タンピネス・ローヴァースFCとは? わかりやすく解説

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タンピネス・ローバースFC

(タンピネス・ローヴァースFC から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/11/13 09:37 UTC 版)

BGタンピネス・ローバースFC
原語表記 BG Tampines Rovers Football Club
愛称 The Stags
創設年 1945年
所属リーグ シンガポールプレミアリーグ
ホームタウン タンピネス英語版
ホームスタジアム タンピネス・スタジアム
収容人数 5,000
代表者 坂本俊吾
監督 空席
公式サイト 公式サイト
ホームカラー
アウェイカラー
テンプレート(ノート)サッカークラブPJ

BGタンピネス・ローバースFC英語: BG Tampines Rovers FC)はシンガポールプレミアリーグに所属するシンガポールのサッカークラブである。

概要

ホームスタジアムはタンピネス英語版地区にある、タンピネス・スタジアム。クラブのマスコットはシカ(Stag)で、The Stagsがニックネームとなっている。

1945年に創設され、これまでにリーグ優勝5回、シンガポールカップ4回、コミュニティシールド最多記録の6回、そしてASEANクラブ選手権1回の優勝を果たす。

タンピネス・ローバーズはシンガポールで最も人気のあるクラブのひとつであり、ホーム・アウェイを問わず高い観客動員数を誇る。

最大のライバルはゲイラン・インターナショナルで、両者の対戦は「イースタン・ダービー」として知られている。2023年9月には、タイ・リーグ1所属のクラブBGパトゥム・ユナイテッドと3年間の提携契約を締結した。

歴史

シンガポールプレミアリーグの前身、シンガポール国内リーグでは1979年1980年1984年にリーグ優勝した強豪クラブの一つである。

1945年、タンピネスの数人のサッカーファンがクラブを設立することを決意した。いくつかの名称変更を経て、最終的に「タンピネス・ローバーズ(Tampines Rovers)」を正式名称とした。

「The Stags」の愛称で知られるチームは、1950年代から60年代にかけてシンガポール・アマチュア・フットボール協会リーグに参加し、上位チームの一角として活躍した。1974年、新設されたナショナルフットボールリーグの2部に編入された。

1970年代

1975年はタンピネスにとって転機の年であった。リーグ全勝で1部昇格を果たし、プレジデンツカップ決勝に進出。決勝ではシンガポール軍スポーツ協会に0–1で惜敗したが、3万人の観客という全国記録を打ち立てた。その後の10年間もタイトル争いを続け、1978年に再びプレジデンツカップ決勝へ進出、1979年・1980年・1984年には国内王者に輝いた。

1988-1994

1988年に2部へ降格したが、1994年には新経営陣のもとでリーグ優勝を果たし、翌年、新たに創設されたSリーグ(現シンガポール・プレミアリーグ)の8クラブの一つとして選ばれた。

1996-2017

Sリーグ発足後6シーズンの間、タンピネスは最高順位6位にとどまった。2002年、マレーシア人監督チョウ・クワイ・ラムを招聘し、彼の指導のもとでシンガポールカップを制覇。その後2シーズン連続でリーグ4位に入り、チーム力を高めた。

2000年代

タイ人監督ウォラワン・チタワニッチの下、2000年代はクラブの黄金期を迎えた。ナズリ・ナシル、ノー・アラム・シャー、セアド・ムラトビッチ、レザル・ハッサンら名選手が揃い、2004年にはクラブ初のSリーグ優勝とシンガポールカップ制覇の二冠を達成。翌2005年にはリーグ連覇を果たし、「Sリーグ・チーム・オブ・ザ・ディケイド(10年の最優秀チーム)」に選出。さらにASEANクラブ選手権優勝というシンガポール初の快挙を成し遂げた。2006年には再びシンガポールカップを制し、リーグでは準優勝となった。

2011-2014

2011年、スティーブン・タンが監督に就任(チタワニッチはテクニカルディレクターへ昇格)。ムスタフィッチ・ファルディン、アリフ・シャファエインら黄金期メンバーに加え、アレクサンダル・ジュリッチ、ブノワ・クロワサン、ジャミル・アリらが加入した。チームは2011〜2013年にリーグ三連覇、さらに2011〜2014年にコミュニティシールド4連覇を達成。2014年にはシンガポールリーグカップ・プレート部門でも優勝した。

2016年シーズン
Jermaine Pennant was the talk of the town buzzing through the local football which saw an initial spike in interest at Tampines Rovers games that saw crowds of more than 4,000 turning up to see him play.

2016年1月19日、元アーセナル&リバプールのウインガー、ジェルメイン・ペナントが1年契約で加入した。前所属のウィガン時代の給与から70%減となるものの、月給約4万シンガポールドル(約195万円)で、国内リーグ史上最高額の選手となった。加入直後から観客動員が急増し、1試合で4000人を超えるファンがスタジアムに集まった。

同年、ライオンズXIIの9選手を加えて開幕6戦無敗を記録。AFCチャンピオンズリーグの本戦をかけて予選1回戦からタンピネス・ローバースFCは出場した。1月27日、AFCチャンピオンズリーグ2016の予選1回戦アウェイでインドのモフン・バガンと戦い1-3で敗れ本戦出場を逃した。AFCカップではフィリピンのセレス、マレーシアのセランゴール、バングラデシュのシェイク・ジャマルと同組に入り、グループEで2位通過を果たした。ラウンド16ではインドのモフン・バガンを延長戦の末に2–1で破り、ベスト8進出を果たす。その試合を最後に監督V・スンドラモーティが代表監督に就任し、後任にアクバル・ナワスが就任。ナワスのもとでチームは8連勝・28得点を挙げ、2016年シーズンをリーグ準優勝で終えた(優勝はアルビレックス新潟S)。

2017年シーズン

2016年の財政難を受け、翌シーズン開始前に選手・スタッフの給与削減や施設閉鎖などの改革を実施。外国人3選手(ビリー・メフメト、ジョーダン・ウェブ、ジェルメイン・ペナント)は退団し、15年間続いたスポンサー「現代」との契約も終了した。代わって若手外国人3名(ソン・ヨンチャン、メグミ・リュウタロウ、イヴァン・ヤコブ・ジョニ)が加入。また、地元の有力選手としてマドゥ・モハナ、ダニエル・ベネットら代表経験者を獲得した。しかし開幕直前にナワス監督が辞任し、ユルゲン・ラーブ(前ガレナ・ヤングライオンズ監督)が就任。アシスタントにはギャビン・リーが加わった。

2017年開幕戦のコミュニティシールドではアルビレックス新潟Sに敗北。ACL予選ではグローバルFCに0–2で敗れ、AFCカップ本戦ではグループG3位に終わった。

シーズン途中、会長クリシュナ・ラマチャンドラが多忙を理由に辞任を発表。8月30日、FAS(シンガポールサッカー協会)はデズモンド・オンを新会長に任命し、新しい経営委員会のもとでクラブは再出発を果たした。チームは最終的にリーグ準優勝(首位アルビレックス新潟Sに8ポイント差)でシーズンを終えた。

2018年以降:シンガポール・プレミアリーグ時代

2018年シーズンは、新たに再編されたシンガポール・プレミアリーグ時代の幕開けとなった。タンピネス・ローバーズはAFCチャンピオンズリーグのプレーオフでバリ・ユナイテッドと対戦し、3–1で敗北。これによりチームは2018年AFCカップへ回ることとなった。

選手たちの雇用を安定させるため、クラブは長期契約制度を導入した。 契約形態は3種類あり、 1つ目は「毎年一定額の昇給が保証される契約」、 2つ目は「主にU-23選手を対象とし、シーズン終了後の評価に基づいて昇給額を決定する契約」、 3つ目は「契約期間中は給与が固定される契約」である。多くの選手は2〜3年契約を結んでいる。

選手の移籍と補強

3年契約を結んでいたにもかかわらず、クラブはMFシャーダン・スライマンをマラッカ・ユナイテッドへシーズンローンで放出した。これは、両クラブおよび選手にとって長期的利益が見込まれる判断であった。また、数名の代表選手が海外リーグへ移籍したため、クラブはそれに代わる実力ある選手を獲得した。日本人MF恵 龍太郎(Ryutaro Megumi)の契約を更新し、さらにカナダ人ウィンガージョーダン・ウェブをウォリアーズFCから呼び戻し、外国籍枠を補完した。加えて、U20代表やプライムリーグ所属の若手選手を多数昇格させ、新リーグ規定で求められるU23枠を満たした。

スポンサー契約とユニフォーム

クラブはデンマークのスポーツブランドHummel(ヒュンメル)と、年間10万シンガポールドル規模の2年契約のテクニカルスポンサー契約を締結。ヒュンメルはホーム・アウェイ・サードユニフォームに加え、トレーニングウェアやチームウェアも提供する。今季は胸スポンサーを置かず、代わりにマレー語で「敬意」を意味する“Hormat”の文字を胸に掲げることを決定した。新ホームユニフォームはAFCチャンピオンズリーグ・プレーオフのバリ・ユナイテッド戦で初披露。アウェイおよびサードユニフォームは2018年2月に発表された。

AFCカップでは、マレーシアのジョホール・ダルル・タクジム(Johor Darul Ta’zim)、インドネシアのペルシジャ・ジャカルタ(Persija Jakarta)、ベトナムのソン・ラム・ゲ・アン(Sông Lam Nghệ An)と同組となり、初戦は2018年2月10日にソン・ラム・ゲ・アン戦として行われた。

ユース育成と提携

クラブは地元の民間アカデミーJSSLシンガポールと提携を発表。JSSLはU-6からU-14世代の育成を担い、その中で最も優れた選手はタンピネスのU-16およびU-19チーム(センター・オブ・エクセレンス)、最終的にはトップチームへと昇格する育成パスを確立した。また、JSSLのゼネラルマネージャーであるギャビン・リーが、ユルゲン・ラーブ監督のアシスタントコーチとしてトップチーム業務を補佐した。

監督交代

2018年10月9日、ユルゲン・ラーブ監督は解任された。彼は2年間の在任中に、2017年にリーグ2位、2018年にはリーグ4位という成績を残した。

2019-2025:ギャビン・リー監督

2019年シーズン、タンピネス・ローバーズはオフシーズンに監督陣と選手陣の両方で大幅な改革を行った。テクニカルスタッフ体制が一新され、カディル・ヤハヤがアドバイザーに就任。前シーズンまでアシスタントコーチだったギャビン・リーが、AFC「A」級ライセンス取得を進めながらトップチーム監督に昇格した。当時28歳でシンガポールプレミアリーグ史上最年少監督となった[1]。元キャプテンのムスタフィッチ・ファルディンは現役引退後もチームに残り、アシスタントコーチに就任。また、元選手のイサ・ハリムがフィットネスコーチとして加入し、ゴールキーパーコーチのウィリアム・ファンとともに新テクニカルチームを形成した。

チームはナショナル・フットボール・アカデミーから複数の若手選手を獲得し、さらにセルビアU-21代表のゼフルディン・メフメドヴィッチミルザ・デリメジャツを獲得した。また、GKズファイルーズ・ルディをホーガン・ユナイテッドから加入させ、MFシャーダン・スライマンもマラッカ・ユナイテッドでのローンを終えて復帰。GKハイカル・ハスノルは兵役のためホーム・ユナイテッドへ、イルファン・ファンディも同じ理由でヤングライオンズへレンタル移籍した。一方、ハフィズ・アブ・スジャドアフィク・ユノスファズルル・ナワズらはホーガン・ユナイテッドへ移籍。また、ファルディン・ムスタフィッチは正式に現役を退き、アシスタントコーチとしてクラブに残った。

プレシーズンとスポンサー再契約

プレシーズンでは、ナショナルフットボールリーグ(NFL)のシンガポール・クリケットクラブと対戦後、タイ遠征を実施。LEOカップに出場し、チェンライ・ユナイテッドおよびチェンライ・シティと対戦した。帰国後はカトンFC、ジョホール・ダルル・タクジムII、アルビレックス新潟(S)と対戦。特に最後の親善試合でアルビレックスに4–0で快勝し、好調を印象づけた。このシーズンより、2017年に関係を解消していたヒュンダイがメインスポンサーとして復帰。ANA Courier Expressゲータレードはスポンサー契約を継続し、ecoWiseも新たに参入した。ユニフォームサプライヤーのヒュンメル(Hummel)は新デザインのユニフォームを発表し、クラブ専用の特注モデルを提供した。

