カドヘリンとの相互作用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 09:35 UTC 版)
F9胎児性癌細胞は上図のP19細胞と同様に通常はE-カドヘリン(英語版)によって媒介される細胞間接着を行っており、E-カドヘリンの細胞質ドメインにはβ-カテニンが結合している。β-カテニンを欠くよう改変されたF9細胞では、E-カドヘリンとプラコグロビン(γ-カテニン)との結合が増加する。β-カテニンとプラコグロビンの双方を欠くF9細胞では、E-カドヘリンとα-カテニンは細胞表面にほとんど蓄積しない。β-カテニンを欠くマウスでは欠陥がある胚が形成される。血管内皮細胞特異的にβ-カテニンを欠くよう改変されたマウスでは、血管内皮細胞間の接着の異常がみられる。プラコグロビンを欠くマウスも多くの組織で細胞接着の欠陥がみられるが、多くの細胞結合部位においてβ-カテニンがプラコグロビンの代替として機能している。α-カテニンを発現しないよう改変されたケラチノサイトでは、細胞接着の異常とNF-κBの活性化がみられる。δ-カテニンに欠陥を有する腫瘍細胞株ではE-カドヘリンレベルと細胞間接着の低下がみられるが、機能的なδ-カテニンを正常レベルで発現させることで正常な上皮形態を回復しE-カドヘリンレベルは上昇する。
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