ゴンザレス対カーハート事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/07 11:25 UTC 版)
「ロー対ウェイド事件」の記事における「ゴンザレス対カーハート事件」の解説
最高裁は2007年、ゴンザレス対カーハート事件において、部分分娩中絶を禁止する連邦法について、5対4で合憲と判断した。2003年にブッシュ大統領が署名して成立したこの連邦法は、全米3か所の連邦地裁と控訴裁が違憲判決を下していたため発効していなかった。ケネディ判事による多数意見は、ロー判決やケイシー判決の有効性については判断を避け、部分分娩中絶が常に危険であるとの議会の判断は尊重されるべきであり、本法は女性への過度の負担にはあたらず、これまでの判例によっても憲法に反しないとした。本判決は、中絶の権利擁護に積極的であったオコナー判事が引退し、保守派のアリト判事が着任して初めての中絶禁止に関する最高裁判例である。ブッシュ大統領は、「人間の尊厳と生命の神秘を守るために我々が果たしてきた進歩を裏付けるものだ」と判決を歓迎する一方、ヒラリー・クリントンは「判決は女性の自己決定権と健康を尊重してきた40年以上の判例からの逸脱で、(合憲判決は)憲法上の女性の権利を損なう」との批判した。
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