オルペウス教のアルゴナウティカ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/17 05:06 UTC 版)
『オルペウス教のアルゴナウティカ』(古希: Ὀρφέως Ἀργοναυτικά、英: Orphic Argonautica)は、古代ギリシアのオルペウス教の文書。オルペウスの視点でアルゴー船の物語を伝える叙事詩。作者不明[4]。4世紀[6]または5世紀[4]ごろ成立。
解説
オルペウスはアルゴー船の乗組員(アルゴナウタイ)の一人である。本書は、晩年のオルペウスが弟子のムーサイオスに当時を語る、という形をとる[3]。六歩格1376行[7]。
冒頭では、オルペウス教と非オルペウス教(ヘーシオドス)の折衷的な宇宙誕生譚を語る[3]。なお、ロドスのアポローニオス『アルゴナウティカ』にもオルペウスが宇宙誕生譚を語る箇所があるが、そちらは非オルペウス教的である[8][9]。
ルネサンス期には、フィチーノが「古代神学」の観点から、本書や『オルペウス教讃歌』の翻訳を試みた[10]。
脚注
参考文献
- レナル・ソレル 著、脇本由佳 訳『オルフェウス教』白水社〈文庫クセジュ〉、2003年。ISBN 978-4560058633。
- ジャン=クロード・ベルフィオール 著、金光仁三郎 監訳『ラルース ギリシア・ローマ神話大事典』大修館書店、2020年。 ISBN 9784469012897。
- 伊藤博明「マルシリオ・フィチーノにおける音と音楽(2)」『人文科学年報』第51号、専修大学人文科学研究所、2021年。 NAID 120007034864 。
- 松原國師『西洋古典学事典』京都大学学術出版会、2010年。 ISBN 9784876989256。
- 三浦要 訳「オルペウス」『ソクラテス以前哲学者断片集 第I分冊』岩波書店、1996年。 ISBN 9784000920919。
- 水地宗明 著「新プラトン主義のアウトライン」、水地宗明; 山口義久; 堀江聡 編『新プラトン主義を学ぶ人のために』世界思想社〈学ぶ人のために〉、2014年。 ISBN 9784790716242。
- オルペウス教のアルゴナウティカのページへのリンク