ドルフィンキック
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/29 05:53 UTC 版)

ドルフィンキックは水泳におけるキック動作の一種で、競泳選手によって多くスタートやターンの際、並びにバタフライ泳法の一部分として行われる[1]。
特徴
ドルフィンキックはその動きが泳いでいるイルカの動きに似ていることから名付けられた。典型的には競泳で泳者がスタートした直後またはターンした直後に使われる。泳者が両脚を同時に垂直に動かし、波を泳者の身体に送り、泳者を前に進めることでドルフィンキックになる[1][2]。
競泳でドルフィンキックが役に立つのはその物理学的な特徴による。つまり、比較的小さな物理学的営力で顕著な推力を生み、その間の抗力を抑えることができる[1]。
競泳の平泳ぎ種目では、スタートと各ターンの後、平泳ぎで泳ぎ始める前に1回ずつのみドルフィンキックを行うことが認められている。このドルフィンキックは最初の平泳ぎのキックより前に行われなければならない。つまり、ドルフィンキックを行うのであれば、泳者が壁を離れた後、腕を一番大きく広げた場面で手を内側に回すより前に行う必要がある。追加でドルフィンキックを行うことは許されず、その場合は失格となる可能性がある[3][4][5]。
歴史
ドルフィンキックは1988年ソウルオリンピックの競泳競技で顕著に観察できるようになった。数名の選手が100メートル背泳ぎの決勝でスタート時に長距離のドルフィンキックを行ったのである。これを受け、世界水泳連盟はドルフィンキックの使用を15メートルに制限した[6][7]。
技術と訓練
より多くの研究がドルフィンキックのバイオメカニクスとパフォーマンスの特徴についての研究に踏み込むようになり、キックのタイミングやうねり、推進力を大きくするために必要な足の指の垂直方向の速さなどが重視されるようになっている[8]。陸上での練習や中心となる練習、負荷をかけての水泳、技術に集中した練習がキックのパフォーマンス向上のために一般的に使われている[9]。
脚注
- ^ a b c Cohen, Raymond C. Z.; Cleary, Paul W.; Mason, Bruce R. (2012-06-01). “Simulations of dolphin kick swimming using smoothed particle hydrodynamics”. Human Movement Science 31 (3): 604–619. doi:10.1016/j.humov.2011.06.008. ISSN 0167-9457. PMID 21840077 .
- ^ Loebbecke, Alfred von; Mittal, Rajat; Fish, Frank; Mark, Russell (2009-02-01). “A comparison of the kinematics of the dolphin kick in humans and cetaceans”. Human Movement Science 28 (1): 99–112. doi:10.1016/j.humov.2008.07.005. ISSN 0167-9457. PMID 18986721 .
- ^ Carlson, Reid (2020年3月27日). “Kosuke Kitajima and the Dolphin Kicks That Changed Breaststroke Forever” (英語). SwimSwam. 2024年7月17日閲覧。
- ^ Anderson, Jared (2015年6月25日). “INSTANT ANALYSIS: NCAA adopts FINA rules on underwater breaststroke pullouts” (英語). SwimSwam. 2024年7月17日閲覧。
- ^ admin (2018年2月15日). “Breaststroke Pullout Rules” (英語). Swimming Science. 2024年7月17日閲覧。
- ^ Mortenson, J. P. (2023年1月20日). “How the Underwater Dolphin Kick Evolved Over Time and Revolutionized the Sport” (英語). Swimming World News. 2023年12月25日閲覧。
- ^ Binns, Corey (2008年8月1日). “How It Works: The Dolphin Kick” (英語). Popular Science. 2023年12月25日閲覧。
- ^ Atkinson, G.; Dickey, J. P.; Dragunas, A.; Nolte, V. (2014). “Importance of sagittal kick symmetry for underwater dolphin kick performance”. Journal of Biomechanics (Elsevier) 47 (6): 1441–1446. doi:10.1016/j.jbiomech.2014.01.010 2025年6月2日閲覧。.
- ^ Poirier-Leroy, Olivier (2025年). “The Dolphin Kick Manual: The Swimmer’s Ultimate Guide to a Fast Underwater Dolphin Kick”. YourSwimLog.com. Lane 6 Publishing. 2025年6月2日閲覧。
ドルフィンキック
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/23 02:02 UTC 版)
両足を揃えた状態で同時に上下させて足の甲の部分を使って水をけることをドルフィンキックという。ドルフィンキックはバタフライだけでなくクロールのスタートやターンにも用いられる。
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