コッパ (ハム)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/09 21:37 UTC 版)


コッパ(イタリア語: coppa)、カポコッロ(イタリア語: capocollo)は、イタリアの生ハム[1]。カポコッロは南イタリアでの名称である[1]。
概要
古代ローマ時代に生まれたとされる生ハムで、イタリア語の「カポ(頭)」と「コッロ(首)」に由来する名称の通り、豚の頭から首まわりにかけての肩ロースを使用する[1][2]。
エミリア=ロマーニャ州とロンバルディア州産豚肉の肩ロース部位で作るものが本格的とされるが、今日ではイタリアのいろいろは地方で製造されている[1]。
一般的な生ハムとの違い
一般的に生ハム(プロシュットなど)は豚モモ肉から作られるが、コッパは名前の由来通りに豚肩ロース部位を使用するのが特徴である[1][2]。
製法にも特徴があり、塩漬けして乾燥させるのは一般的な生ハムと同じだが、その後は調味してサラミのように豚の腸に詰めて熟成させる[1][2]。サラミと異なりひき肉にはせずに、ブロックのまま腸詰めされるのが特徴となっている[1]。
塩を白ワインで拭き取ったあと、ニンニク、コショウ、クローブなど各種のスパイスを表面にすりこむため、風味豊かな旨味と熟成香が味の特徴となっている[1][2]。食感は生ハムよりもしっかりとして噛みごたえがある[1]。
使用される部位の違いから、一般的な生ハムよりも脂肪が多くなり、断面が大理石のような模様になるのが外見の特徴である[1]。
利用シーン
そのまま食されるほか、チーズやフルーツと合わせて食される[1]。
サンドイッチの具材としてや、パニーニの具材として利用されたり、セロリやクレソンなどと合わせてサラダに利用される[1]。
DOPとIGP
DOP指定、IGP指定されているコッパもある。
- DOP指定
- IGP指定
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- コッパ・ディ・パルマ - パルマ県。
出典
- ^ a b c d e f g h i j k l ☆ゴン (2023年6月30日). “古代ローマ発祥の生ハム「コッパ」とは?生ハムとの違いを解説”. macaro-ni. 2025年4月10日閲覧。
- ^ a b c d 『aruco 東京で楽しむイタリア&スペイン』地球の歩き方、2022年、98頁。ISBN 978-4059200581。
- ^ 山口杉朗『歴史、食材、調理法、郷土料理まで フランス料理図鑑』日本文芸社、2024年、111頁。 ISBN 978-4537222135。
- ^ 林茂「サラミ」『最新 基本イタリアワイン』(増補改訂第4版)阪急コミュニケーションズ、2006年。 ISBN 978-4484172323。
外部リンク
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