ナンバーファイブ 吾
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『ナンバーファイブ 吾』(ナンバーファイブ)は、松本大洋による長編漫画。『スピリッツ増刊IKKI』2000年第1号から『月刊IKKI』2005年3月号まで掲載された。遠い未来の地球で起こる、人工的に作り出された超人たちの戦いと葛藤を通して、命の宿命とすすむべき未来を描いた作品。激しくスピーディな戦闘シーンと、幻想的で繊細な世界描写が特徴。
あらすじ
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この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。
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遠い未来。人類の起こした傍若無人な振る舞いによって、生命の生態系は崩れ、世界は崩壊の危機を迎えてしまう。この崩壊した世界から人類を救うため、9人の幹部組織「虹組」を頂点にした、特殊な能力を持つ人間達によって構成された組織「国際平和隊」がつくられる。かれらの活躍によって再び平和な日々が訪れたかにみえた。しかし、ある日「虹組」のメンバーであったひとりの男が、ひとりの女を連れ去って逃亡したことによって、それは揺らぎ始める。男の名はNo.吾(ナンバーファイブ)。女の名はマトリョーシカ。なぜ彼は反逆を企てたのか。
No.王の判断により、古いしきたりに従って、虹組隊員による一騎討ちで吾を仕留める手筈となる。冒頭、No.苦が送り込まれた決闘シーンから物語が始まる。
登場人物
- No.吾(ナンバーファイブ)
- 本名はユーリ。本作の主人公。天才的な狙撃手。純粋な性格とともに冷徹な思考も併せ持つ。かつてビクトルの下に勤めていた過去を持つ。その後虹組に入り、虹組最強の戦闘部隊の隊長を務めていたが、突如反逆を行う。
- マトリョーシカ
- 本名はマリー。大食らいでころころとした体格。白痴のようにみえるが、少女の頃は並外れた知性を持っていた謎の多い存在。物語の鍵を握る女。
虹組
平和隊隊長9名によって組織される幹部組織。各隊長にはひとつずつナンバーが与えられる。
- No.王(ナンバーワン)
- 本名はマイク・フォード・デイビス。虹組のリーダー。理想を追い、心から世界の平和を願う。総合的に能力が高く、人(特に少年少女)を惹きつける特異な才をもつ。
- No.仁(ナンバーツー)
- 本名は尚昆(しょうこん)。虹組一の切れ者、知性派。バイクを愛するスピード狂。一方、冷笑的で厭世的な面も強い。虹組を遠くから眺めている。
- No.惨(ナンバースリー)
- 本名はカルロス。格闘家。人工的に強化された肉体を持ち、接近戦では抜きんでた戦闘能力を持つ。体のパーツを交換することによって、様々な武装を装着する。
- No.死(ナンバーフォー)
- 本名はアーイ兄弟。双子の妖術使い。既に老人であるが、普段はその妖術により子供の容姿に見せている。王とは強い心のつながりをもつ。
- No.岩(ナンバーシックス)
- 本名はホーク。かつてNo.王の座にいた男。ネイティブアメリカンをモデルに描かれる、老獪な戦士。自分が一番優秀だとみなしており、現状に対する不満から、王への復帰を願っている。イナズマという愛馬に乗り、弓矢や斧を武器に戦う。白兵戦では無敵。
- No.亡(ナンバーセブン)
- 本名はオムル。海を愛する心優しき男。アフロの黒人として描かれる。自らの思想により虹組から離脱する。
- No.蜂(ナンバーエイト)
- 本名はロビン。巨漢。虹組一の怪力を誇る豪快な男。部下に慕われる。
- No.苦(ナンバーナイン)
- 本名はヒロシ。クラシック音楽を愛する知性派。虹組の最年少メンバーで、将来を期待されている。
その他
- ビクトル大佐
- かつてのNo.仁。邪悪の心を持つ男。超人的な狙撃能力をもつ。ユーリの師匠。
- ナザロフ
- ユーリの親友。現在はビクトル大佐の部下。
- ドミニク
- No.蜂を慕う彼の部下。
- レッドノーズ
- No.吾を見張る諜報部員。
- PAPA
- 本名フリートリッヒ・モント。ユーリ達を作り出した天才科学者。
- ドノバン長官
- 軍の長官。超人達を嫌っている。
単行本
小学館より全8巻が刊行されている。また、これの内容を四冊にまとめた「新装版」が発売された。
- 2001年11月30日発行。ISBN 4091882013
- 2002年5月30日発行。ISBN 4091882021
- 2003年3月29日発行。ISBN 409188203X
- 2003年8月30日発行。ISBN 4091882048
- 2004年1月30日発行。ISBN 4091882056
- 2004年6月30日発行。ISBN 4091882064
- 2004年11月30日発行。ISBN 4091882072
- 2005年2月28日発行。ISBN 4091882080
関連項目
「ナンバーファイブ 吾」の例文・使い方・用例・文例
- シャネルナンバーファイブ.
- 私は学校で日本文学の英語訳、特に漱石の『吾輩は猫である』や『心』、芥川の『鼻』や『河童』を楽しく読んだ。
- 吾郎は英語が得意だ。
- 頑張るのよ省吾、あなたなら出来るわ。
- 吾輩(わがはい)は猫である.
- 吾人は書に依って親しく古人に接する
- 田吾作とお鍋
- 吾人は権利を蹂躙せられん
- それは吾人の悦ぶところだ
- 吾々は物の数に入らぬ
- 吾妻コート
- 吾人は期成同盟会を起して意志の貫徹を期した
- 吾らを試みに遭わし給うなかれ
- 吾人は拱手傍観するに忍びぬ
- 吾人は拱手傍観するに忍びず
- 昨夜吾妻橋に身投げがあった
- これは吾人の考究すべき問題である
- 吾こそは佐野源左衛門の成れの果にて候
- 吾人は彼を賞むるに吝ならず
- 漱石は「吾輩は猫である」で売り出した
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