クリープ変形による破壊
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/11 08:34 UTC 版)
クリープ変形による破壊はクリープ破壊もしくはクリープ破断と呼ばれ、高応力・高温度の環境ほどひずみ速度は大きくなるが、破断までのひずみは大きくなるという特徴がある。低温・短寿命では粒内破壊が目立ち、高温・長寿命では粒界破壊が目立つ。 長時間のクリープ破断実験を短時間の実験で代用する方法として、ラーソン・ミラー・パラメータが利用されている。 P = T ( C + log t r ) {\displaystyle P=T(C+\log t_{r})} Tは絶対温度 (K)、 t r {\displaystyle t_{r}} は破断時間 (h)、Cは材料によって決まる定数で、通常の高温材料なら20程度をとる。温度のみを変化させた場合Pは一定なので、高温・短時間の実験結果から低温・長時間の実験の結果が推定できる。これを加速試験と呼ぶ。ただし、温度上昇によって破壊の機構が変化しないという前提が必要である。 クリープ変形と疲労の複合的な破壊については、マイナー則を応用して、クリープによる損傷と疲労による損傷の単純な和が一定値になった時破断するという考え方、クリープによるひずみと繰り返し応力による塑性ひずみの複合的な寿命をもつという考え方などがある。
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