2019年シーズン

AFCカップではグループFに入り、ハノイFC、ヤンゴン・ユナイテッド、ナガワールドと対戦。初戦のヤンゴン・ユナイテッド戦では前半を1点ビハインドで折り返したものの、カイルル・アムリ、メフメドヴィッチ、メグミ・リュウタロウのゴールで3–1の逆転勝利を収めた。最終的にグループステージを13ポイントで終了し、同点のハノイFCに得失点差で敗れグループ2位に終わった。国内リーグは2019年3月3日のホーガン・ユナイテッド戦(ジャランベサール・スタジアム)で開幕。好スタートを切ったが、中盤で引き分けが続き、エースのカイルル・アムリがマレーシア・スーパーリーグのフェルダ・ユナイテッドへ移籍。それでもタンピネスは2019年シンガポールカップ決勝でウォリアーズを4–3で破り、タイトルを獲得した。

2020年シーズン

2020年はクラブ創立75周年の節目の年となった。1月14日、AFCチャンピオンズリーグのプレーオフでバリ・ユナイテッドと対戦し、延長戦の末5–3で敗戦。これによりAFCカップ出場が決まり、グループHでカヤ・イロイロ(フィリピン)、PSMマカッサル(インドネシア)、シャン・ユナイテッド(ミャンマー)と同組になった。2月22日、クラブ史上5度目のコミュニティシールド優勝をホーガン・ユナイテッド戦で達成。リーグ戦でも開幕3連勝、7得点無失点と好調な滑り出しを見せた。しかし、COVID-19の影響で3月27日にリーグが中断された。文化・青年省(MCCY)は10月17日にリーグ再開を承認。新ルールとして試合中の給水休憩や交代枠5人制が導入され、残り試合を49日間で消化。シーズン最終節は12月5日に設定された。再開初戦でホーガンに敗れたものの、その後は9戦無敗を記録し、最終的にアルビレックス新潟(S)に3ポイント差の2位で終了。アルビレックスが日本クラブのサテライトチームであるため、タンピネスが2021年AFCチャンピオンズリーグ出場権を獲得した。

2021年シーズン

AFCチャンピオンズリーグの本戦にタンピネス・ローバースFCは出場。グループHで全北現代(韓国)ガンバ大阪(日本)チェンライ・ユナイテッド(タイ)と同組になった。6月25日、AFCチャンピオンズリーグ2021のグループリーグH 1回戦ホームで日本のガンバ大阪と戦い0-2、その後も苦戦が続く中、ベテランDFダニエル・ベネットが5回戦のガンバ大阪戦(ウズベキスタン・タシュケント)でクラブ唯一の得点を記録(1–8)。43歳181日での得点は大会史上最年長記録となり、元FCソウルのデヤン・ダムヤノヴィッチ(39歳341日)を抜いた。最終的に6試合全敗のリーグ最下位に終わった。国内リーグでは4位でシーズンを終え、2022年AFCカップ出場権を得た。

MF中村享吾シンガポールリーグ史上最長の5年契約を締結し、2026年12月まで在籍が決定。同様に、若手有望株のシャー・シャヒランジョエル・チューも5年契約を締結。デズモンド・オン会長は、長期契約を選手の安定とクラブ競争力維持の両立策と位置づけた。オンは2017年に前会長のクリシュナ・ラマチャンドラから職を引き継いだ際、クラブは約300万シンガポールドルの負債を抱えていた。その後、彼と理事会が資金を投入して債務を整理し、オン個人がクラブの主債権者となる形で運営を続けていた。

2022-2023年シーズン

2022年2月26日、バレスティア・カルサ戦で2–2のドローでシーズン開幕。AFCカップではクアラルンプールを集中開催地として参戦したが、クアラルンプール・シティとPSMマカッサルに連敗。COVID-19により2年間中止されていたシンガポールカップが復活し、タンピネスは決勝まで進出するも、決勝でホーガン・ユナイテッドに3–2で敗れた。また、アドバイザーのカディルはタイ・リーグ1のBGパトゥム・ユナイテッドでユース部門責任者に就任した。2023年にはエースのゼフルディン・メフメドヴィッチが4年間の在籍を経て退団。代わってセルビア人MFミロシュ・ズラトコヴィッチを獲得し、さらにライオン・シティ・セーラーズからファリス・ラムリサイフラー・アクバルが加入。ファリスは開幕4試合で4試合連続得点を記録。同年8月23日、タンピネスは2023–24 AFCカップ ASEANプレーオフゾーンでカンボジアのプノンペン・クラウンをジャラン・ベサール・スタジアムで迎えた。

