ゲロ_(オストマルク)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ゲロ_(オストマルク)の意味・解説 

ゲロ (オストマルク)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/06 03:43 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
ゲロ1世
Gero I.
メルゼブルク伯
オストマルク辺境伯
1540年頃に描かれたゲロ
在位 937年/941年 - 965年

出生 900年
死去 965年5月20日
配偶者 ユーディト
子女 ゲロ
ジークフリート
父親 北チューリングガウ伯ティートマール
母親 ヒルデガルト
テンプレートを表示

ゲロ1世(Gero I., 900年 - 965年5月20日)は、10世紀ドイツザクセンオストマルク地方の領邦君主(在位:937年/941年 - 965年)。マグヌスラテン語で偉大という意味)と呼ばれた。甥(姉妹の子)に後にマイセン辺境伯となるティートマール1世、ケルン大司教ゲロ[1]らがいる。

生涯

東フランク王ハインリヒ1世の軍事指導者であった北チューリングガウ伯ティートマールの子である[2]。937年に皇帝オットー1世のザクセン代理統治者[3]であった兄ジークフリートが死去、あとを継いでメルゼブルク伯となる。皇帝オットー1世の異母兄タンクマールは、母がかつてのメルゼブルク伯の娘であり、ジークフリートとも母方を通し親戚関係にあったことから[4]、ジークフリートの死後メルゼブルクを与えられると期待していたが、オットー1世はそれに反しゲロにメルゼブルクを与えたことから反乱を起こし戦死している[5][6]。ゲロはオストマルク辺境伯に任ぜられその領土は著しく拡大し、それらは彼の名を取ってゲロ辺境伯領と呼ばれた。また、ゲロはヘルマン・ビルングと共に10世紀中葉におけるドイツ東方進出の指導者でもあった[7]ソルブ人の族長ら30人を処刑するなど[7]、ゲロのザクセン支配は苛烈であったため、ザクセン貴族も不満を抱いていた。941年、前年にロートリンゲン公位を取り上げられていた王弟ハインリヒ1世は、ゲロの支配に不満を持つザクセン貴族とともに、兄王オットー1世の暗殺を計画したが、事前に反乱は鎮圧され、ザクセン貴族らは処刑された[8]

息子ジークフリートはオットー1世の名づけ子であった[9]が、959年には父に先立って死去した[10]

ゲロの死後、その広大な辺境伯領はマイセン辺境伯領を含むいくつかの辺境伯領に分割された。

子女

ユーディトとの間に2子をもうけた。

脚注

  1. ^ 成瀬、p.173
  2. ^ Landi, Tafel 4
  3. ^ 瀬原、p.72
  4. ^ タンクマールの母ハーテブルクの母(メルゼブルク伯エルヴィンと結婚)と、ジークフリート・ゲロ兄弟の母ヒルデガルトは姉妹であった(コルヴァイのヴィドゥキント、p. 295)。
  5. ^ Leyser, p.177
  6. ^ Reuter, p.152
  7. ^ a b 瀬原、p.81
  8. ^ 瀬原、p.78
  9. ^ Leyser, p.37
  10. ^ Landi, Tafel 4

参考文献

  • 成瀬 治 他 編 『世界歴史大系 ドイツ史 1』 山川出版社、1997年
  • 瀬原義生 『ドイツ中世前期の歴史像』 文理閣、2012年
  • Reuter, Timothy. Germany in the Early Middle Ages 800-1056. New York: Longman, 1991.
  • Leyser, K.J. Medieval Germany and Its Neighbours 900-1250. The Hambledon Press, 1982.
  • Landi, Walter. "Die Stifterfamilie von Sonnenburg." Nearchos, Band 20 (2012), p.252-307
  • コルヴァイのヴィドゥキント、三佐川亮宏 訳 『ザクセン人の事績』 知泉書館、2017年

関連項目


「ゲロ (オストマルク)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ゲロ_(オストマルク)」の関連用語

ゲロ_(オストマルク)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ゲロ_(オストマルク)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのゲロ (オストマルク) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS