ジャック・カストとは? わかりやすく解説

ジャック・カスト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/10 15:43 UTC 版)

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ジャック・カスト
Jack Cust
シアトル・マリナーズ時代
(2011年5月10日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国
出身地 ニュージャージー州フレミントン
生年月日 (1979-01-16) 1979年1月16日(42歳)
身長
体重
6' 1" =約185.4 cm
250 lb =約113.4 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 外野手指名打者
プロ入り 1997年 ドラフト1巡目
初出場 2001年9月26日
最終出場 2011年7月27日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

ジョン・ジョゼフ・カスト3世John Joseph Cust III, 1979年1月16日 - )は、アメリカ合衆国ニュージャージー州フレミントン出身の元プロ野球選手外野手指名打者)。

オークランド・アスレチックス所属当時の2008年に日本で行われたレッドソックスとの開幕シリーズでは「クスト」という表記になっていた。

経歴

1997年にアリゾナ・ダイヤモンドバックスからMLBドラフト1巡目(全体の30番目)の指名を受け入団し、ルーキーリーグで出塁率.447の成績を残す。

2001年メジャーデビューを果たすが、3試合の出場にとどまった。2002年1月7日、マイク・マイヤーズ投手とのトレードで、JD・クロッサー捕手と共にコロラド・ロッキーズへ移籍。

2003年3月21日にクリス・リチャードとのトレードでボルチモア・オリオールズへ移籍した。

2004年10月15日にFAとなり、11月15日にオークランド・アスレチックスとマイナー契約を結んだ。

2005年10月15日にFAとなり、12月9日にサンディエゴ・パドレスとマイナー契約を結んだ。

2007年5月3日にパドレスのマイナーリーグで燻っていたところをアスレチックスのビリー・ビーンGMにただ同然で再び拾われた[1]故障者リスト入りしていたマイク・ピアッツァに代わり指名打者として出場させたところ、10試合7本塁打の活躍でメジャーに定着した[1]打率は低く(特に左投手に対して低い)、三振は極端に多いが、四球本塁打が多く、出塁率、OPSともに高い。2007年の四球105はデビッド・オルティーズの111に次いでリーグ2位で、出塁率.408はリーグ7位の成績である。

2008年は148試合の出場で打率.231、33本塁打、OPS.851の成績を残す。1本塁打あたりの所要打数はカルロス・クエンティンジェイソン・ジアンビに次ぐリーグ3位の14.6打数を記録した他、リーグ最多の111四球を記録した一方でリーグ新記録の197三振も記録した。

2009年は149試合の出場で打率.240、25本塁打、OPS.773の成績を残し、3年連続でリーグ最多三振を記録。12月12日にFAとなった。

2010年1月7日にアスレチックスと再契約した。開幕からエリック・チャベスが指名打者として起用されたため40人枠から外れる。5月中旬にメジャーに復帰し、112試合の出場で打率.272、13本塁打、OPS.834の成績を残す。オフには翌年の契約を提示されず、12月2日にノンテンダーFAとなり、12月8日にシアトル・マリナーズと1年契約を結ぶ。

2011年は7月まで67試合の出場で打率.213、3本塁打、OPS.673と低迷し、8月4日に解雇。12日にフィラデルフィア・フィリーズとマイナー契約を結ぶが20日に解雇される。

2012年1月18日にヒューストン・アストロズと60万ドルの1年契約(2013年のオプション付き)でマイナー契約を結んだ[2]が、すぐさま3月27日に解雇された[3]。3月28日にニューヨーク・ヤンキースとマイナー契約を結んだ[4]。8月1日に放出され、8月4日にトロント・ブルージェイズとマイナー契約を結んだ[5]。11月3日にFAとなった。

2013年2月16日にタンパベイ・レイズとマイナー契約を結んだ[6]が、3月23日に放出された。

2014年2月5日に古巣・オリオールズとマイナー契約を結んだ[7]が、3月21日に放出された。

選手としての特徴

薬物疑惑

2007年12月13日に発表されたミッチェル報告書によると、2003年シーズン序盤にオリオールズ傘下AAA級オタワでプレーしていた時、ラリー・ビグビーとカストはロッカーが隣同士だった。カストはビグビーに今までアナボリックステロイドを試した経験があるか尋ねた。ビグビーはステロイドを所持していると認め、カストは自分もステロイドを試した経験があると話した。カストは欲しい薬物は何でも調達出来ると言ったが、ビグビーは既に提供してくれる友人がいると伝えた。この主張についての情報を提供し、応答の機会を与えるためにジョージ・J・ミッチェルが面会を要求したが、カストはこれを拒否した[8]

2008年1月26日のサンフランシスコ・クロニクル紙のインタビューでは、ビグビーとそのような会話をした覚えは全く無いし、ロッカーもビグビーの隣では無かったと証言内容を完全否定した[9]

アダム・ダン率

2007年度、(本塁打+三振+四球)/(打席数)によって算出され、相手野手の守備機会の少なさを示す指標であるアダム・ダン率が.582となった。これはMLBにおける単一シーズンのアダム・ダン率としては最高値であり、アダム・ダン率の由来となったアダム・ダンが2012年に記録した自己最高記録である.567を超えるものである。

詳細情報

年度別打撃成績

















































O
P
S
2001 ARI 3 3 2 0 1 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 .500 .667 .500 1.167
2002 COL 35 78 65 8 11 2 0 1 16 8 0 1 0 1 12 0 0 32 3 .169 .295 .246 .541
2003 BAL 27 84 73 7 19 7 0 4 38 11 0 0 0 0 10 0 1 25 0 .260 .357 .521 .878
2004 1 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .000 .000 .000 .000
2006 SD 4 3 3 1 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .333 .333 .333 .667
2007 OAK 124 507 395 61 101 18 1 26 199 82 0 2 0 6 105 2 1 164 6 .256 .408 .504 .912
2008 148 598 481 77 111 19 0 33 229 77 0 0 0 4 111 3 2 197 7 .231 .375 .476 .851
2009 149 612 513 88 123 16 0 25 214 70 4 1 0 4 93 5 2 185 7 .240 .356 .417 .773
2010 112 425 349 50 95 19 0 13 153 52 2 2 0 3 68 0 5 127 6 .272 .395 .438 .834
2011 SEA 67 270 225 19 48 15 1 3 74 23 0 0 0 0 44 2 1 87 3 .213 .344 .329 .673
MLB:10年 670 2581 2107 311 510 96 2 105 925 323 6 6 0 18 444 12 12 819 32 .242 .374 .439 .813
  • 各年度の太字はリーグ最高

脚注

  1. ^ a b 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2008』廣済堂出版、2008年、229頁。ISBN 978-4-331-51300-2
  2. ^ Astros Sign Free Agent of Jack Cust”. MLB.com Astros Press Release (2012年1月18日). 2014年2月11日閲覧。
  3. ^ Brian McTaggart (2012年3月27日). “Release of Duke, Cust gives roster some clarity”. MLB.com. 2014年2月11日閲覧。
  4. ^ http://www.rantsports.com/new-york-yankees/2012/03/28/new-york-yankees-sign-jack-cust-claim-craig-tatum-off-waivers/
  5. ^ Ronit Shah (2012年8月5日). “Blue Jays Sign Jack Cust”. MLB Daily Dish. 2014年2月11日閲覧。
  6. ^ Drew Silva (2013年2月17日). “Rays sign Jack Cust to minor league contract”. NBC Sports. 2014年2月11日閲覧。
  7. ^ Drew Silva (2014年2月5日). “Orioles sign relief pitcher Evan Meek and outfielder Jack Cust to minor league contracts”. NBC Sports. 2014年2月11日閲覧。
  8. ^ Mitchell Report (PDF)” (英語). Office of the Commissioner of Baseball. pp. SR159. 2013年11月26日閲覧。
  9. ^ Cust says no to Mitchell Report” (英語). San Francisco Chronicle. 2013年11月26日閲覧。

関連項目

外部リンク





固有名詞の分類

アメリカ合衆国の野球選手 ボビー・シャンツ  ジェリー・ロイスター  ジャック・カスト  アンドレ・イーシアー  リック・ショート
ボルチモア・オリオールズの選手 マット・ウィータース  メルビン・モーラ  ジャック・カスト  ウィリー・カークランド  ジャスティン・デュークシャー
オークランド・アスレチックスの選手 ジョー・カスカレラ  ボビー・シャンツ  ジャック・カスト  デーブ・ヘンダーソン  アーロン・マイルズ
サンディエゴ・パドレスの選手 ウォーリー・ジョイナー  ジェリー・ロイスター  ジャック・カスト  ジェフ・ブラム  スコット・ヘアストン
シアトル・マリナーズの選手 マイク・スウィーニー  ビル・ホール  ジャック・カスト  デーブ・ヘンダーソン  ライアン・フランクリン
コロラド・ロッキーズの選手 ボビー・ケッペル  メルビン・モーラ  ジャック・カスト  ブレット・セイバーヘイゲン  アーロン・マイルズ
アリゾナ・ダイヤモンドバックスの選手 アダム・ラローシュ  マイカ・オーウィングス  ジャック・カスト  クリス・ドネルス  スコット・ヘアストン
ミッチェル報告書に記載された選手 ロジャー・クレメンス  ウォーリー・ジョイナー  ジャック・カスト  ライアン・フランクリン  クリス・ドネルス

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