クロアチアに対する特別措置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/23 06:50 UTC 版)
「シェンゲン圏」の記事における「クロアチアに対する特別措置」の解説
クロアチアの市民に対しては例外的な措置が採られている。クロアチアと同国に隣接する欧州連合加盟国のイタリア、ハンガリー、スロベニアとの間で、シェンゲン協定以前に締結された2国間合意に基づいて、クロアチアの市民には ID カードのみでの越境が認められている。国境付近の住民は越境して通勤したり、相手国側に土地を所有していたりするなど、1日にたびたび国境、とくにスロベニアとの国境を越えている。これはクロアチアとスロベニアがハプスブルク帝国やユーゴスラビアの一部であったことから、数世紀にわたって国境の標識がなかったことによるものである。クロアチアは2012年ごろに欧州連合に加盟することが見込まれているため、越境について欧州委員会の同意の下で暫定措置が採られている。すなわち、すべてのクロアチアの市民は ID カードと、出国検査場でクロアチア警察が発行した証明カードを所持していれば、シェンゲン圏との境界を越えて、ハンガリー、イタリア、スロベニアへ出国することが認められている。ハンガリー、イタリア、スロベニアの警察当局は出入国のさいにそのカードにスタンプを押す。なおクロアチアの市民は、ハンガリー、イタリア、スロベニアとの間での渡航は認められているものの、ほかのシェンゲン協定加盟国に入国するさいには有効なパスポートを所持していなければならない。この措置はクロアチアが欧州連合に加盟すれば廃止されることになっており、そうすればクロアチアの市民は ID カードの所持だけですべてのシェンゲン協定加盟国に入国することが認められるようになる。
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