シーズン終了後の2023年9月23日、タイ王国BGパトゥム・ユナイテッドFCと3年間のパートナーシップ協約を締結した。これに伴い翌シーズンよりクラブ名にBGが冠されることになった[2][3]

2023–2025:BGパトゥムとの提携とクラブ再編

2023年9月23日、タンピネス・ローバーズはタイ・リーグ1のBGパトゥム・ユナイテッドと3年間の提携契約を締結した。この合意により、クラブは2024年シーズンから一時的に「BGタンピネス・ローバーズ」へ改称することとなった。この契約の実現には、元タンピネスのアドバイザーであり、現在BGパトゥムのユース育成責任者を務めるカディルが大きく貢献した。提携の一環として、クラブはタイ人選手2名──19歳のFWティティパット・エカルンポンと18歳のDFタネット・スックナットを期限付きで獲得。彼らは、2013年にティーラウィキン・シーハウォン(当時ウッドランズ・ウェリントン)が所属して以来、10年ぶりにシンガポールリーグでプレーするタイ人選手となった。前シーズン2位に終わったタンピネス・ローバーズは、これによりAFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)への出場権を得た。2024年7月18日、クラブはライオン・シティ・セーラーズを5–0で破り、リーグ首位を堅持、7戦無敗(6勝1分の無敗)を記録した。

AFCチャンピオンズリーグ2のグループステージでは、タイのバンコク・ユナイテッド、ベトナムのナムディンFC、香港のリー・マンFCと同組になった。9月18日、初戦のバンコク・ユナイテッド戦(タマサート・スタジアム)で、久乗聖亜(Seia Kunori)が2得点を挙げたものの、試合は4–2で敗北。続く9月22日、DPMMとのアウェイ戦ではボリス・コピトヴィッチがクラブ通算得点記録を更新し、アレクサンダル・ジュリッチの記録を抜いてクラブ史上最多得点者となった。10月2日のリー・マン戦(ホーム)では、前半に1点を先制されたが、コピトヴィッチがPKで同点弾を決め、後半にファリス・ラムリ久乗聖亜が得点を重ね、3–1の勝利を収めた。11月27日には久乗が決勝点を挙げ、バンコク・ユナイテッドの連勝を止めた。しかし、最終節のリー・マン戦(モンコック・スタジアム)では勝利が必須だったが、スコアレスドローに終わり、グループ3位でラウンド16進出を逃した。

2024-25シーズン

BGタンピネス・ローバースFCとしての最初のシーズン、秋春制へ移行したシンガポールプレミアリーグを2位で終えてAFCチャンピオンズリーグ2 2025/26およびASEANクラブチャンピオンシップ 2025-26の出場権を獲得した。

シーズン終了後、タンピネス・ローバーズはクラブ史上最大規模の転換期を迎える。多くの選手・コーチ陣が退団し、2017年からクラブを支えてきたデズモンド・オン会長も退任した。監督のギャビン・リーもシンガポール代表チームの暫定監督就任のため退任し、2019年から続いた彼の指揮に終止符を打った。ファンに愛されたボリス・コピトヴィッチ中村享吾も新たな挑戦を求めて退団し、クラブは体制を一新する「全面的な再構築フェーズ」へと舵を切った。

2025–現在:タンピネス・ローバーズの再出発

2025-26シーズン

2025年6月、2017年から8年会長を務めてきた弁護士出身のデズモンド・オンが退任し、代わって日本人投資銀行家の坂本俊吾が会長に就任[4][5]。6月16日にジェフユナイテッド千葉から風間宏矢が移籍加入することが発表されたが[6][7]。翌17日にはリーグ最年少監督であるギャヴィン・リーの退任[1][8]、さらに19日には5年半在籍してシンガポール代表になった仲村京雅の退団が相次いで発表された[9]。新監督には元監督のアクバル・ナワスを再招聘したが2025年9月には退任が発表され、アシスタントコーチであったノー・ラーマンが監督に就任した。

