グレート・ブルーホールとは? わかりやすく解説

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グレート‐ブルーホール【Great Blue Hole】


グレート・ブルーホール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/24 06:23 UTC 版)

グレート・ブルーホール
グレート・ブルーホール
所在地 ベリーズ、ライトハウス礁
座標 北緯17度18分55秒 西経87度32分4秒 / 北緯17.31528度 西経87.53444度 / 17.31528; -87.53444座標: 北緯17度18分55秒 西経87度32分4秒 / 北緯17.31528度 西経87.53444度 / 17.31528; -87.53444
深度 125 m (410 ft)
ウェブサイト greatbluehole.net/
ホールの大まかな構造
ライトハウス礁の衛星写真。写真中央付近にホールがある

グレート・ブルーホール: Great Blue Hole)は、ベリーズにある大規模なブルーホール。ベリーズ本土の沖70キロメートルに位置する、ライトハウス礁の中心近くに位置する。

形状は円形で、直径318メートル、水深124メートル[1][2]、面積は70,650平方メートルである。海水面がずっと低かった第四紀の氷河作用により形成され、その後に海面が再び上昇したことで水没したと考えられている[3]。ブルーホール内の鍾乳石の分析調査では、15万3000年前、6万6000年前、6万年前、1万5000年前といった結果が得られている。

ベリーズ珊瑚礁保護区の構成資産として、国際連合教育科学文化機関 (UNESCO) の世界自然遺産に登録されている[4]

探査

グレート・ブルーホールは、フランスの海洋学者ジャック=イヴ・クストーが「世界のスキューバダイビングスポット5選」のひとつに数えたことで有名となった。1971年にクストーは海洋調査船カリプソ号で、ブルーホールの探査を行った[5]。その結果、ブルーホールが典型的なカルスト石灰岩で形成されていること、海面上昇前に少なくとも4期に分けて形成されたことが明らかとなった。水中から鍾乳石も採集され、それらが地上で形成されたことが裏付けられた。さらに、鍾乳石が5°ほど傾斜していたことから、過去になんらかの地殻変動があったことが示唆された[5]。当初測定されたホールの水深は125メートルで、これが今日まで最も引用される値となっている。

1997年夏には、最深部からの地殻サンプルの収集と、鍾乳洞の状況の記録を目的とする探査が行われた[6]。この探査を遂行するため、ダイバーは全員洞窟潜水と混合ガス潜水の有資格者で編成された[6]

2018年12月には、内部の海図を作製するため、2隻の潜水艦がホール内を探査した。ソナーを使用して、探査チームはほぼ完全な3Dマップを作製することに成功した。この探査で、水深91メートル付近に硫化水素の層が発見された。これより水深が低くなると、海中は暗く、酸性となり、生命は存在しなくなる[7]。探査チームはまた、最深部で2名のダイバーの遺体を発見した。これは以前、ベリーズ当局に行方不明届けが出されていたダイバーと考えられた。2名に敬意を払い、遺体は地上まで運搬することはせず、そのまま水葬にされた[8]

観光

その水晶のように透き通った海面と、ミッドナイト・パロットフィッシュやペレスメジロザメといった魚種の存在から、スキューバダイビング愛好家のあいだでは人気のスポットとなっている。オオメジロザメシュモクザメといったサメの目撃例もあるが、日常的に目にすることはない。ブルーホールへは日帰りで行けるが、通常丸一日かかる。

ブルーホールと同様な地形はベリーズ国内やユカタン半島の陸上にも存在し、それらはセノーテと呼ばれている。

2012年、ディスカバリーチャンネルは「地球上で最も驚異的な場所10選」の第1位にグレート・ブルーホールを選定した[9]。2018年にはグレート・ブルーホールを特集した2時間番組 Discovery Live: Into the Blue Hole を放映している[10]

脚注

  1. ^ The Great Blue Hole of Lighthouse Reef Atoll, Belize, Central America: Deep Technical Diving to Collect Sea-Level Records. Transactions of the Fifteenth Caribbean Geological Conference.. (2002). ISBN 9789766401009. https://books.google.com/books?id=RZbjcQEvfN4C&q=great+blue+hole&pg=PA190 
  2. ^ Expedition Survey of Belize’s Great Blue Hole with Ellipse INS sensor” (英語). Geo-matching. 2023年9月21日閲覧。.
  3. ^ Belize Blue Hole reef”. NASA. 2023年10月15日閲覧。
  4. ^ UNESCO World Heritage Foundation. “Belize Barrier Reef Reserve System”. 2023年1月11日閲覧。
  5. ^ a b Jacques-Yves Cousteau (1973). Galapagos – Titicaca – The Blue Holes (Hole). London: Cassell 
  6. ^ a b Tysall, Terrance N (1999). “The Belize Blue Hole Exploration Project”. In Hamilton, RW; Pence, DF; Kesling, DE. Assessment and Feasibility of Technical Diving Operations for Scientific Exploration. American Academy of Underwater Sciences. オリジナルの2013-04-16時点におけるアーカイブ。. https://archive.today/20130416011226/http://archive.rubicon-foundation.org/9005 2011年1月8日閲覧。 
  7. ^ Street, Francesca. “Dispatches from the bottom of Belize's Blue Hole” (英語). www.cnn.com. 2021年5月16日閲覧。
  8. ^ Carlos, Naia (2019年4月5日). “Bodies Of Missing Divers Found At The Bottom Of Belize Great Blue Hole”. Tech Times. 2021年8月18日閲覧。
  9. ^ Robert Lamb (2012年). “The 10 Most Amazing Places on Earth”. Discovery Channel. 2012年11月9日時点のオリジナルよりアーカイブ2013年9月12日閲覧。
  10. ^ DISCOVERY LIVE: INTO THE BLUE HOLE”. 2018年12月3日閲覧。

関連項目

外部リンク



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