ジョアン・モウティーニョとは? わかりやすく解説

ジョアン・モウティーニョ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/20 06:44 UTC 版)

ジョアン・モウティーニョ
2018 FIFAワールドカップでのモウティーニョ
名前
本名 ジョアン・フィリペ・イリア・サントス・モウティーニョ
João Filipe Iria Santos Moutinho
ラテン文字 João Moutinho
基本情報
国籍 ポルトガル
生年月日 (1986-09-08) 1986年9月8日(38歳)
出身地 ポルティモン
身長 170cm
体重 75kg
選手情報
在籍チーム SCブラガ
ポジション MFAM[1]
背番号 28
利き足 右足
クラブ1
クラブ 出場 (得点)
2005-2010 スポルティングCP 163 (21)
2010-2013 ポルト 83 (4)
2013-2018 モナコ 158 (9)
2018-2023 ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズ 175 (5)
2023- SCブラガ
代表歴2
2005-2007  ポルトガル U-21 17 (2)
2005- ポルトガル 146 (7)
1. 国内リーグ戦に限る。2023年6月5日現在。
2. 2022年9月28日現在。
■テンプレート■ノート ■解説■サッカー選手pj

ジョアン・フィリペ・イリア・サントス・モウティーニョJoão Filipe Iria Santos Moutinho1986年9月8日 - )は、ポルトガルファーロ県出身のサッカー選手SCブラガ所属。ポルトガル代表。ポジションはミッドフィールダー

クラブ経歴

スポルティングCP

父親や兄弟もサッカー選手と言うスポーツ一家の4人兄弟の3番目として生まれ育った。地元のポルティモネンセSCの下部組織に入団し、14歳になる時にスポルティングCPの下部組織に移った。2004年夏、まだ17歳であったがジョゼ・ペセイロ英語版監督によってトップチームに招集され、出場した試合で光るプレーを見せた。2004-05シーズンはジュニアチーム登録であったが、トップチームの練習に帯同した。ジュニアチームでは、パウロ・ベント監督の下でミゲル・ヴェローゾナニと一緒にプレーし、全国リーグ優勝を果たした。2005年初め、タッサ・デ・ポルトガルのFCパンピリョーザ戦で20分間プレーしてトップチームデビューし、1月23日にはジル・ヴィセンテFC戦 (3-0) でスーペル・リーガデビューを飾った。この際の背番号28は、かつてクリスティアーノ・ロナウドが着けていたものだった。非常に安定したプレーを基盤とし、ダイヤモンド型の4-4-2システムのどこでもプレーできるユーティリティ性ですぐにレギュラーポジションを獲得した。カウンターの際に発揮される彼のダイナミズムと素晴らしい決定力でファンのお気に入りとなり、レギュラーとなってからほとんど試合に欠場しなかった。2004-05シーズンのUEFAカップフェイエノールト戦とニューカッスル・ユナイテッドFC戦ではマン・オブ・ザ・マッチに選ばれ、決勝進出に大きく貢献した。2004-05シーズンはリーグ戦15試合に出場し、2位でシーズンを終えた。2005年夏には1年間の契約延長を果たした[2]

初のフルシーズン参戦となった2005-06シーズン、モウティーニョはリーグで唯一全試合にフル出場する堅牢性を発揮し、いっそうの成長を見せた。最終節のSCブラガ戦 (1-0) では決勝点を挙げ、2位でUEFAチャンピオンズリーグ出場権を獲得した。2006年夏にはベテランのリカルド・サ・ピントが移籍し、モウティーニョは19歳にして副キャプテンに就任した。2007年夏にはクストディオ・カストロリカルド・ペレイラが移籍し、クラブのプロチーム化以降2番目の若さでのキャプテンに就任した。最年少記録は初代キャプテンのフランシスコ・ストロンプである。

スポルティングCP時代のモウティーニョ

2007-08シーズンは攻撃的ミッドフィールダーのポジションでレアンドロ・ロマニョーリとコンビを組み、しばしばトップ下の位置から右サイドに移動して効果的な働きを見せた。このシーズンにはクラブのシンボルと言うべき存在となり、リーグを代表する選手として喝采を浴びた。2008年夏にはプレミアリーグエヴァートンFCへの移籍が噂されたが、スポルティングに残留した[3][4]。2008-09シーズンのリーグ戦ではわずか3試合しか欠場せず、公式戦を通じて約50試合に出場した。UEFAチャンピオンズリーグでは決勝トーナメントに進出したが、バイエルン・ミュンヘンに2試合合計1-12と屈辱の結果で敗れた。モウティーニョはバイエルン戦でチーム唯一の得点を挙げている[5]

FCポルトに移籍した直後

FCポルト

2010年7月3日、スポルティングのライバルであるFCポルトと5年契約を結んだ[6]。移籍金は1100万ユーロが支払われ、それに加えて、FCポルトから他クラブに移籍する際に1100万ユーロ以上の移籍金が発生した場合のみ、その移籍金の25%をスポルティングに支払うという条件が付けられた[7][8]。スポルティングのジョゼ・エドゥアルド・ベッテンコート英語版会長はモウティーニョの行為を遺憾だとし、彼を「腐ったリンゴ」と呼んだ。それにつけ加え、「果樹園に腐ったリンゴを放置するのは好ましくないため、この取引はスポルティングの意思で行われた」と述べた[9]。2010-11シーズンはチームのほとんどの試合に出場し、出場試合数は計60試合近くに達した。スーペル・リーガではクラブ史に残る独走で優勝を果たした。タッサ・デ・ポルトガルでは2得点を挙げ、特に準決勝ベンフィカ戦セカンドレグ (3-1) で記録した得点は、0-2で敗れたファーストレグから逆転を果たす重要なものだった[10]

2012年8月31日、恩師アンドレ・ビラス・ボアスが監督に就任し、レアル・マドリードに移籍したルカ・モドリッチの後釜を探しているトッテナム・ホットスパーFCへの移籍が合意したが、移籍期限に間に合わず、決裂した[11]

ASモナコ

2013年5月24日、同僚のハメス・ロドリゲスとともに、リーグ・ドゥから昇格したASモナコに5年契約で移籍が決定[12]。2018年3月29日、クラブとの契約を2020年まで延長した[13]。モナコでは、公式戦219試合に出場し11得点39アシストを記録した[14]

ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズ

2018年7月24日、プレミアリーグウルヴァーハンプトン・ワンダラーズFCに2年契約で移籍した[15]。移籍金は500万ポンド[16]。移籍初年度からリーグ戦全38試合に出場し、クラブの年間最優秀選手に選出された[17]。2022年7月4日、クラブとの契約を2023年まで延長した[17]。2023年6月2日、契約満了によりクラブを退団することが発表された[18]

SCブラガ

2023年8月26日、SCブラガにフリートランスファーで加入した[19]。契約期間はは2024年6月30日までの1年間。

代表経歴

ポルトガル代表でプレーするモウティーニョ(2011年2月)

世代別代表

U-21ポルトガル代表としてUEFA U-21欧州選手権2大会に出場しており、2006年の母国ポルトガル大会ではU-21ドイツ代表相手に得点を奪った[20]。しかし、どちらの大会もグループリーグで敗退している。

A代表

スポルティングCPからトップチームデビューしたばかりの2005年1月、エジプトとの親善試合でポルトガルA代表デビューした。2006 FIFAワールドカップ以来、常にA代表に招集され続けている。2008年5月31日、ジョージアとの親善試合 (2-0) でA代表初得点を挙げた。

UEFA EURO 2008に出場する23人のメンバーに選ばれ、グループリーグ初戦のトルコ戦 (2-0) ではラウル・メイレレスの得点をアシストした。 2010 FIFAワールドカップの最終候補24人には選ばれず[21]、6人のバックアップメンバーに回った[22]UEFA EURO 2016では6試合に出場し、ポルトガルA代表初のメジャータイトル獲得に貢献した[23][24][25]UEFA EURO 2020に出場する代表メンバーに選出された[26]

ポルトガル代表でのモウティーニョ(2017年7月)

2022 FIFAワールドカップに出場する代表メンバーからは落選した[27]

プレースタイル

パススキルに長けたプレーメーカー[28]。中盤でのユーティリティ性を持っているが、10番(攻撃的ミッドフィールダー)を務めることが多い。しかし、デイヴィッド・エドワーズは「私は彼が8番(セントラル・ミッドフィールダー)だと思う」と語っており[1]、また、モウティーニョ自身も深い位置でプレーすることを好んでいるという[28]

代表歴

出場大会

試合数

  • 国際Aマッチ 146試合 7得点(2005年-2022年)[29]


ポルトガル代表 国際Aマッチ
出場 得点
2005 3 0
2006 2 0
2007 6 0
2008 11 1
2009 3 0
2010 5 0
2011 10 1
2012 14 0
2013 11 0
2014 11 0
2015 5 2
2016 13 1
2017 11 2
2018 8 0
2019 8 0
2020 8 0
2021 13 0
2022 4 0
通算 146 7

タイトル

クラブ

スポルティングCP
FCポルト
モナコ

代表

ポルトガル代表

個人

  • スーペル・リーガ 月間最優秀選手賞:1回 (2005年4月)
  • スーペル・リーガ 月間最優秀若手選手賞:6回 (2006年10月, 2006年11月, 2007年10月, 2007年11月, 2008年2月, 2008年3月)
  • ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズ 年間最優秀選手賞:1回 (2018-19)

