ズグラッフィートとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ズグラッフィートの意味・解説 

ズグラッフィート

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/18 10:11 UTC 版)

チェコのリトムニェジチェにある黒鷲館のズグラッフィート(1560年代)

ズグラッフィートズグラフィトスグラッフィートスグラフィト、スグラフィット、Sgraffito。またはスクラフィト Scraffito、複数形:Scraffiti)とは、

  1. 2層の対照的な色からなる漆喰の、表面の湿った層を掻き落として線画を描く壁の装飾技法。
  2. 2層の対照的なスリップ(泥漿)からなる、窯で焼いていない陶磁器の素地に用いられる陶芸技法。

どちらの場合にも、櫛のような道具で表面を梳いて縞や波を描く。

歴史

ズグラッフィートは、16世紀ルネサンス期のイタリアで広く流行した。ドイツにも移入され流行が起こった。 バイエルンで最も顕著で、その地方特有のモチーフが見られる。ズグラッフィートは家のファサードを作る時、広告の目的で使われるのが一般的だった。

しかし、ズグラッフィートの素朴なものは13世紀のドイツに既にあって、ヴェッテラウ(Wetterau)やマールブルクの広い地域にその例を見つけることができる。他にもテューリンゲンエンガディンEngadin)、オーストリアトランシルヴァニアで使われていた。

さらに、アフリカ美術にもフグラッフィート技法が見られるし、今は使われていないが、フィリピンの「Kut-kut」という技法がズグラッフィートとエンカウスティークを用いていて、サマール島の原住民が1600年から1800年頃に使っていた。

技法

化粧漆喰にズグラッフィートを施しているところ(Stéphane Baron、フランス)

装飾と組み合わせることによって、ズグラッフィートは壁画に代わるものになった。近年、この古い技法への注目が増し、表現の手段として、さまざまな芸術形式に導入されるようになった。手順は簡単で、フレスコ画と同じである。

カタルーニャでは、ズグラッフィートは20世紀初頭にノウセンティズム(Noucentisme)の新古典主義建築家たちに使われ、ファサード装飾の回帰技法となった。

ズグラッフィートは、簡略化されて、絵画技法としても使われている。カンバスもしくは紙の上に最初の色を塗り、それを乾かし、その上に別の色を塗る。それからパレットナイフやオイルスティックで、上の層の色を掻き落とすことで、下の層の色の絵が浮き出る。下の層に色を塗ることが不要な時もあり、この場合、塗った色を湿っているうちに書き落として、下地のカンバスを露わにする。この技法は美学生にズグラッフィート技法を教える目的で授業で使われることが多い。

関連項目




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ズグラッフィート」の関連用語

ズグラッフィートのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ズグラッフィートのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのズグラッフィート (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS