ウィキ・ラビットホール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/26 05:09 UTC 版)

ウィキ・ラビットホール(英語: Wiki rabbit hole ウサギ穴、またはウィキブラックホール) [1]は、ウィキペディアの読者がたどる学習経路のたとえ。(記事内のハイパーリンクを開いて)元のトピックから別のトピックへ移動を重ね、他のウィキ・プロジェクトまで閲覧することを、ルイス・キャロルの小説『不思議の国のアリス』(1865年発表)で主役のアリスが白ウサギを追って穴に入っていき、冒険が始まる様子になぞらえてある。またブラックホールと比喩する場合は、どうやっても脱出できない穴に強引に吸い込まれる様子を連想させる。このブラウジングの行動はウィキペディアの特定の言語版で発生するわけではなく、むしろその枠を越えて広がっている[2]。
何かを学んだり勉強したら、もっと詳しく知ろうとしてオンラインの百科事典にアクセスし、そうすると始めに読もうと思ったところからだんだん離れて、多くの人は別のトピックへと進んでいく[3]。たとえば映画の視聴者は歴史上の人物や出来事を映像で見ると、そこからウィキペディアを調べて深いところまで辿る結果になりがちである[4]。
ウィキペディアの記事と記事の関係をデータ視覚化すると、あるトピックから別のトピックへ読者がどう移っていくか、経路が想定でき[5]、またラビットホールに入る読者を対象にしたウィキメディア財団による研究がある[6]。
利用者の中には自分のラビットホール体験を共有し、ウィキペディアを褒めようとしたり、あるいはソーシャルメディアの投稿に使ってきた人たち[7][8]や、ウィキペディアを訪れる目的はラビットホールを探検したいからという人もいる[9][10]。ラビットホール探検はウィキレースに分類もできる[11]。
関連項目
- D.B.クーパー事件 ウェブサイト「Thought Catalog」[1]が紹介した記事。
- 行方不明者の一覧 『スレート』投稿者が「ラビットホールを探検したくて」[9]見つけた一覧記事。
- 欧州の超国家機関(テンプレート) 『アーステクニカ』(Ars Technica)のウィキペディア15周年特集記事[7]が採用。
脚注
出典
- ^ a b Stockton, Chrissy (2014年1月4日). “The 10 Best Wikipedia Black Holes For Curious People (Who Have No Impulse Control)” (英語). Thought Catalog. 2018年4月5日閲覧。
- ^ Wang (2018年3月16日). “Why do people go to Wikipedia? A survey suggests it's their desire to go down that random rabbithole” (英語). Nieman Lab. en:Nieman Foundation for Journalism. 2018年9月9日閲覧。
- ^ Yahr, Emily (2018年1月4日). “Do you fall down a Wikipedia rabbit hole after each episode of 'The Crown'? You're not alone.” (英語). Washington Post 2018年4月5日閲覧。
- ^ Beck (2018年8月23日). “13 Movies Based On True Stories With Wikipedia Rabbit Holes You'll Spend Hours On” (英語). Bustle. 2020年1月31日閲覧。
- ^ Li (2014年12月12日). “WikiGalaxy: A Visualization of Wikipedia Rabbit Holes” (英語). The Atlantic. 2018年4月5日閲覧。
- ^ Allemandou (2018年1月16日). “New monthly dataset shows where people fall into Wikipedia rabbit holes” (英語). Diff. Wikimedia community blog. Wikimedia. 2018年4月5日閲覧。
- ^ a b “On Wikipedia's 15th birthday, Ars shares the entries that most fascinate us” (英語). Ars Technica (2016年1月16日). 2020年1月31日閲覧。
- ^ Howard (2015年7月22日). “Feed my Feed: Radical publishing in Facebook Groups” (英語). Rhizome. 2019年1月31日閲覧。
- ^ a b Bosch (2018年1月25日). “Rabbit Holes: Exploring the Wikipedia Page of "People Who Disappeared Mysteriously."” (英語). スレート (ウェブ雑誌). 2018年4月5日閲覧。
- ^ “10 Outrageous Wikipedia Articles That Will Send You Down a Rabbit Hole [あんまりバカらしくてウィキペディアのラビットホールに誘い込まれる記事10件]” (英語). Thrillist (2020年4月30日). 2020年5月29日閲覧。
- ^ “Down the Wikipedia Rabbit Hole: The Game!” (英語). On The Media (WNYC Studios). (2015年2月5日) 2018年4月5日閲覧。
外部リンク
- The Problem with Wikipedia 『xkcd』掲載のコミックでウィキ・ラビットホールを主題にした
- Wiki Wormhole 「ウィキペディアは『ミミズの穴』掘り」。The A.V. Club
- WikiNav ウィキメディア・リサーチのツール。ウィキペディアの記事内で最も人気のある内部リンクと外部リンクを表示。
- ウィキラビットホールのページへのリンク