チャルソンスとは? わかりやすく解説

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チャルソンス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/15 09:45 UTC 版)

チャルソンスの例

チャルソンスイタリア語: cjarsons)は、イタリアフリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州カルニア英語版の伝統料理である詰め物パスタ[1][2]。フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州料理を代表する1品である[1][3][4]

概要

大雑把に説明するなら、「シナモン砂糖、燻製リコッタチーズミントなどで味付けする甘いラビオリ」であるが、もともとは家庭料理であるため、詰め物に用いられる食材は多種多様、肉が使われることは少ないがジャガイモレーズンが入ったり、ココアラム酒を入れることもある[1][2][3][4][5]。また、家庭よっては甘くないチャルソンスもある[6]

フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州はイタリア北東部に位置し、オーストリアスロベニアとの国境に位置する場所柄、両国の影響を強く受けた独自の文化を形成している[1]。食文化についても同様でさまざまな食文化が混ざり合っている[1]。そんな中でも山岳地帯に位置するカルニアの食文化は独特である[1]

イタリアにおいてもチャルソンスの知名度は高くない[5]

歴史

カルニアでは、18世紀頃から作られていた料理であるが、語源については不明[6]

カルニアにある「チャルソンス協会」では以下のような発祥説を唱えている[6]

カルニアには、ヴェネツィアで購入したスパイス、薬、絵画などをタンスのような物に収納し背中にかついで徒歩でアルプスを越えてドイツ地方へと販売していた商人たちがいた[6]。商人たちが行商を終えて家に帰ってくると商人たちの彼らの妻たちは引き出しの底に残っていたスパイスを使って料理をつくり、盛大なパーティーを開催したとされる[6]。この時の料理が、やがてクリスマスや結婚式などに作られる、この地方の代表的な料理のひとつとなった[6]

伝統的な家庭料理であったが、1970年代にカルニア料理のシェフ・ジャンニ・コセッティイタリア語版によって見直され、レストランのメニューとして提供されるようになった[6]

出典

  1. ^ a b c d e f 【イタリア郷土料理】甘いラビオリ、チャルソンスとは。”. フィガロジャポン (2019年10月20日). 2024年12月20日閲覧。
  2. ^ a b 「イタリア20州の20皿」『BRUTUS』2019年6月1日号第893号、マガジンハウス、2019年、43頁。 
  3. ^ a b 「郷土色豊かな料理の数々はイタリア北東部への愛が故に。」『世田谷ライフmagazine』2021年3月号第76号、枻出版社、16頁。 
  4. ^ a b 岸朝子「リストランテ ラ プリムラ」『東京 五つ星のイタリア料理』東京書籍、2010年、72頁。ISBN 978-4487804061 
  5. ^ a b 「東京で巡る餃子の世界。」『BRUTUS』2020年12月15日号第929号、マガジンハウス、2020年、53頁。 
  6. ^ a b c d e f g 今井和正 (2018年9月6日). “アルプスを越えた商人のタンスから生まれたカルニア地方のパスタ「チャルソンス」【ペペロッソの冒険】”. ITALIANITY(イタリアニティ). 2024年12月20日閲覧。



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