146 bpのDNAが含まれ、ヒストンH2A、H2B、H3、H4各2コピーずつからなるヒストン八量体の周囲に左巻き超らせんで約1.67周分巻き付いている。隣接するヌクレオソームとは、リンカーDNAと呼ばれる拘束されていないDNAによって連結されている。リンカーDNAの長さは生物種や組織によって、10–80 bp程度と差がある。ヌクレオソームコア粒子の全体構造は、直径11 nm、高さ 5.5 nmの円筒形である。 ヌクレオソームコア粒子は、間期のクロマチンを部分的にほどく処理を行った際に観察される。電子顕微鏡によって得られた像は、ひもでつながったビーズ(beads-on-a-string)のような形状をしており、ひもがDNA、ビーズ1つ1つがヌクレオソームコア粒子である。ヌクレオソームコア粒子はDNAとヒストンタンパク質から構成される。 DNaseによるクロマチンの部分分解によって、ヌクレオソームの構造は明らかにされる。リンカー部分と比較してヌクレオソームコア粒子のDNAにはDNaseがアクセスしにくいため、DNAはヌクレオソーム間の距離の倍数に等しい長さの断片(180 bp、360 bp、540 bp、…)へと分解される。したがって、部分分解を行ったDNAのゲル電気泳動では、はしご(ラダー)状の非常に特徴的なパターンが観察される。こうした分解はアポトーシス(プログラム細胞死)時など自然条件下でも生じる。
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