カステルヌオボーの定理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/19 08:19 UTC 版)
グイド・カステルヌオボー(英語版)(Guido Castelnuovo)は、q と P2(算術種数と第二多重種数(second plurigenus))とがともに 0 となるような任意の複素曲面は、有理的であることを証明した。これはエンリケス・小平の分類を使い、有理曲面を特定した。Zariski (1958)では、カステルヌオボーの定理が正の標数の体の上でも成立することを証明した。 カステルヌオボーの定理は、任意の単有理性な複素曲面は有理的であることも示した。何故ならば、複素曲面が単有理的であれば不正則数も多重種数も有理曲面により制限されることから、全てゼロとなり、単有理的な曲面は有理的となるからである。次元が 3 もしくはそれ以上の単有理的な複素多様体のほとんどは有理的ではない。標数が p > 0 のとき、Zariski (1958)は単有理的な曲面(ザリスキー曲面(英語版)(Zariski surface))で有理的ではない例を見つけた。 当時、q も P1 も両方ともゼロとなる複素曲面が有理的であることは明らかではなかったが、フェデリゴ・エンリケス(英語版)(Federigo Enriques)によって反例であるエンリケス曲面が発見された。
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