チームは2025–26 AFCチャンピオンズリーグ2およびASEANクラブ選手権に出場する。ASEANクラブ選手権では、2005年以来の出場となり、同大会の現王者ブリーラム・ユナイテッドをはじめ、BGパトゥム・ユナイテッドセランゴール(マレーシア)公安ハノイ(ベトナム)、ダイナミック・ハーブ・セブ(フィリピン)と同グループに入った。

2025年8月16日、シンガポール・コミュニティシールドで、タンピネスは国内王者ライオン・シティ・セーラーズを4–1で撃破し、タイトルを獲得。続く8月20日、ASEANクラブ選手権20年ぶりの復帰戦となるダイナミック・ハーブ・セブ戦(マニラ)で3–1の勝利。さらに9月18日、AFCチャンピオンズリーグ2ではフィリピン・カパスのニュー・クラーク・シティ・スタジアムでカヤ・イロイロを3–0で完封。10月2日のホーム戦ではBGパトゥム・ユナイテッドを2–1で破り、勝点6で首位に立った。10月23日にはホームで浦項スティーラーズ(韓国)を1–0で撃破。この試合では、東川ヒデ(Hide Higashikawa)が試合開始16秒でAFCチャンピオンズリーグ2史上最速ゴールを記録した。

続くアウェイの浦項戦では引き分けに持ち込み、無敗のままグループ首位を維持している。

チームイメージ

紋章とクラブカラー

クラブはシカ(Stag)を公式マスコットとして採用している。シカは「知恵の象徴」とされ、その角は「生命の樹」を連想させるものであり、中国文化では「活力(精力・繁栄)」の象徴でもある。クラブカラーは、ホームキットが黄色を基調としており、アウェイカラーには黒・青・白が組み合わされている。

サポーター

ザ・イエローブリゲード(The Yellow Brigade)

2012年に結成された、タンピネス・ローバーズ初の非公式サポーターグループ。メンバーは主にシンガポール代表の応援団「Lions All The Way(LATW)」のメンバーで構成されており、クラブの熱烈な支持者として、試合当日の雰囲気づくりに大きく貢献した。

ザ・イエローナイツ(The Yellow Knights)

2019年に結成された2つ目の非公式サポーターグループ。情熱的なファンの小集団によって設立され、「試合会場の雰囲気をより熱く盛り上げる」ことを目的としている。彼らは“ウルトラス”と称されることもあるが、自らをそう名乗ったことはない。それでも国内で最も情熱的なサポーター集団の一つとして知られており、どの試合でも声援と応援パフォーマンスでスタジアムを熱狂させている。

ザ・スタンド(The Stand)

タンピネス・ローバーズの一般的なファン層は総称して「ザ・スタンド(The Stand)」と呼ばれる。この名称はクラブの愛称「スタッグス(The Stags)」と響きが似ていることに由来すると考えられている。

観客動員

タンピネスへの本拠地復帰以降、クラブの1試合あたり平均観客数はリーグ屈指の高さを誇る。2023年6月時点では、ライオン・シティ・セーラーズに次ぐリーグ2位の観客動員数を記録している。

スタジアム

Our Tampines Hub, home ground for the Stags since July 2017

スタッグス(Tampines Rovers)は当初、タンピネス・スタジアムを本拠地としていた。しかし2011年、このスタジアムは取り壊され、サッカースタジアムを含む統合型コミュニティ施設 Our Tampines Hub(OTH) の建設が開始された。シンガポールのスポーツ史上、複数の行政機関が連携して幅広いサービス・プログラム・施設を集約した“統合型ハブ”の中でサッカーの試合が行われるのは、OTHが史上初であった。

OTH建設期間中、スタッグスは

  • 2012〜2014年:クレメンティ・スタジアム
  • 2015〜2017年前半:ジュロン・ウエスト・スタジアム

を暫定ホームとして使用した。

2017年、スタッグスはOTHに戻り、収容人数5,000人の「タウンスクエア」 をホームとして使用し始めた。2017年7月28日、タンピネス・ローバーズは新スタジアムでの最初の試合をブルネイDPMM FCと戦い、2–0で勝利した。この試合には 4,676人 の観客が集まった。

2019年、シンガポールサッカー協会(FAS)によるスタジアム共有制度により、ゲイラン・インターナショナルがOTHをホームとして共用することが決定した。これに対して地元サッカーコミュニティでは強い不満の声が上がり、「精神的な本拠地を失えば、クラブがアイデンティティを失ってしまう」という意見が多く見られた。

