エゾキンチャク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/19 00:17 UTC 版)
| エゾキンチャク | ||||||||||||||||||||||||||||||
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極東連邦大学科学博物館の標本
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| 分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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| 学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
| Swiftopecten swiftii (Bernardi, 1858) | ||||||||||||||||||||||||||||||
| 和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
| エゾキンチャク |
エゾキンチャク(蝦夷巾着、学名: Swiftopecten swiftii)[1]はイタヤガイ科エゾキンチャク属に分類される二枚貝である。ズカワキンチャクガイ Swiftopecten djoserus Yoshimura, 2017は同種[2] 。
生態
殻高は10.5センチメートル、殻長は9.5センチメートル程度に成長し、形状は扇形で、上側(右殻)は下側よりはやや平らで、殻頂の前後に耳状突起がある。 また貝殻表面から成長線を確認することができる。成貝の色は紫色で、下側は上側よりも色が淡く、しばしば白色を呈する。 稚貝は橙色または桃色で白い斑点や縞模様となる。
形態
一般に二枚貝は貝殻の形態に雌雄の違いがないとされるが、本種の殻形態には例外的に性的二型が知られている。メスはより大きな生殖巣を有しており、殻の内側の容積を広く確保するため、オスに比べてより大きな成長線の凹凸が生じる[3][4]。
分布
国内では東北地方北部、北海道、国外では、日本海北部、南千島、樺太の亜庭湾沿岸などの硬い海底(石、礫)などに固着する。
利用
食用であるものの、養殖や大規模採取などは行われておらず、市場に出回るものは大概ホタテ漁で混獲されたものである。
脚注
- ^ Swiftopecten swiftii (Bernardi, 1858) - WoRMS .
- ^ 松原尚志; 太田敏量; 中村, 雄紀; 市川岳朗; 兼子尚知; 伊藤泰弘 (2022-03-17). “北海道北見地域の中新統相内層の貝類化石群”. 北見博物館研究報告 (3): 1-42 (p.12-15).
- ^ https://academic.oup.com/mollus/advance-article/doi/10.1093/mollus/eyz006/5368219[名無しリンク]
- ^ http://www.jukuko.jp/images/5c9065e060b19.pdf[PDFファイルの名無しリンク]
- 吉村太郎 (2019). 卵生二枚貝エゾキンチャクガイ(イタヤガイ科)における殻成長の性的二型および生活史戦略に関する考察
参考文献
- Животные и растения залива Петра Великого / Жирмунский А. В. — Ленинград: Наука, 1976. — 364 с.
外部リンク
- エゾキンチャクのページへのリンク