オギュスタン・ベルクの風土論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/11 13:22 UTC 版)
「風土」の記事における「オギュスタン・ベルクの風土論」の解説
オギュスタン・ベルクは和辻の風土論の影響を受け、「風土学」を発展させるかを検討した。和辻の研究は人間を中心にしたものであった。ベルクはある生き物とその特殊な世界との関係について考察するために、ヤーコプ・フォン・ユクスキュルの思想を研究し、その影響も受けた。ユクスキュルの「環世界」(Umwelt)概念と和辻の「風土」概念を比較しながら、両者の特殊な意味を明らかにした。 「風土性を生み出す、主観的なものと客観的なもの、物理的なものと現象的なもの、生態学的なものと象徴的なものとの風土的=歴史的な結合過程」を表現するために、ベルクは「通態化」(trajection)という概念を導入した。この造語はベルクの主概念であり、個人主体から環境へ、環境から身体へという、行ったり来たりのようなプロセスを指す。ベルクの風土論は「通態化」という概念に加えて、「通態的」(trajectif)や「通態性」(trajectivité)という一連の概念を含む。
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