タイトル

国内タイトル

国際タイトル

  • ASEANクラブ選手権
    • 2005

現所属メンバー

2025年8月28日現在 [10]

注:選手の国籍表記はFIFAの定めた代表資格ルールに基づく。

No. Pos. 選手名
4 DF 山下柊哉 (副キャプテン)
5 DF アミルル・アドリ英語版
6 MF ジェイコブ・マーラー英語版
7 MF 鷲見星河
8 MF シャー・シャヒラン英語版 (第4キャプテン)
11 FW グレン・クエ英語版
12 FW トレント・ブハジャー英語版
13 FW タウフィク・スパルノ英語版
14 FW マーク・ライアン・タン英語版 (U23)
16 DF ディラン・フォックス英語版
17 DF アミルル・ハイカル英語版
18 FW ジコス・チュア英語版 (U23)
No. Pos. 選手名
19 MF ジョエル・チュー英語版
20 MF サイフラ・アクバル英語版
23 DF イルファン・ナジーブ英語版
24 GK シャズワン・ブハリ英語版 (キャプテン)
25 FW 東川続
26 DF 吉本武
29 FW ラスル・ラムリ (U21)
30 FW ファリス・ラムリ (第3キャプテン)
44 GK ダニエル・イリヤ (U23)
49 GK ナラウィッチ・インタチャルーン (BG Pathum Unitedからの期限付き移籍)
50 FW ンダウ・ターラ
69 FW ウィタワット・プラオタイソン (BG Pathum Unitedからの期限付き移籍)
88 MF 風間宏矢

歴代所属選手

参考文献

  1. ^ a b タンピネス・ローバースFC [@tampinesrovers]「𝗧𝗵𝗮𝗻𝗸 𝗬𝗼𝘂, 𝗚𝗮𝘃𝗶𝗻」2025年6月17日。Instagramより2025年6月17日閲覧。
  2. ^ Tampines Rovers FC Signs 3-Year Partnership with Thai League 1 Giants BG Pathum United』(プレスリリース)タンピネス・ローバースFC、2023年9月23日https://www.tampinesrovers.com/post/singapore-premier-league-club-tampines-rovers-signs-3-year-partnership-with-thai-league-1-giants-bg2025年1月11日閲覧 
  3. ^ Lin Tianbao (2023年9月23日). “SPL side Tampines Rovers to add ‘BG’ to their name after signing 3-year deal with Thai club BG Pathum”. ザ・ストレーツ・タイムズ. 2025年1月11日閲覧。
  4. ^ Deepanraj Ganesan『Leadership renewal at BG Tampines Rovers as chairman Desmond Ong steps aside』(プレスリリース)ザ・ストレーツ・タイムズ、2025年6月1日https://www.straitstimes.com/sport/football/leadership-renewal-at-bg-tampines-rovers-as-chairman-desmond-ong-steps-aside2025年6月17日閲覧 
  5. ^ Thank you, Desmond. 🦌”. タンピネス・ローバースFC (2025年6月9日). 2025年6月17日閲覧。
  6. ^ タンピネス・ローバースFC [@tampinesrovers]「𝗢𝗳𝗳𝗶𝗰𝗶𝗮𝗹 𝗔𝗻𝗻𝗼𝘂𝗻𝗰𝗲𝗺𝗲𝗻𝘁」2025年6月16日。Instagramより2025年6月16日閲覧。
  7. ^ 風間宏矢選手の移籍先について』(プレスリリース)ジェフユナイテッド市原・千葉、2025年6月16日https://jefunited.co.jp/news/detail/40392025年6月16日閲覧 
  8. ^ Singapore Premier League’s youngest coach Gavin Lee leaves Tampines Rovers”. タンピネス・ローバースFC (2025年6月17日). 2025年6月17日閲覧。
  9. ^ タンピネス・ローバースFC [@tampinesrovers]「𝗖𝗹𝘂𝗯 𝗔𝗻𝗻𝗼𝘂𝗻𝗰𝗲𝗺𝗲𝗻𝘁」2025年6月19日。Instagramより2025年6月19日閲覧。
  10. ^ Tampines Rovers FC”. Singapore Premier League. 2021年6月27日閲覧。

関連項目

外部リンク




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