ケサヤバナとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ケサヤバナの意味・解説 

ケサヤバナ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/13 10:05 UTC 版)

ケサヤバナ
ケサヤバナ
(国立科学博物館展示、Wikimedia Commonsより)
保全状況評価
絶滅危惧IA類環境省レッドリスト
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類
core eudicots
階級なし : キク類 Asterids
階級なし : シソ類 lamiids
真正キク類I Euasterids I
: シソ目 Lamiales
: シソ科 Lamiaceae
亜科 : シソ亜科 Nepetoideae
: メボウキ連 Ocimeae
亜連 : Plectranthinae
: Coleus
: ケサヤバナ C. formosanus
学名
Coleus formosanus Hayata
シノニム
  • Coleus scutellarioides auct. non (L.) Benth.
  • Coleus scutellarioides var. crispipilus auct. non (Merr.) H.Keng
和名
ケサヤバナ

ケサヤバナ(学名:Coleus formosanus)はシソ科多年生草本。環境省絶滅危惧IA類(CR)[1]、沖縄県絶滅危惧IA類(CR)[2][3]

特徴

高さ30–50 cm。茎は四角形で径5–8 mm、基部は匍匐して根を下ろす。葉は多肉質で対生し、卵形~ひし形状卵形で長さ4–6 cm、葉縁は鈍鋸歯縁で、葉の表裏に白色の短毛を密生する。葉裏に褐色の細点がある。開花期は夏~秋で、頂生する長さ7–10 cmの穂状の輪散花序に淡紅紫色の小さな花を密につける。花冠下部は筒状、上部は2唇に分かれ、下唇は3裂する[4][5][3]。染色体数は台湾産[6]、与那国島産[7]ともに2n=50。

分布と生育環境

国内唯一の産地である沖縄県与那国島[2][5][8]は分布域の北限で、3箇所の自生地が知られるが個体数は極めて少ない[3]。日当たりの良い海岸断崖の岩場に生育する[4][5]

国外では台湾蘭嶼および緑島フィリピンバタン諸島およびバブヤン島、マレーシアに分布[5][3][9]

種の分類

YListではケサヤバナとキランジソ(コリウス、C. scutellarioides)を別種としているが、POWOではC. formosanusC. scutellarioidesのシノニムにまとめている[10]。本項における学名表記は前者に従った。

属の分類の変遷

ケサヤバナは台湾紅頭嶼(蘭嶼)産標本をもとに1906年にColeus formosanusと記載された[11]。ケサヤバナを含むColeus属は4本の雄蕊の基部が融合し、基部が分離するPlectranthus属とは区別されてきたが、この特徴は属の区分として弱く、一貫していない等の理由で広義のPlectranthus属に纏められるようになった[9]。しかし一部の種はSolenostemon属とされていた。

Plectranthinae亜連の分子系統学的研究[12]では、Plectranthinae亜連は単系統だが2つの主要な系統群からなることが示された。1つはColeus属の基準種を含み、かつSolenostemon属を含むものであり、もう1つはPlectranthus属の基準種と他のいくつかの属を含むものであった。広義のPlectranthus属は単系統ではないことから細分化され、(ケサヤバナC. formosanusをシノニムとして含む)キランジソはColeus属のC. scutellarioidesと分類された[13]。このような経緯から、ケサヤバナは文献の刊行時期により様々な学名で記されている。

脚注

  1. ^ 環境省第5次レッドリスト(維管束植物)”. 環境省. 2025年4月12日閲覧。
  2. ^ a b ケサヤバナ Coleus formosanus Hayata”. www.kahaku.go.jp. 国立科学博物館. 2025年4月13日閲覧。
  3. ^ a b c d (新城ほか 2018, p. 266)
  4. ^ a b (池原 1989, p. 185)
  5. ^ a b c d (与那国町教育委員会 1995, p. 75)
  6. ^ (Hsieh & Huang 1998, pp. 38–58)
  7. ^ (三浦 & 岩坪 2010, pp. 121–125)
  8. ^ (黒崎 1997, p. 250)
  9. ^ a b (米倉 2021, p. 425)
  10. ^ Coleus scutellarioides”. POWO. 2025年4月12日閲覧。
  11. ^ (Matsumura & Hayata 1906, p. 320)
  12. ^ (Paton, Mwanyambo & Culham 2018, pp. 355–376)
  13. ^ (Paton et al. 2019, pp. 1–158)

参考文献

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  ケサヤバナのページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ケサヤバナ」の関連用語

ケサヤバナのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ケサヤバナのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのケサヤバナ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS