テウタテスとは? わかりやすく解説

テウタテス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/26 09:57 UTC 版)

テウタテス (Teutates) は、ケルト人に信奉されていたに用いられた名前である(後述)。ルカヌスの『内乱』やラクタンティウスの『神的教理』で名前が言及されており、またカエサルが『ガリア戦記』内で言及したガリアの神の中の一柱だとされる。テウタテスに献じられた石碑なども多く発見されており、その広い信仰を示している。言語学や考古学による研究からテウタテスは部族の神であり、また戦争の神でもあったとされる。


  1. ^ アルウェルヌスの別名であるアルウェルノリクスは「アルウェルニ族の王」を意味する。ピゴットはガリア人の「王(rix)」について「その多くは『取るに足らない侵略集団の族長で、互いの領地を荒らし回り、隷属民を食い物にするだけの存在だった』」としている(ピゴット 2000, p. 92)。
  2. ^ 「テウタテスは文献からはガリアで,ラテン語碑文からは英国,ドナウ川沿岸,さらにはローマまで,グンデストルップの鉢からはこの文化遺品の原産地と思われる黒海沿岸でもおそらく,知られていたことが分かる.」(デュヴァル 2001)
  3. ^ アルスター神話群』に登場する「我が部族が忠誠を誓う神」がテウタテスに相当する神だとする指摘もあり(デュヴァル 2001)、そうだとするとアイルランドにおいてもテウタテスの信仰は広まっていた可能性がある。
  4. ^ 「名前は『部族』を意味するテウタ(teuta,touta,tota)に由来し、『部族の神』という普通名詞かもしれない。」(鶴岡 1999, p. 88)
    「部族を意味するケルト語の派生語のテウター、その名は『部族の神』を実際に意味したのだと。」「テウターテスは、のちにだんだん推移していったにしても、元は固有名というよりも説明のための用語だったのである。」(マッカーナ 1991, pp. 38, 57)
    「これは『部族の神』という意味で、おそらく一つの神の名称というよりも、多くの異なる神の尊称だったのだろう。」(ジェームズ 2000, p. 151)
    「その名は『部族』を意味するteuta,touta,totaに由来する.おそらく『部族の(神)』という普通名詞だろう.」(デュヴァル 2001, p. 666)
  5. ^ コットレル 1999, p. 263.
  6. ^ カエサル 1968, p. 200.
  7. ^ 鶴岡 1999, pp. 88–89.
  8. ^ 「各種碑文を証拠に考えるのならマルスと同じ神とするのが正しい.」「だとしたら、テウタテスはマルスと同じ神である可能性が強くなろう.」(デュヴァル 2001)
  9. ^ RIB 219 Marti Toutati Ti(berius) Claudius Primus Attii liber(tus) v(otum) s(olvit) l(ibens) m(erito)
    RIB 1017 I(ovi) O(ptimo) M(aximo) et Riocalat(i) [To]utat(i) M-[ar(ti)] Cocid(i)o [vo]to feci-[t] Vita-[lis]
  10. ^ CIL XIII, 6122 Mercur(io) / IOTOUVI[1]E / [3]OEIRNV / OAIRONIS ;
    AE 1927, 70 Merc[urio] / Tou[teno] / temp[lum] / cum [signo] / et orn[amentis] / Virili[s pos(uit)] / v(otum) s(olvit) [l(ibens) l(aetus) m(erito)].
  11. ^ ガリアにおいてマルスとメルクリウスは性質の近い存在であったと考えられている(マッカーナ 1991, p. 36)。イオウォントゥカルス英語版もマルスとメルクリウスの両方に同一視されている。またヘニッグはアレイで信仰されていた名前の失われたケルトの戦の神が、(戦の神であるマルスではなく)メルクリウスと同一視されていた事を示している(ギリー 2014, p. 18)。
  12. ^ マイヤーは 『ケルト辞典』においてテウタテスとトウティオリクスで別項を立てている(マイヤー 2001, pp. 154, 157)。
  13. ^ CIL XIII, 7564 In h(onorem) d(omus) d(ivinae) / Apollini Tou/tiorigi / L(ucius) Marinius / Marinia/nus |(centurio) leg(ionis) VII / Gem(inae) [[Alexan]]/[[d[r]ianae]] vo/ti compos
  14. ^ a b バルディはバード、ドルイダエはドルイド。バードやドルイドへの言及があるのは彼らがテウタテスらへ捧げる人身御供の儀式に関わっていた、あるいは少なくともルカヌスはそう考えていた事を示す。
  15. ^ ルカヌス 2012.
  16. ^ 「押さえつける方は,その身長から見て,戦争の神自身に違いない.」(デュヴァル 2001, p. 628)
  17. ^ CIL VI, 31182 Petiganus / Placidus / Toutati / Medurini / votum sol/vet(!) anni/versarium
  18. ^ マイヤー 2001, p. 154.


「テウタテス」の続きの解説一覧

テウタテス

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対魔忍RPGの登場人物一覧」の記事における「テウタテス」の解説

魔界支配する9貴族一人死霊卿または、屍の王(レイスロード)と呼ばれる

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The World (.hack)」の記事における「テウタテス」の解説

強大な兵力を持つ人族獣人族混合勢力リーダーアルアジフという人族青年。ルミナ・クロスを中心に活動する

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ケルト神話」の記事における「テウタテス」の解説

トータティス、トティオウリクス、テウタヌスとも。おそらくケルト祖語の*teuta(3つの)と*tato(父)から来ており、ルキアノスはあるときはメルクリウス、あるときはマールス同一視している。トータティスはおそらくカエサルローマ冥府の神ディスDis Pater)に対応するとした神と思われるが、はっきりとした証拠は何も残っていない。

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