ウイルスのセルピン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 08:12 UTC 版)
ウイルスもまた、宿主の免疫系による防御を回避するためにセルピンを発現する。特に、牛痘ウイルス(ワクシニアウイルス)や兎粘液腫ウイルス(ミクソーマウイルス)を含むポックスウイルスが発現するセルピンは、自己免疫疾患や炎症性疾患、さらに移植療法における新規治療戦略となる可能性があるために興味深いものとなっている。Serp1はTLR依存的自然免疫反応を抑制し、ラットの実験において同種心臓移植後の無期限の生存期間を可能にする。CrmaとSerp2はクラス横断型阻害剤で、いずれもセリンプロテアーゼ(グランザイムB;効果は微弱)とシステインプロテアーゼ(カスパーゼ1とカスパーゼ8)の両者を標的とする。哺乳類の相同分子と比較するとウイルスのセルピンは二次構造を明らかに欠損している。特にcrmAはAヘリックスおよびEヘリックスの大半とDヘリックスを欠いている。
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