脚注

  1. ^ a b Dave Edwards questions Joao Moutinho playing as a number 10 for Wolves”. Molineux News (2023年4月5日). 2024年2月5日閲覧。
  2. ^ Sporting get more of Moutinho” (英語). UEFA.com. 2025年4月20日閲覧。
  3. ^ “Everton bid for Moutinho rejected” (英語). (2008年7月27日). http://news.bbc.co.uk/sport2/hi/football/teams/e/everton/7527890.stm 2025年4月20日閲覧。 
  4. ^ “Fulham sign Johnson from Everton” (英語). (2008年8月7日). http://news.bbc.co.uk/sport2/hi/football/teams/f/fulham/7546760.stm 2025年4月20日閲覧。 
  5. ^ “B Munich 7-1 Sporting (agg 12-1)” (英語). (2009年3月10日). http://news.bbc.co.uk/sport2/hi/football/europe/7936200.stm 2025年4月20日閲覧。 
  6. ^ ポルトがJ・モウチーニョを獲得Goal.com、2010年7月5日
  7. ^ Moutinho swaps Sporting for Porto” (英語). UEFA.com. 2025年4月20日閲覧。
  8. ^ “Comunicado João Moutinho [João Moutinho announcement]” (Portuguese). FC Porto. (2010年7月5日). オリジナルの2010年8月13日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20100813155316/http://www.fcporto.pt/IncFCP/PDF/Investor_Relations/FactosRelevantes/joaomoutinho05072010.pdf 2010年7月6日閲覧。  {{cite news}}: 不明な引数|deadurldate=は無視されます。 (説明)
  9. ^ Bettencourt: «Maçã podre que iria contaminar o grupo» (Bettencourt: "Rotten apple that would contaminate the group") Record 2010年7月5日 (ポルトガル語)
  10. ^ Benfica have no answer to Porto brilliance Archived 2011年5月14日, at the Wayback Machine. PortuGOAL 2011年4月20日
  11. ^ スパーズ、締め切りに間に合わずモウチーニョ獲得失敗Goal.com、2012年9月1日
  12. ^ モナコ、ポルトから大型補強に成功Goal.com、2013年5月25日
  13. ^ モウティーニョがモナコと2020年まで契約延長”. 超ワールドサッカー!. 2025年4月20日閲覧。
  14. ^ ポルトガル代表MFモウティーニョが昇格ウルブスに加入”. 超ワールドサッカー!. 2025年4月20日閲覧。
  15. ^ Moutinho Arrives At Wolves | Men's First-Team | News” (英語). Wolverhampton Wanderers FC. 2025年4月20日閲覧。
  16. ^ ポルトガル代表MFモウティーニョが昇格ウルブスに加入”. 超ワールドサッカー (2018年7月25日). 2023年11月7日閲覧。
  17. ^ a b Co.,Ltd, livedoor (2022年7月4日). “ウルブス、J・モウティーニョとの契約延長を発表! 在籍5年目に突入”. サッカーキング. 2025年4月20日閲覧。
  18. ^ Co.,Ltd, livedoor (2023年6月3日). “ウルブスがモウティーニョとコスタの退団を発表…クラブSD「感謝されながら旅立つだろう」”. サッカーキング. 2025年4月20日閲覧。
  19. ^ 元ポルトガル代表MFジョアン・モウティーニョ、ブラガ入りで母国帰還! 1年契約でのフリー加入”. 超ワールドサッカー!. 2025年4月20日閲覧。
  20. ^ Moutinho misery for Germany UEFA.com、2006年5月28日
  21. ^ “Pepe in Portugal squad”. FIFA.com. (2010年5月10日). http://www.fifa.com/worldcup/news/newsid=1208424/index.html 2010年5月11日閲覧。 
  22. ^ Release list of up to 30 players FIFA.com
  23. ^ Bayern's Sanches picked for Portugal” (英語). ESPN.com (2016年5月17日). 2025年4月20日閲覧。
  24. ^ Rui Silva (2025年4月8日). “69vn” (英語). 2025年4月20日閲覧。
  25. ^ “Portugal 1-0 France (AET)” (英語). BBC Sport. (2016年7月9日). https://www.bbc.com/sport/football/36696772 2025年4月20日閲覧。 
  26. ^ クリスティアーノ・ロナウド、ブルーノ・フェルナンデスらが順当選出! ポルトガル代表がメンバー発表《ユーロ2020》”. 超ワールドサッカー!. 2025年4月20日閲覧。
  27. ^ ポルトガル代表26名が発表! 19歳新星DFが初選出も重鎮モウティーニョらが選外…《カタールW杯》”. 超ワールドサッカー!. 2025年4月20日閲覧。
  28. ^ a b Daniels, Ben (2013年1月7日). “Moutinwho? The case against signing Joao Moutinho” (英語). Cartilage Free Captain. 2025年4月20日閲覧。
  29. ^ ジョアン・モウティーニョ - National-Football-Teams.com

外部リンク





固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ジョアン・モウティーニョ」の関連用語

ジョアン・モウティーニョのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ジョアン・モウティーニョのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのジョアン・モウティーニョ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS