シルバートーン (シアーズ・ローバックのブランド)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > シルバートーン (シアーズ・ローバックのブランド)の意味・解説 

シルバートーン (シアーズ・ローバックのブランド)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/20 19:13 UTC 版)

シルバートーンSilvertone)は、1915年から1972年まで、当時のシアーズ ・ローバック社(Sears, Roebuck and Co.、現在のシアーズ)が使っていた、楽器音響機器ブランド。シアーズは、1915年に、蓄音機のブランドとしてシルバートーンを使い始め[1]、同年末ないし翌1916年はじめにはレコードレーベルシルバートーンに改名した[2][3]。1920年代に入るとラジオがシルバートーン・ブランドで販売されるようになり、以降、ウォーキートーキー補聴器まで、様々な関連機器が発売された[1]。今では、古いシルバートーンのラジオが収集家の注目を集めるようになっている[1][4]。1930年代には、それまでの「スーパートーン (Supertone)」に代わって、シルバートーンが楽器のブランドとしても使われ始めた[1][5]。1950年代以降は、テレビテープレコーダーなどにも、シルバートーン・ブランドが使われた。

ギター

楽器類のなかでも有名だったのは、良質で安価だったギターで、1940年代以降には、マディ・ウォーターズアーサー・クルーダップArthur Crudup)ら、ブルース歌手たちに愛用された[1]

シルバートーンは、特に初心者の間で人気のあるブランドになった。エレクトリック・ギターエレクトリック・ベースアコースティック・ギターなど、初めて手にしたギター類がシルバートーンだったミュージシャンは、ハンク・ウィリアムズ[6]チェット・アトキンス[1]ボブ・ディラン[1]、トム・フォガティ(Tom Fogerty)、ジェリー・ガルシアJerry Garcia)、ジミ・ヘンドリックス[1]ジョン・フォガティマーク・ノップラールディ・サーゾ、フィル・ケギー(Phil Keaggy)、ジェイムズ・ヘットフィールドデイヴ・グロールジャック・ホワイトはじめ、多数にのぼる。

後にゲス・フーThe Guess Who)へと発展したカナダのバンド、Chad Allan and The Silvertones は、この楽器ブランドにちなむ名であった。ピート・タウンゼントは、ザ・フーのライブで叩き壊すギターとしてシルバートーンをしばしば用いた。ザ・ホワイト・ストライプスのジャック・ホワイトは、年代もののシルバートーンのアンプを使っていることで知られている。シンガーソングライターベック・ハンセンが主に使っているギターは、シルバートーンである[7]

シルバートーンというブランドは、長年の間に、ダンエレクトロナショナル・ギター、ハーモニー(Harmony Company)、ケイ(Kay Musical Instrument Company)、テスコなど、様々な製造業者のギターに付けられてきた。今日では、特に1960年代のモデルのギターに、収集家が高値を付けるようになっている。最も有名なモデルのひとつは、1960年代はじめから半ばに製造された、ダンエレクトロ製 Danelectro Amp-in-case シリーズの1448番モデルである。これはギターケースに小さなアンプが組み込んであり、ギターのネックも18フレット分ととても短く、初心者には人気があった。ベックがおもに使っているギターは、この1448番モデルで、古いラッシュのステッカーと「I ♥ Country Music」と書かれたステッカーが貼ってあり、さらにその上に黒い絶縁テープのようなものが貼ってある(アルバム『モダン・ギルト (Modern Guilt)』のころ以降)。シルバートーンのギターの多く、特に最近のものは、先端が緩やかにカーブのかかったフック状になっているヘッドが、特徴となっている。

現在、シルバートーンのブランドを所有しているのはサミック(韓国の大手楽器メーカー)で、2003年から2006年までは、キッスポール・スタンレーが広告に起用されていた。

出典・脚注

  1. ^ a b c d e f g h Silvertone: 1915-1972”. Sears Brands, LLC.. 2011年4月14日閲覧。
  2. ^ Allan Sutton. “American Record Labels and Companies, The Sears, Roebuck & Company Record Labels (1905-1950)”. Mainspring Press, LLC.. 2011年4月14日閲覧。
  3. ^ ただし、シアーズの公式なアーカイブでは「1920年代にレコード・レーベルが導入された」とされている。(Silvertone: 1915-1972”. Sears Brands, LLC.. 2011年4月14日閲覧。
  4. ^ Radios from the Swing Era”. jitterbuzz.com. 2011年4月14日閲覧。
  5. ^ 「スーパートーン (Supertone)」は、1920年代以来、シアーズ・ローバックのレコードレーベル名のひとつでもあった。(Supertone、参照)
  6. ^ Hank Williams: The Hillbilly Shakespeare”. SP Clarke. 2011年4月14日閲覧。
  7. ^ SILVERTONE MODEL: 1449, AMP IN CASE - circa 1962 - DANELECTRO”. VintageSilvertones.com. 2011年4月14日閲覧。

外部リンク



このページでは「ウィキペディア」からシルバートーン (シアーズ・ローバックのブランド)を検索した結果を表示しています。
Weblioに収録されているすべての辞書からシルバートーン (シアーズ・ローバックのブランド)を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
 全ての辞書からシルバートーン (シアーズ・ローバックのブランド) を検索

英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「シルバートーン (シアーズ・ローバックのブランド)」の関連用語

シルバートーン (シアーズ・ローバックのブランド)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



シルバートーン (シアーズ・ローバックのブランド)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのシルバートーン (シアーズ・ローバックのブランド) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS