トミー (ロンドン交響楽団のアルバム)
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Tommy as performed by London Symphony Orchestra and English Chamber Choir with Guest Soloistsは、ロンドン交響楽団とイギリス室内合唱団が1972年に発表したアルバム。イングランドのロック・バンドのザ・フーが1969年に発表したアルバム『トミー』の管弦楽団版。ザ・フーのメンバー、リンゴ・スター、ロッド・スチュワートらのロック・ミュージシャンが独唱者として客演した。
注釈
- ^ バーバ―は1894年に生まれ、『トミー』が発表される数か月前の1969年1月に他界した。タウンゼントは1967年にCharles Purdom著のThe God-Man: The Life, Journeys & Work of Meher Baba with an Interpretation of His Silence & Spiritual Teachingを読んで深い感銘と影響を受けて、他の信奉者達と共同で彼に捧げるアルバムを制作した。『トミー』のアルバム・ジャケットのクレジットにはAvatar: Meher Babaと記されている。
- ^ ザ・フーの楽曲の基本構成は、ボーカル、ギター、ベース・ギター、ドラムス。彼等は『トミー』の録音では曲によってピアノ、オルガン、金管楽器も演奏したが、アルバム発表に伴なったコンサート・ツアーでは、ギター、ベース・ギター、ドラムスだけの伴奏で殆ど全曲を披露した。1969年8月にニューヨーク州サリバン郡ベセルで40万人もの観客を集めて開かれたウッドストック・フェスティバルでの演奏の一部が、映画『ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間』(1970年)に収録された。
- ^ アルバムの正式名はTommyで、ロック・オペラという語句はジャケットには見られない。
- ^ オペラは日本語で「歌劇」と訳されるように、音楽と演劇で構成される舞台芸術で、独唱者が衣装を着て登場人物を演じながら、科白を口にする代わりに伴奏に合わせて唄う形式を採る。ザ・フーの『トミー』のライブはメンバーが演奏しながら自分の役を代わる代わる歌ってアルバムの音声を再現するもので(多少の即興演奏あり)、演技は一切ない。その点がオペラとロック・オペラの大きな相違点の一つである。演劇を伴った『ヘアー』(1967年)のような作品はロック・ミュージカルと呼ばれる傾向にある。因みに『トミー』は、1992年にロック・ミュージカル化されて、The Who's Tommyとしてブロードウェイで上演された。
- ^ 1970年にカナダのLes Grands Ballets Canadiensが『トミー』を伴奏にしたバレエをFernand Naultの振り付けで制作し、1971年4月2日にニューヨークのシティ・センター・シアターで上演した。このバレエは好評を持って迎えられたので同年10月に再演された。また同じく1971年4月28日から3週間、シアトルのムーア・シアターで、シアトル・オペラによる独自の解釈版が上演され、ベット・ミドラーがジプシー役を務めた。1971年3月に南カリフォルニア大学で制作された舞台版は、約一年後の1972年2月から約一か月間、ハリウッドのサンセット大通りとバイン通りの交差点にあるアクアリウス劇場で、Joel Rosensweigの制作の下に上演された。
- ^ レコード・プロデューサー。アメリカ合衆国イリノイ州シカゴの出身。マーキュリー・レコードに勤務し、1960年代末にイングランドに移ってヨーロッパ事業のA&R幹部兼責任者(A&R Executive and Head of Mercury Records European Operations)を担当した。ロッド・スチュワートの最初の2作のソロ・アルバム『ロッド・スチュワート・アルバム』(1969年)と『ガソリン・アレイ』(1970年)をプロデュースしたことで知られる。1970年にはソロ・アルバムを発表した。
- ^ 発表されたアルバムには、マローンの他に、セッション・ギタリストとして有名なビッグ・ジム・サリヴァンが編曲に関与したことが、"with additional arrangements by James Sullivan"として記された。
- ^ 一部の曲で、アコースティック・ギターとシンセサイザーを演奏した。
- ^ ダルトリーをトミー役に起用することはライズナーの強い希望だった。
- ^ エントウィッスルが歌った「従兄弟のケヴィン」は「叔父のアーニー」と共に彼自身の作品である。
- ^ タイトルTommy as performed by London Symphony Orchestra and English Chamber Choir with Guest Soloistsが示すように、本作はロンドン交響楽団とイギリス室内合唱団が主演で、独唱者はタウンゼントを含めて全員客演だった。
- ^ アメリカでは11月27日、イギリスでは12月8日に発表された。
- ^ 1969年7月5日に、ザ・フーはロイヤル・アルバート・ホールで『トミー』のロック・コンサートを開いていた。
- ^ オリジナル・アルバムの制作の際、「トミーのホリデイ・キャンプ」の歌詞の原案を考えついた功績で、実際の作者であるタウンゼントから作者の称号を譲り受けた。
- ^ Myer Music Bowlの野外ステージ。当初は3月30日の予定であったが、天候不順で一日延期された。
- ^ Royal Randwick Racecourse。
出典
- ^ Neill & Kent (2007), pp. 248、280, 300–301.
- ^ “news.usc.edu”. 2023年7月24日閲覧。
- ^ “Discogs”. 2023年7月15日閲覧。
- ^ Townshend (2012), pp. 225–226.
- ^ “Discogs”. 2023年7月16日閲覧。
- ^ Townshend (2012), pp. 233–234.
- ^ a b c d Neill & Kent (2007), p. 310.
- ^ 添付されたブックレットより。
- ^ “Discogs”. 2023年7月8日閲覧。
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- ^ Neill & Kent (2007), p. 324.
- ^ Neill & Kent (2007), pp. 313–314.
- ^ Townshend (2012), p. 241.
- ^ McMichael & Lyons (2004), p. 198.
- ^ Neill & Kent (2007), pp. 323–324.
- ^ a b Neill & Kent (2007), pp. 325–326.
- ^ “milesago.com”. 2023年7月9日閲覧。
- ^ a b c d Neill & Kent (2007), p. 340.
- ^ “Discogs”. 2023年7月15日閲覧。
- ^ “milesago.com”. 2023年7月15日閲覧。
- ^ Townshend (2012), pp. 257–258.
- 1 トミー (ロンドン交響楽団のアルバム)とは
- 2 トミー (ロンドン交響楽団のアルバム)の概要
- 3 出演・制作
- 4 シングル
- 5 関連項目
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